不採用は「逆にありがとう」 目を引く履歴書の書き方

不採用は「逆にありがとう」 目を引く履歴書の書き方

2018/03/26

不採用は逆にチャンス 落ち込む前にできることがある

 「面接では手応えを感じたのに……」「このまま転職先が決まらなかったらどうしよう」―――。企業からの不採用が続くと、どんどん自信を失い、弱気になってしまいがちです。また、不採用が怖くて一歩踏み出せないという人もいるかもしれません。

 どこでつまずいたのだろう。それとも戦略が間違っている? もんもんとするうちに、戦う気力を失いそうになることもありますよね。しかし、「不採用の理由を追求することは、意味がないことも多いのです」とキャリアカウンセラーの錦戸かおりさんは言います。


単にマッチングしなかっただけ

 「企業の採用は資格試験などとは違い、数値による『合格点』がありません。それぞれの職場やポジションによって、不採用になる事情や基準は全く違う。例えば、同じ会社でも、『Aの部署なら合格だけれど、今回は別の部署だから不採用』ということはよくありますし、上司やメンバーとの相性も重視される。

 つまり、単純に『マッチングしなかっただけ』というケースも多いのです。

 不採用の理由を問い合わせても問題ありませんが、教えてもらえない場合が多い上、仮に答えてくれても、それが本当の理由かどうかは分からない。思い当たる点があれば反省して修正すべきですが、合わない職場に転職して後々しんどくなりうまく活躍できない可能性を考えると、すっきり忘れて次に進んだほうが賢明です」

 そもそも不採用が続くときに、考えられる可能性は何か。錦戸さんは、以下の点をもう一度振り返ってみるべきだと指摘します。

 「まずは、応募した仕事への理解が足りているか。例えば同じ営業アシスタントの仕事であっても、会社によって内容が違うことが多々あります。とはいえ、求人票には詳しく書いていないケースもありますよね。そのような場合は具体的にどのような業務かを聞いてみましょう。「分からないことはきちんと確認できる人」という評価も得られますよ。

 自己理解が不足しているケースでは、やりたいことや望む働き方をもう一度突き詰め直してミスマッチを防ぎましょう。また、面接での自己アピールが上手にできない人は、伝え方や表現力といったスキルを上げることで手応えを感じることができるはずです。ハローワークなどでは、面接練習の講座もあります。積極的に活用してみてはどうでしょう。

 そしてもう一つは、今の職場、あるいは前職で傷付くような体験をしているケース。転職活動の中でも、自信のなさが出てしまっているかもしれません。そんな場合は、キャリアカウンセラーに相談してみましょう。不安を受け止めて、一緒に対策を考えてもらえますよ」

 さらに、「目を引く履歴書」の作り方として、錦戸さんがレクチャーするのが、「一人働き方改革」の提案です。いったいどんなことをすればいいの?

 「履歴書の自己PR欄や経歴書というと、華々しい業績や資格、特別な体験を書かなくてはいけないと思いがちですが、そんなことはありません。特に事務職の場合、業績が数字で表れるわけではないため、書けることが少なくなってしまう。それなら、自分が仕事の無駄を減らすために行っていることや、周りの人に貢献するために改善したことを書けばよいのです。

 例えば、残業を減らすために書類を電子化した、会議が早く終わるように内容を1枚にまとめて配った、チーム内で仕事のフォローができるように進行具合をこんなふうに共有したなど、個人で取り組んでいること、提案したことなどを記入する。書けることを自らどんどん作っていくわけです」

 現在、働き方改革は、どの企業にとっても大きな課題です。自ら考え、改善や提案ができるということは、大きな武器になるはず。また、「こうした行動を現職でしているうちに、自然と評価が上がり、転職が不要になることも多い」といいます。

 「転職活動はとても孤独な持久戦。でも、取り組むだけでスキルアップにつながります」と錦戸さんはエールを送ります。

 「転職活動をしていると、だんだん転職することだけが目的となってしまう人が多いのですが、それはとても危険です。不採用もチャンスだと捉えてみませんか。

 本来は、幸せな未来をつかむために、勇気を出して一歩踏み出したはず。ですから、『不採用=ゴールが遠のいた』と考えるのではなく、『なんのために転職をするか、どんな未来を望んでいるかをもう一度振り返る機会が得られた』と捉えることです。手帳など、毎日目にする場所に『転職を始めた理由』を書いておくのもよい方法です。

 深く考え、悩んだ分だけ、納得感のいく転職ができます。不採用に落ち込むのではなく、『不採用にしてくれてありがとう!』と思えばいい。それでもやっぱり落ち込むことがたくさんあるのが転職活動です。落ち込んだ自分に、どうか優しくしてあげてくださいね。よく頑張っていると、いっぱい褒めてあげてくださいな」

文/西尾英子 写真/PIXTA

プロフィール
錦戸かおりさん
キャリアカウンセラー。2級キャリア・コンサルティング技能士。国家資格キャリアコンサルタント。正社員の転職を支援するコンサルタントに従事した後、2003年に独立。個人のキャリア・カウンセリングを中心にセミナーや講演、企業での面談を行う。内的キャリア(やりがい、働きがい)重視のカウンセリングを得意とし、長期キャリアのアドバイスが定評。「働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント」(河出書房新社)。公式サイト

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/03/26掲載記事を転載
不採用は「逆にありがとう」 目を引く履歴書の書き方