親が元気なうちに確認するべき「もしものとき」のこと

親が元気なうちに確認するべき「もしものとき」のこと

2017/08/07

確認するのは親の生きがい、残したいもの、捨ててほしいもの

 来週からは、いわゆる「お盆休み」が始まります。

 一般的にお盆とは、8月13日の迎え火から8月16日の送り火までの期間を指しますから、この期間、会社が休みになったり、交代で休みを取ったりしている人も多いことでしょう。

 久しぶりに実家に帰るという方もいると思いますので、今回は、お盆に親と話をしておきたいことをお伝えします。

親さんと「もしも」について話をしていますか?

 入院・介護・死亡……こうした「もしも」のことが起こった場合に、親が子どもに望むことについて、話をしたことはありますか?

え? もしものときのこと? (C) PIXTA

 「もしも」の話をすると、「まだ、元気だから」と先送りするパターンと、「縁起でもない」と考えることをやめてしまう2パターンに分かれるようです。でも、この状態のまま放っておくと、どちらも「もしも」が起こったときに困ってしまいます。

 なぜなら、「もしも」の話は、親子が共に元気だから話ができることだから。

 親が認知症になってしまったり、余命宣告をされたりした直後に具体的な話をするというのは、なかなか難しいことだと思いませんか? 「もしも」はまだまだ先のこと、と思っているからこそ、実は話がしやすいし、準備もしやすいのです。

何を話せばいいの? 3つに分けて

 親と「もしも」について話す内容は、「生きがい」「健康」「お金」の3項目に分けることができます。

 この3つは、いずれも私たちが生活していく上で必要なことですが、「もしも」という人生のエンディングにおいても、この3つが重要なのです。

まず確認するのは、親が大事にしているもの・こと

 まず、「生きがい」とは、どんな価値観を持ち、何を幸せと思って毎日を送っているかということ。つまり、親の毎日の生活の内容や交流関係、大事にしているもの・ことについて話をすることが重要です。

<親に確認しておきたいこと>
・勤務先名や連絡先
・普段連絡を取っている友人の名前と連絡先

 この2つは、親の携帯電話に登録されていることが多いのですが、携帯電話の暗証番号等のロックがかかっていると、もしものときに見ることができません。

 アナログですが、重要な人について手書きで書き出してもらうか、教えてもらった情報をあなたのスマホなどに登録しておきましょう。

次に確認するのは「残したいもの・捨ててほしいもの」

 もし、親が亡くなった場合、誰に、どんなものを受け継いでほしいのかを確認しましょう。

 いわゆる形見分けですが、メモでもいいので、親自身の手書きで書いてもらう方法がベストです。

 「お母さんがこう言っていた」という子どもからの主張だけでは、受け継ぐものや量、そして、子ども自身の思い入れによっては、子ども同士でトラブルになることも考えられます。

 そこで、「親自身がこんなふうに考えて残してくれた」ということが分かるように、親に書いてもらうように話をしましょう。手書きが大変な場合は、携帯電話のメモ機能などを使って書いてもらっておき、もしものときに携帯電話を開けるように、携帯電話の暗証番号など認証コードを子どもたちに伝えておいてもらうのもよいですね。

 そして、大事なことは「捨ててほしいもの」も聞いておくことです。

親の家を少しずつ整理するってなかなかできないもの (C) PIXTA

 何十年もの人生を生きてきた親の家には、たくさんのものがあるはずです。その中には、日記など「中を見ずに捨ててほしいもの」などもあるかもしれません。「そのまま捨てるもの」をまとめておいてもらうのも、体力がある時期にやってもらうようにしましょう。

 余談ですが、意外と実家は、家を出た子どもの荷物も多いもの。あなたもうっかり置いたままにしていませんか? 今の生活には不要なのでとりあえず実家に置いておく……ということをしておくと、もしものときに自分の荷物の整理も一気にしなければならなくなり、そのツケはやがて自分に返ってきます。

 実家に帰る機会に、自分の荷物も早めに整理するようにしましょう。

 次回は、親の健康とお金について話すべきことをお伝えします。

文/前野 彩 写真/PIXTA

Profile
前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。

Provider

日経ウーマンオンライン

2017/08/07掲載記事を転載
親が元気なうちに確認するべき「もしものとき」のこと