女子生徒に理系の道を提示 日本科学未来館・浅川智恵子

女子生徒に理系の道を提示 日本科学未来館・浅川智恵子

2021/06/09

全盲の技術者がMiraikanの新館長になるまで

2021年4月、日本科学未来館(Miraikan)の新館長に浅川智恵子さんが就任。2001年の開館当初より、館長を務めてきた毛利衛さんに次ぎ、2人目の館長となりました。浅川さんは中学2年生のとき、事故により失明。障がい者の選べる職業が今より少ない中で出合ったのがプログラミングでした。浅川さんが技術者として今まで歩んできたキャリアや新館長になった意気込みを聞きました。

新館長への打診は突然「とんでもない大役に戸惑う」

編集部(以下、――) 2021年4月から日本科学未来館の新館長に就任する打診がきたときは率直にどのような感想を持ちましたか。

浅川智恵子さん(以下、浅川) 20年間にわたり館長を務めていた毛利衛さんの後任ということで、大変な責任を感じました。

―― どのような経緯で館長に任命されたのでしょうか。

浅川 科学技術振興機構(JST)の濵口道成理事長からお誘いいただいたのがきっかけです。とんでもない大役なので生半可な気持ちで受けてはいけないと思いましたし、私は日本IBMの社員として米国を拠点にしていたこともあり、すぐに返事はできませんでしたね。

 しかし、「日本の遅れているダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂)を浅川さんの経験を生かして推進してほしい」という濵口理事長の言葉に自分が館長を務める意義を感じ、「ぜひやらせていただきたい」と受けることに決めました。

―― 日本IBMでの研究と日本科学未来館・館長の両立に不安はありましたか。

浅川 なかったと言えばうそになります。実際、仕事の量も一気に増えてとても忙しくなりました。それに、米国から帰国するという生活の変化に対しても不安な気持ちはあります。

 しかし私は一度選んだ道はやり切ると決めているので、この選択に後悔はありません。「困難でも諦めずに立ち向かう」という思いは、自分の中に強い信念として持っているんです。

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日経xwoman

2021/06/01掲載記事を転載