「男性のお金が目的でしょ」に奮起、1500万円貯蓄

「男性のお金が目的でしょ」に奮起、1500万円貯蓄

2018/06/27

お金が貯まったら男性への意識も変わった

 大きなお金を貯めた人は、何がきっかけで「貯蓄のスイッチ」が入ったのでしょうか。今回登場する31歳の一人暮らし女性は、先輩女性から「お金目的で男性と付き合っている」と言われて貯蓄に奮起。当初の約10万円から、6年あまりで1500万円を貯めました。貯蓄によって男性への意識も大きく変わったという彼女に詳しくお聞きしました。


A・Sさん(31歳)
看護師
独身、一人暮らし
手取り年収:480万円
貯蓄(投資)総額:1500万円
人生幸福度:70点

――31歳で一人暮らしのA・Sさん。貯蓄に目覚めたきっかけが、「お金目的で男性と付き合っているよね」と言われたからだと伺いました。

 「はい、25歳の頃、職場の先輩女性に言われたんです。同僚の前で『相手の職業を選んで付き合っていない?』『結婚相手は、やっぱり高収入狙いなんだよね』と。私は看護師で、出会いが医療職の人しかいなくて、確かに付き合ってきた人は医師や歯科医が多かった。『単なる職場恋愛だけどな……』と思っていました。

 男性の看護師とも出会いますが、相手の仕事を分かり過ぎてしまうとぶつかりそうで、お付き合いの相手としては避けてきたんですよね。医師なら、お互いの仕事がなんとなく分かって程よい距離感を保てるので、お付き合いがうまくいくと感じていました。

 ですから、決してお金目的で付き合う相手を選んでいたわけではなかったのですが、『自分がお金を持っていればそんなことを言われないかも!』と考えました。それで、貯蓄をすることに興味が出てきたんです」

――ちなみに、お付き合いをしている相手は、お金を出す場面ではいかがでしょうか。

 「基本的に、男性がお金を出してくれることが多いですね。食事や映画のようなちょっとした金額はほぼ毎回出してもらえますし、旅行も多めに出してくれたり……。でもそんな話をしたら母親にも『相手の職業でお付き合いする相手を選ぶなんて、あなたの感覚はおかしい』と叱られてしまったんです。決してそんなつもりはないのに、先輩にも母親にもとがめられて、『貯蓄をして自立している姿を見せるぞ!』という意識がますます高まりました(笑)」

お付き合いするなら「無駄遣いしない男性」がいい

――貯蓄や節約の面ではどのように変わったのでしょうか。

 「当初、貯蓄は10万円くらいと少なかったので、100万円単位、1000万円単位を貯められるようにしようと考えました。定期預金などにお金を預けて、簡単に下ろせないようにしました。すると、数字がだんだん増えていくのが面白いと感じるようになりました。

 出費管理はレシートをノートに貼って、何にいくら使ったか分かるようにしていたのですが、レシートを貼り付けるのが面倒なため、余計な買い物が減ったのがメリットでした(笑)。でも、あまりに面倒になってきたので家計簿アプリに変えたら、手軽な上に、分析ができていいですね。

 毎月の貯蓄額は細かく意識せず、『1年間でたくさん貯まればいいな』と考え、貯蓄に固執し過ぎずに生活していると自然に貯まるようになりました。無駄遣いしないよう、欲しいと思ってもすぐに買わずに一度帰宅し、翌日以降も欲しい気持ちが残っていれば買うなどのルールをつくって心掛けました。貯蓄残高をチェックすると面白いので無駄遣いをやめようと考え、さらに貯まるという好循環が続いています」

――貯蓄が増えていくにつれて、男性に対する意識は変わりましたか。

 「実は25歳くらいまで、『男性にお金を使ってもらえばもらうほど、自分が大切にされているような錯覚』があったんです(苦笑)。食事やホテルやプレゼントなどが高価であればあるほど、愛情が比例しているんではないかと……。

 でも、先輩女性に言われた言葉をきっかけに貯蓄に目覚めてからは、愛情とお金は比例しないと感じるようになりました。むしろ、しっかりお付き合いする相手は、無駄遣いをしないタイプのほうがいいと感じるようになりました。むやみにお金を使う人は、人生でも無駄が多い気がするから(笑)。ですので、自分のために男性にお金をとことん使ってほしいという気持ちは一切なくなりました。お互い、自分のために仕事をしてお金を稼ぎ、自立する関係が心地よいですね。

 また、以前は自分よりも貯蓄が多い人、年収が高い人は尊敬できるという安易な考えがあったのですが、それも一切なくなりました。そんなことを言っていたら一生結婚できませんからね……。偏見かもしれないのですが、お金と地位のある男性は、浮気をする可能性も高まるような気がして(笑)、いいことばかりではないとも感じるようになりました」

――最近は、恋愛がなかなかうまくいかないとおっしゃっていました。

 「医師ではない人と出会いたくて、お見合いをしようと思ったのですが、私の年収や貯蓄が多いということで相手の男性から避けられてしまいました。お金があることが逆に弊害になるケースもあるんですね。難しいです……。

 今は、貯蓄が趣味のようになっているので、それを分かってもらえる相手がいいと考えています。以前の私とは、だいぶ変わってきましたね」

――お金の使いどころは、海外旅行や国内旅行だそうですね。

 「はい、海外旅行は主に恋人や友人と行っています。最近行ったのはアジア方面など近場で、国内旅行もしますが、旅行のためにお金を貯めたりはしていません。そこまで貯蓄に固執すると、疲れてしまいますから。

 貯蓄が最優先になると、どんな出費でも嫌だと感じるようになり、お金を持っている意味がなくなるような気がします。少しくらい使ったとしても、 浪費をせずに仕事を日々頑張っていればまた自然に貯まるもの。せっかく稼いだお金なので、使うことと貯めることのバランスを、自分の中でうまく取っていきたいです」

貯蓄額と幸福度は比例しない

――投資信託や個人年金、個人型確定拠出年金(iDeCo)など、さまざまな資産運用をされていますね。

 「投資信託や個人年金は、自分の意思で始めました。今まで預金しかしてこなかったのですが、通帳を更新すると銀行の方から『この金融商品を買いませんか?』と毎回言われることに少々疲れてしまって、自分の意思で投資を始めようと思ったからです。今は超低金利で預金ではなかなか増えないし、特に大きなお金を使う予定もないので投資に挑戦してみようと思いました。

 雑誌やウェブの記事などで調べて、個人年金は月5万円ほど掛けています。満期時は掛け金1800万円に対して、配当金が300万円程度つく予定です。投資信託はハイリスクのタイプを選んだため、累計300万円ほどの元本で現在20万円ほどのマイナスです。長期で考えているので、一時的なマイナスは気にしていません。

 iDeCoは友人に教えてもらって、自分で調べて始めました。月に1万2000円の掛け金で、現在の残高は14万円ほど。損益はほぼありません。

 投資を始めてみて、世界経済などとお金の動きがどう関連しているのか勉強するようになり、いろいろな知識が増えました。また、積み立てなどを利用して強制的に貯蓄できる仕組みができて、よかったと感じています」

――人生の幸福度について、70点と答えていただきました。

 「確かに貯蓄はたくさんできるようになりましたが、貯蓄額は幸福度には直結していないように思います。目の前に1500万円分の札束そのものがあるわけではないですし(笑)。まあ、私自身は数字が増えていくのはとても面白いのですが……。貯蓄は多少の安心感につながるというレベルで、暮らしも人生も基本的には不自由をしていないので、無難なところで70点くらいだと感じています。

 のめりこめる趣味が特にないのと、31歳という年齢的にも結婚したほうがいいかなと思うので、プライベートの満足度は60点くらい。収入としては、あればあるほど通帳の数字が増えるので楽しいと思いますが(笑)、今の仕事は残業があまりなく、暇な時間も多いので、もっと働いて稼ぎたいなと思っているため、収入満足度は50点です。

 何が幸福だと感じるかは、人それぞれ異なると思います。好きなものを買うことが幸せな人もいれば、お金を貯めることが幸せな人もいるでしょう。私の場合はどちらでもなく、貯蓄がないことで不安になることなく、貯蓄があっても虚無感に陥ることなく、貯蓄に左右されずに精神的に満たされることそのものが、幸せにつながると感じています。貯蓄ばかりに力を入れず、自分が精神的に満たされる道を進んでいきたいと思います」

文/西山美紀 写真/PIXTA

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/06/27掲載記事を転載
「男性のお金が目的でしょ」に奮起、1500万円貯蓄