6月に要確認「住民税決定通知書」の見方、知ってる?

6月に要確認「住民税決定通知書」の見方、知ってる?

2018/06/04

控除は反映されてる? 申告を忘れていた控除はない?

 6月に入り、今年度の住民税の納付がいよいよスタートします。会社員の方は職場から、個人事業主の人は自治体から住民税のお知らせが届く頃となりました。自分の住民税の決まる仕組みを知りつつ、忘れていた控除がないか、申告した控除がきちんと反映されているかどうか、確認しましょう。

納税額が決まるまでの流れをチェック

 住民税が決まる際の計算の流れは、所得税と同じです。

 会社から受け取った「給与収入」から、「会社員の必要経費相当分」として、国が定めた計算式による「給与所得控除」を差し引きます。その金額が、「給与で得たもうけ」に当たる「給与所得」です。

 「給与所得」から、給料天引きで納めた社会保険料や扶養親族の有無、生命保険料控除など、個人の事情に関する「所得控除」を差し引いたものが、税金を掛ける「課税所得」となります。

 この課税所得に住民税率の10%を掛け、出した金額が納税額となります。

「給与収入」から「給与所得控除」(1)と「所得控除」(2)を差し引き、税率を掛けて(3)、納税額を算出します


住民税決定通知書には何が書いてある?

 次の図は、大阪市が発行している「給与所得等に係る市民税・府民税 特別徴収税額の決定・変更通知書」です。市区町村によって異なることもありますが、基本的に書いてある内容は同じです。これを参考に、自分の住民税の計算の流れや納めている税金の金額を確認していきましょう。

税額決定通知書の左部分。どこをどう見る?(クリックで拡大画像を確認できます) 出典/大阪市サイト・特別徴収税額の通知および納入について 

 税額決定通知書の左半分に注目してみてください。「所得」欄と「所得控除」欄、「課税所得(課税標準)」欄になっています。

 所得欄には、「給与収入」「給与所得」がそれぞれ書いてあります。

 所得控除欄には、所得税の情報から計算された医療費や生命保険料などの控除額が書いてあります。住民税は、確定申告していれば、所得税の情報から自治体が自動的に控除金額を計算してくれているので、改めて申告する必要はありません。

 「医療費控除を申告していなかった」「生命保険料控除を忘れていた」ということがあると、自動的に住民税も高くなってしまうので要注意です。申告しよう! と思ったら、所得税の確定申告が必要なので、税務署に確認してください。

 課税所得欄は、給与所得から所得控除を差し引いた金額が書いてあります。

所得税と住民税で違う控除額とは?

 住民税と所得税。計算の流れは同じですが、個人の事情として差し引く控除の中には、所得税と異なるものがあります。その主なものが次の通りです。

概要住民税の控除額所得税の控除額基礎控除納税者本人33万円38万円配偶者控除給与収入103万円までの配偶者33万円38万円配偶者特別控除給与収入103万円以上201.6万円までの配偶者最大33万円最大38万円生命保険料控除一般・医療介護・個人年金(新旧)保険料控除の合計額最大7万円最大12万円

 所得税より住民税の控除のほうが少ないですね。ということは、同じ収入でも、住民税のほうが課税所得が多くなるのです。

住民税率は地域によって違うの?

 住民税の税率は、一律10%。所得税は、課税所得が増えるほど、5、10、20、23、33、40、45%と税率が上がっていくので、その点も所得税と住民税では異なります。

 そして、その10%の割合は、市町村民税が6%、道府県民税が4%(指定都市は 市町村民税が8%、道府県民税が2%)。納める金額の合計は地域によって若干差があります。また、東京都の場合は、都民税+市区町村民税となります。

「ふるさと納税」で税金はいくら安くなる?

 生命保険料控除や医療費控除などは、税金がかかる基となる課税所得を出す際に差し引きます。一方、ふるさと納税が関係する「寄附金控除」は、納めるべき税額から差し引かれます。

 そのため、「いくら税金が安くなったか」は、二つの欄を確認する必要があります。

税額決定通知書の右部分。寄付金控除で税額がどのくらい安くなるかを確認(クリックで拡大画像を確認できます) 出典/大阪市サイト・特別徴収税額の通知および納入について

 一つ目は、税額が書いてある市町村民税の「税額控除額」。二つ目は道府県民税の「税額控除額」。この2カ所の合計額が、ふるさと納税やその他の税額控除などをまとめた税金が安くなった金額です。

 図の見本では、市民税は「税額控除前所得割額(4)」として、本来は17万3680円を納める必要がありました。ですが、前年にふるさと納税や住宅ローン控除などをしたことにより「税額控除額(5)」で8万8979円差し引かれ、市には、最終的には「所得割額(6)」と「均等割額(7)」(大阪市民1人当たり3500円)を納めたらよい、ということになるのです。道府県民税も同様に計算します。

 最終的に納める税金が、「差引納付額」となり、この金額を6月から12回に分けて納めます。昨年ふるさと納税をした人や、所得税から引き切れなかった住宅ローン減税などがある人は、住民税の決定通知書を見て、安くなった税金を確認してみてくださいね。

 私たちの暮らしに必要な税金だからこそ、税金の計算の流れや控除の重みを知り、賢く納税しましょう!

文/前野彩 監修/備順子税理士 写真/PIXTA

Profile
前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/06/04掲載記事を転載
6月に要確認「住民税決定通知書」の見方、知ってる?