あなたのボーナスの使い道は「既に決まっている」

あなたのボーナスの使い道は「既に決まっている」

2017/07/03

夏のボーナスが少なくても上手に使える人・使えない人

 6月~7月の時期は、ボーナスを心待ちにしている人も多いことでしょう「ボーナスをもらってから会社を辞める」という転職組の方もいるぐらい、ボーナスは働き方や人生を考える区切りになるようです。

ボーナスの使い道、実はもう決まってるんですよ (C) PIXTA

 さて、ボーナスで気になるのは、なんといっても金額ですよね。他の人がいくらぐらいもらっているのか、聞いてみたいけれど聞けないものだと思いますから、参考までに、昨年の夏のボーナスのデータをお伝えします。

<従業員規模別(厚生労働省:「平成28年夏季賞与の支給状況」)>
ボーナス額給与の何カ月分?従業員数5~29人26万2243円0.95カ月分従業員数30~99人31万4710円1.02カ月分従業員数100~499人42万3055円1.18カ月分従業員数500人以上64万9810円1.50カ月分
<産業別(厚生労働省:「平成28年夏季賞与の支給状況」)>
ボーナス額給与の何カ月分?全体36万5008円0.97カ月分飲食サービス業等65万910円0.40カ月分生活関連サービス等14万1651円0.64カ月分その他のサービス業23万4960円1.08カ月分医療、福祉26万5641円0.90カ月分建設業42万3007円0.94カ月分教育、学習支援業48万4069円1.31カ月分製造業49万7418円0.95カ月分情報通信業65万6798円1.15カ月分電気・ガス業68万1237円1.61カ月分
<東証第1部上場企業127社の平均額:一般財団法人 労務行政研究所調査>
夏季賞与・一時金(ボーナス)額平均年齢全体72万8662円38.8歳

 平均額を見ると「私のほうが高かった!」とか、「平均に比べたら少な過ぎる……」と、ついつい自分のボーナス額と比べて一喜一憂してしまいがちです。でも、大事なことは、ボーナスの多い少ないではありません。カギは、「ボーナスでやりくりできるかどうか」なのです。

 夏のボーナスを上手に使うために、次の二つの質問に、〇か×かで答えてください。

(1)ボーナス一括払いで買い物をしたものがある
(2)冬のボーナスまでに、まとまったお金が必要な支出がある

 二つの質問が共に○だった場合は、既にボーナスの使い道が決まっています。ボーナスが振り込まれたと喜んでいても、なくなるのはあっという間の可能性がありますから、気を引き締めることが必要です。

(1)「ボーナス一括払いで買い物をしたものがある」人は……

 クレジットカードで買い物をした際、ボーナス一括払いには、手数料がかかりません。

 一般的には、昨年12月中旬から今年の6月中旬にボーナス一括払いで利用した金額が、主に8月に引き落とされます。

 高額の買い物をするときには便利なボーナス一括払いですが、ボーナス一括払いが多いと、入った途端にボーナスがなくなる可能性があります。買ったときのうれしさだけでなく、後の支払い計画をきちんと意識しながら使うことが重要ですよ。

(2)冬のボーナスまでに、まとまったお金が必要な支出がある……

 例えば、こんな支出はありませんか?

・夏休みやシルバーウイーク等の旅行代
・帰省費用
・保険料の半年払いや年払い
・火災保険や地震保険、自動車保険の更新
・スキルアップのための資格学校や受験費用
・エステや脱毛などの自分磨きの費用
・電化製品などの買い替え
・お歳暮などの交際費
・ハロウィーンなどのイベント費用

 これらの支出は、一つ一つは少ないように思っていても、全部をまとめると、意外と費用がかさむもの。

 例えば、旅行代が10万円、帰省費用が3万円、医療保険の年払い保険料が3万円、個人年金保険料の年払いが12万円、火災保険の更新が2万円……という状況だとすると、全部で30万円です。

 従業員数30人規模のボーナス平均額は約31万円。仮にあなたのボーナスが31万円だった場合は、夏のボーナスを予定していた項目で使い切ってしまうことになります。

やばい、やばい、やばい! 使い過ぎちゃった! (C) PIXTA

 もし、この上、「ボーナス一括払いでエステの10万円の契約をしていた!」となると、夏のボーナスではお金が足りません。足りないからといって、夏の買い物を冬のボーナス一括払いにすると、今度は冬のボーナスで使うお金がなくなってしまい、自転車操業の悪循環になってしまいます。

 ボーナスが入ったら、何に使うのかを整理してみてくださいね。

 なお、「ボーナスがもっとあったらちゃんと貯まるのに」というセリフをよく聞きますが、家計相談の傾向として、「もっとお金があったら貯める」という方は、「宝くじが当たったら何を買おうか」と妄想しているのと同じ状態です。つまり、夢見ているだけなので、将来、本当にボーナスが増えたとしても、そのときは「今回はボーナスがいっぱい出たから」と、その分気が大きくなって使ってしまう可能性も高いのです。

 増えることを夢見るよりも、今できることから始めましょう!

 ボーナスが多くても、既に使ってしまったお金の穴埋めや、使う予定のお金でボーナスが足りないという状況では、冬のボーナスもすぐに消えてしまうことが予想されます。

 必要なお金がちゃんと貯まっている人は、ボーナスの金額の多い・少ないではなく、お金の使い方が上手です。ボーナスが平均よりも少なかったとしても、その金額と目的に見合った使い方ができれば良し! なのです。

 この機会に、下半期の予定とともに、夏のボーナスの使い道を考えてみてくださいね。それが、冬のボーナスの上手な使い方にもつながりますよ。

文/前野 彩 写真/PIXTA

Profile
前野彩(まえの・あや)
Cras代表取締役。FPオフィス will代表。大阪在住のファイナンシャルプランナー。中学・高校の保健室の先生から、結婚、退職、住宅購入、加入保険会社の破たんを経て転身。働く女性や子育て世帯が、お金の安心と可能性を実感できる「知れば得トク、知らなきゃソンするお金の知恵」を伝える。講演やテレビでも活躍。新著に『本気で家計を変えたいあなたへ〈第2版〉 書き込む“お金のワークブック”』(日本経済新聞出版社)。

Provider

日経ウーマンオンライン

2017/07/03掲載記事を転載
あなたのボーナスの使い道は「既に決まっている」