納得感がある「本当になりたい理想像」の見つけ方

納得感がある「本当になりたい理想像」の見つけ方

2018/02/26

30代で考えておくといい「BE」と「DO」やり方は?

 前回の記事「『悩める』はスキル 転職で解決できるか見極める方法」では、転職を結果的にしなくても「転職活動をすること自体には意味がある」とアドバイスをくれたキャリアカウンセラーの錦戸かおりさん。

 転職活動を始める上で、最も大事なことは、「『本当の自分』を知ること」だと、錦戸さんは言います。

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本当の自分を意外と分かっていない

 「『やりたいことが分からない』という人はもちろんですが、自分で決めた人生を歩んでいるつもりでも、世間体や他人からの評価、親の意見など、さまざまなものに影響され、『本当の自分』が覆い隠されているケースは少なくありません。

 それを無視したままキャリアチェンジをすると、せっかく転職を果たしても 『なんだかしっくりこない……』と違和感を抱いたり、場合によっては、転職を繰り返すことにもなりかねない。ミスマッチを防ぐためにも、今の自分をできるだけ知ることは欠かせないプロセスなのです」

 自分の心と向き合い、「本当に望むもの」を知ることが、納得感のある人生を切り開くカギになると、錦戸さんは言葉に力を込めます。

 どうすればそれを見つけることができるのか。効果的なのが、自分の中の「BE」と「DO」を掘り下げていく方法です。

効果的なのは「BE」と「DO」を考えること

 「BE=自分がどうありたいか、何を大切にしたいかという心の状態、DO=何をしたいかという行動を指します。

 いわゆる『自分軸』と呼ばれるものですね。自分の軸が明確になることで、気持ちにブレがなくなり、どこに向かえばいいかが見えてきます。重視すべきは、『BE』です。『こんなふうでありたい』という気持ちがエネルギーになり、DO=行動につながっていく。つまり、『BE』は『DO』を支える根底になるものなんです」

 とはいえ、すんなりとは出てこないかもしれません。「やりたいこと」「できること」は思い浮かぶけれど、「どうありたいか」についてじっくり考えたことがないという人も多いはず。

 「あまり難しく考えなくても大丈夫。自分がどんなときに幸せや喜びを感じられるかを振り返ってみることです。例えば、人のために役立っていると感じられた時が幸せとか、新しいことを考えているにワクワクするとか、人が成長するのを見ることに喜びを感じるなど、幸せを感じるポイントは人によって違います。自分にとって心地よい状態=BEです。

 どんな状態が自分にとっていいのかを見つけるのが難しければ、逆に、どんなときに不満を感じるか、不安を感じるかを考えてみるといいでしょう。例えば、上司からの指示が多いとなんとなく気持ちが萎えるという人は、自分から能動的に働きかけることができる状態が自分にとって心地いい状態であることが分かります。自分を知るためには、自分が抱いている不満や不安も大きなヒントになるのです」

他の人の「いいとこ取り」でも構わない

 また、たくさんのロールモデルの「いいとこ取り」をすることで、なりたい自分像を探る方法も。

 「『この人いいな』と思う人がいたら、どこに引かれたのかを考えてみましょう。『ロールモデルがいない』と嘆く人も多いけれど、一人にすべてを求めるのではなく、たくさんの人の『いいとこ取り』をすることで、理想像ができる。自分がどうありたいのかが見えてくると思いますよ」

 「BE」が見えてくることで、「DO」もイメージしやすくなります。例えば、新しいことを考えている時にワクワクするという人なら、それを実現できるのは、自分のアイデアを生かせる仕事。

 人と接したり、チームで何かを作り上げていくことに喜びを感じる人なら、販売や営業、あるいは、事務職でも人と交渉をしたり、チームで成果を上げることを重視している職場が向いているなと考えていく。

 「自分が大切にしている価値観で働くことができれば、仕事に納得感が持てるはず」と錦戸さんは言います。

 「自分が大切にしている価値観を認識できたら、一度、今自分がやっている仕事を見直してみてください。見方を変えたり、やり方を変えたりすることで、今の仕事の中でもあなたの価値観を大切にできる部分があるかもしれません」

 「BE」と「DO」を突き詰めることで、自分にとってハッピーな働き方が描けてきたら、その先の一歩をどう踏み出すか。同じ業界や職種であれば、仕事の内容がイメージしやすいものの、問題は、未知の世界にトライしたい場合――。

 「いきなり転職というのは、やはりハードルもリスクも高まります。なので、まずは『お試し』で小さく踏み出してみることがおススメ。副業で関連する仕事に携わってみたり、『大人のインターン』などを活用してみたりするのも一つの手。SNSを活用して情報を探すなど、セミナーやワークショップなど、いろんな手段でお試しできる『場』が見つけられると思います。

 また、『こういうことに興味があります』と積極的に発信して情報を得ることで、出会いが生まれたり、刺激を得られ、成長できる。実際、本格的な転職活動をする前に自分自身でできることはいろいろあるんですよ」

 4回目となる次回は、「BE」「DO」で明確になった「自分軸」を、仕事に当てはめて考える方法を引き続き錦戸さんがレクチャーします。転職に役立つノウハウをたっぷりお届けしますので、どうぞお楽しみに。

文/西尾英子 写真/PIXTA

プロフィール
錦戸かおりさん
キャリアカウンセラー。2級キャリア・コンサルティング技能士。国家資格キャリアコンサルタント。正社員の転職を支援するコンサルタントに従事した後、2003年に独立。個人のキャリア・カウンセリングを中心にセミナーや講演、企業での面談を行う。内的キャリア(やりがい、働きがい)重視のカウンセリングを得意とし、長期キャリアのアドバイスが定評。「働く女性が35歳の壁を乗り越えるためのヒント」(河出書房新社)。公式サイト

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日経ウーマンオンライン

2018/02/26掲載記事を転載
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