貯蓄2900万円女子「お金はあっても幸せ増えない」

貯蓄2900万円女子「お金はあっても幸せ増えない」

2017/11/02

お金の使い方に悩みも 今後は貯蓄を使って親孝行したい

 「お金を貯めれば幸せになれるのでは?」「貯蓄が1000万円以上ある人は、好きなものが何でも手に入れられそう」という声も耳にしますが、実際はどうなのでしょうか。――今回は、2900万円の貯蓄はあるけど「人生幸福度が低い」という女子の本音に迫ります。

K・Aさん(33歳)
メーカー・事務
独身、一人暮らし、彼なし
手取り月収:約43万円
手取り年収:約580万円
貯蓄(投資)総額:2900万円
人生満足度:30点
投資をしている女性のブログを見つけて刺激を受けた

――K・Aさんの貯蓄は、現在2900万円あります。貯めようと思ったキッカケはどのようなことだったのでしょうか。

 「28歳の頃に、たまたま投資をしている人のブログを見たんです。独身女性で、収入は私よりも少ないけれど、しっかり考え、確実に貯めていたことにショックを受けて。『今の私のままでいいんだろうか』と不安になりました。

 私は学生時代から無駄遣いをするわけではなく、少しは貯められるタイプだったのですが、社会人になってから、『投資』に興味があっても怖くて全く手が出せなくて、普通預金と定期預金しかできていなかったんです。

 ですが、ブログの女性が、投資信託や株などに挑戦して、効率よく確実にお金を運用している姿に刺激を受けました。

 そこで私もチャレンジしたいと一念発起して、投資信託の勉強から始めました。『時間をかければかけるほどお金が増えていく』と分かって、これまで貯金だけをしていた時間がもったいなかったと感じました。投資信託だけでなく、株などにも挑戦しました」

――昔から少し貯められるタイプだったとのことですが、新入社員時代から貯金の習慣があったのでしょうか?

 「はい、会社の財形で月2万円ずつ貯めていました。通帳の残高が少しずつ増えていくことが分かると、安心できましたね。ただ一方で、住宅購入に必要なお金や老後に必要なお金を知れば知るほど、『この貯金のペースでは絶対に足りない』という焦りと不安も生まれました。それで、投資も必要だなと感じていたんです」

――貯蓄を増やすために、生活の中で工夫していることはありますか?

 「欲しいものをどんどん買わないような工夫をしています。例えば、洋服を見るとどうしても欲しくなってしまうので、ウィンドーショッピングの機会を減らしました(笑)。『試着だけ』と思っても、一度着てみてすてきだと感じると、買いたい気持ちを抑えられなくなってしまうからです。

 また、コンビニでお弁当を買うと高いので、なるべくスーパーのお惣菜を買って、家でご飯を炊いて食べるようにしています。休日のランチも、外食をしないようにしています。

 でも、そんなふうに節約をしている私ですが……丸の内や六本木などのきれいなオフィス街でおしゃれな女性会社員の方を見かけるたびに『すてきでいいなあ、憧れるなあ』と、ちょっと惨めな気持ちになります。こんなに切り詰めなくてもいいのかなあ、一度きりの人生だから、もっと自分にワガママをしてもいいのかなあと、お金の正しい使い方が分からなくなるときはありますね……」

――お金が貯まったら、どんなことに使いたいですか?

 「私はずっと独身のような気がするので、自分の力で、ある程度いいレベルのマンションを買うのが目標ですね。でも、優柔不断なので、人生で一番高い買い物に対してきちんと決断できるのかという不安はあります。一生住むことになるだろうから、後悔はしたくないし、かといってそこまでしっかり調べられるのかなあと気が遠くなります」

――貯蓄をしようと思い始めて、変わったことはありますか?

 「昔は飲み会が大好きで、仲がいい人だけではなく、あまり親しくない人が集まる会にもよく参加していました。でも、よくよく考えたら、お金を払うのだから楽しいことだけに絞りたいと思って、職場の歓送迎会や忘年会など特別な飲み会以外、断れそうなものは、『忙しい』『体調があまりよくない』などという理由をつけて断るようになりました。打ち解けて信頼しあえる関係性をつくれない人と、無理をして、さらにお金を払ってストレスをためるのももったいないな……と感じたんです。

 そんなふうに、人の付き合いでも、“大切なお金や時間を使う価値がある相手か”という視点が生まれました。限りある時間とお金だから、周りに流されずに、自分で選ぶことも大事だと思うようになってきました」

――貯蓄を意識することで、恋愛観や結婚観などは変化はあったでしょうか?

 「お金の感覚が似ている人でないと、付き合えないなと思うようになりました。その結果、付き合える人がいなくなってしまいました……。

 私がこれまでに出会った男性で、収入がたくさんある人は、お金の使い方もすごく荒いんです。高級な外食に行くのも楽しいけれど、もし結婚しても同じような生活が続くと思うと、全く貯蓄できなくなるのではと怖くなってしまって……。

 また、逆にお金に細かくてケチだなと感じる男性は、付き合ったり結婚したりしたら、お金を使う場面になるたびにうんざりするだろうなと、お付き合いに踏み出せなくて。

 そう考えていくと、第一印象ですてきだなと思っても、お金の使い方を見て違和感があると、付き合うところまでいかないんですよね。お金の使い方を見ると、計画的に人生を進められる人かどうか、見えてきてしまうから。

 お金に関する考え方が同じという人にはなかなか出会えなくて、結婚どころか、お付き合いすら難しい状況です。

 とはいっても、そんな話を男性にしてみると『女性だって同じだよ。男性を金としか見ていないんだなって残念に思うときがあるよ』なんて言われたりして、そうか、お互いにうまくいかないなあと感じています」

――「人生幸福度が30点」と答えていただきました。貯蓄が少ない人からは、「貯蓄が2900万円もあるのに?」と驚かれるかもしれません。

 「はい……貯蓄があれば将来への不安はいくらか解消されると思うのですが、貯蓄があっても、プライベートの満足度は特に増えないんですよね。貯蓄がいくらあっても、人と付き合ったり、結婚したりということとは全く関係がないから。夫や子どもと幸せそうな日々を送っている友達を見ると、『羨ましいな』と思ってしまいます。

 お金がここまで貯まって分かったことは、お金がないことは不安要因の一つになるけれど、お金があったとしても、幸せが一つ増えるわけではないということです。

 今のところは、一人暮らしで好きなときに好きなことができるし、自分の世話だけをすればいいので気楽です。でも、今後50歳、60歳と高齢になっていったときに、このまま一人ですべてをこなしていく自信はありません。やはり夫や子どもがいたほうが幸せなのかなという思いも湧いてきます。

 この問題に関しては、現実にどうしても向き合えずに、避けるようにして今を生きているような気がします」

――貯めるだけでは、幸せを感じないと思ったということですね。貯めるよりも、お金をどう使うかがポイントなのでしょうか。

 「そうなんです。そう思ったので、貯めたお金で、親をハワイかヨーロッパなど、海外旅行に連れて行ってあげたいと考えています。予算は、父母と私で150万円くらいかな。親が一番喜ぶのは、本当は私が結婚して孫を見せてあげることだろうなと思うけれど、きっとかなわないだろうから、せめて旅行に連れていってあげたい。何かしらの親孝行を、親が元気なうちにしてあげたいと考えています。

 また、マンション購入に向けてお金を貯めていますが、それだけではなく、もっと有効的にお金を使いたいと考えて、少し前から英語教室に通い始めました。年間40万円程度かな。今まで自己投資にお金を使うことには抵抗があってできなかったのですが、実際に自己投資にお金を使ってみたらとてもいいと感じたので、もっと早く踏み出せばよかったと思っています。

 これからは、貯めたお金を有効活用して、より生き生きできるような人生にしたいなと思っています」

文/西山美紀 写真/PIXTA

◆変更履歴:本文を一部修正しました。(2017年11月2日)

Provider

日経ウーマンオンライン

2017/11/02掲載記事を転載
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