仕事の「締め切りに振り回されない」具体的な方法3つ

仕事の「締め切りに振り回されない」具体的な方法3つ

2019/01/16

「追われる生活」に終止符を 「締め切り」の伝え方、構え方

どんな仕事にも付き物なのが「締め切り」。多くの仕事を抱えれば当然、追ってくる締め切りも増えるわけですが、追われる一方だと身も心も疲れ果ててしまいます。では、締め切りに振り回されず、無理なく仕事を回す方法って? そりゃあなた、すずまり姉さんに教えてもらうしかないでしょう!

幕を閉じた第一弾シリーズは
鈴木真理子のミスなし、ムダなし、残業なし 信頼の仕事術
(登場人物)
すずまり姉さん(45歳) & ひよ子(24歳) & やる子(32歳)


左:すずまり姉さん(45歳)/広報部長。社内を練り歩き、各部署の情報を巧みに収集しながら仕事術のレクチャーも行う。過去に数多の過ちをやらかした経験からミス、ムダ、残業を忌み嫌っている。
中:ひよ子(24歳)/入社2年目、やる子の後輩。女性活躍の追い風でキャリア意識が高く、やる気はあるものの失敗も多い。女子力高めのふんわりキャラだが若干不安定。悩んでは落ち込みを繰り返す。
右:やる子(32歳)/1年の間、すずまり姉さんの愛のムチを受けた結果、めでたくチームリーダーに昇進。しっかり者だが、中堅どころならではの悩みも多い。最近はキャリアに目覚め、日々精進中。
締め切りに追われて残業続き…。こんな毎日はもうイヤ!

 1泊2日の出張を終えた翌日、意気揚々と出社したやる子。出先でこなせなかった仕事を片付けようと、いつもより早めの時間にやって来ました。

やる子 「いや~、仕事が大変になるのを見越して先手を打つ私って、結構デキる人っぽいよね。最近、すずまり姉さんに近づいているかも。ムフフ」

 そう言って不敵な笑みを漏らしたところで聞こえてきたのは、ひよ子がキーボードを激しくたたく音でした。

やる子 「あれ? 一番乗りだと思ったのに。おはよう、ひよ子ちゃん。こんな早くからどうしたの?」

ひよ子 「おはようございます、やる子先輩。実は先輩が出張中、急な仕事が立て続けに入ってきたもので……」

やる子 「急な仕事って、どんなの?(ひよ子の手帳をのぞき込んで)ちょっとこれ、かなり無茶なスケジュールばっかじゃない? 大丈夫?」

ひよ子 「うう、大丈夫じゃないけど大丈夫です。きのう、自宅に持ち帰ってだいぶ進めましたから。かなり眠いけど、もう2~3日頑張れば……」

やる子 「いやいや、寝不足で進めても効率悪いだけだって。私もやるから、半分ちょうだい」

ひよ子 「いえいえ、断れなかったのは私ですから、自分でちゃんとやります」

やる子 「いやいや、私も」

ひよ子 「いえ、私が」

 押し問答を続ける二人の前に、颯爽と現れたのはすずまり姉さん。カツカツカツ! といつもの靴音を響かせての登場です。

すずまり姉さん 「あ~たたち、モメるのはおやめんさい。レジの前で『自分が払う』『いや、ここは私が』って言い合う人たちみたいになってるわよ」

やる子 「あ、すずまり姉さん。聞こえちゃってましたか」

すずまり姉さん 「ええ、やる子が『すずまり姉さんに近づいている』って言ったあたりからね」

やる子 「ほぼ最初からじゃないですか! それ、冗談ですからね、軽い冗談」

すずまり姉さん 「それはどうでもいいけど、取りあえずひよ子ちゃん、ムリなスケジュールで引き受け過ぎ。後で、締め切りに振り回されない方法をレクチャーしなきゃだわね」

ひよ子 「そんな方法、あるんですか!?」

すずまり姉さん 「ありますあります、ありまんもす。手が空いたら声掛けてちょー」


無茶な締め切りは相談を、漠然とした締め切りは確認を

 仕事を頼まれると「No」と言えず、つい引き受けてしまうという人は、決して少なくないことでしょう。でも、スケジュールがタイトだったり、他の案件が立て込んでいたりすれば、ひたすら締め切りに追われることになります。

「その締め切りは厳しいかも…」と思ったらすぐに相談!

 締め切りに追われて焦りながらでは、仕事の質が落ちてしまいがち。最悪の場合、締め切りに間に合わなくなることも起こり得るので、無茶だと思ったらまずは相手に相談しましょう。「自分のスケジュールを『他人に預けない』方法」でも触れたように、「○日までなら間に合うのですが」と交渉し、それでもダメなら時には断る勇気も必要です。相談するタイミングは、引き受ける前がベスト。ギリギリになってからでは、相手を困らせてしまうので避けましょう。

「なるはや」「来週の頭まで」etc. 曖昧な締め切りは数字に変える

 「あの報告書、なるはやでお願い」といった曖昧な締め切りはトラブルのもと。その「なるはや」が3時間後なのか3日後なのか、人によって概念が異なるからです。もし、こうした指示を出された場合は「○月○日の17時までなら可能ですが、それでもよろしいですか?」と明確な数字で確認するようにしましょう。もちろん、あなたが指示を出す側になった場合も同じように依頼してください。

締め切りを自分でコントロールできる「My締め切り日」と「To Doリスト」

 締め切りに振り回されないためには、「My締め切り日」の設定も有効です。ここで言う「My締め切り日」とは、本来の締め切りよりも1日以上早めた締め切りのこと。これに合わせて仕事を仕上げるようにすれば、納期が遅れることはなくなります。

品質アップにもつながる「My締め切り日」管理術

 「締め切りギリギリだから」と焦って進めるよりも、確実にミスが減らせるのも「My締め切り日」のいいところ。仕上げて一晩寝かし、翌日に再度確認するようにすれば、よりクオリティーを上げることもできますね。また、スケジュールに余裕ができるので、急な外出や修正が入ったときもムリなく対応可能です。

 なお、「My締め切り日」だけを手帳に書いておくと、本来の締め切りが分からなくなってしまうので要注意。相手から指示された締め切りを「You締め切り日」とし、必ずセットで書くようにしてください。合わせて、その仕事の着手日も記入しておくと進捗管理がしやすくなりますよ。

その日の進捗管理は振り返りできる「To Doリスト」で

 1日のスケジュール管理に「To Doリスト」を使う人は多いことでしょう。以前、戦略的なTo Doリストの書き方をご紹介しましたが、ここでさらに提案。To Doリスト用のノートを作り、1ページを縦半分に折って書き込んでみるのはいかがでしょうか? 左半分には「理想のTo Doリスト」、右半分はその日にやり終えたことを書く「現実のTo Doリスト」とするのです。左と右を見比べて振り返りしやすいので、その日に終わらせられなかった理由や問題点が浮き彫りになることでしょう。ノートの余白を減らせるので、実は節約できるというメリットもあります。

 この方法でTo Doリストを書いていると、うまくいかない日は右側が真っ白……なんて悲しい現実を突き付けられるかもしれません。でもそこに「あしたは頑張って!」とか「この問題をクリアしないと、また切羽詰まるよ」といったあしたの自分へのメッセージを書き込めば、翌日はもっと要領よく進められるはず! To Doリストの内容を翌日に繰り越すほど仕事は増えていき、より締め切りに振り回されてしまうものです。賢く管理して、余裕のあるスケジュールで仕事を進めるようにしたいですね。

締め切りに振り回されず、いざというときに勝負できる人になろう

 人はそれぞれ、業務内容によって好き嫌いがあると思います。嫌いな業務の予定を組んだ後で、締め切りが同時期の好きな業務を依頼されたらつい優先したくなりますが、えり好みはNG。あくまでも、優先順位は先に予定を入れたほうです。嫌いな業務の締め切りを遅らせてもらう、なんてことはしないように心掛けましょう。

 日ごろから「My締め切り日」や「To Doリスト」を活用し、スケジュールに余裕を持たせておけば、嫌いな業務を優先しながら好きな業務にも携われます。また、営業活動が実って「狙っていた企業から、急きょプレゼンの機会をもらった!」なんて勝負時にも、じっくり時間をかけて準備できるはず。そうやって締め切りに振り回される日々から脱却し、いつでも勝負に出られる人になりたいですね。

締め切りに振り回されないためのポイント


◆無茶な締め切りにはその場で相談を
◆締め切りは数字で。曖昧な表現はしないこと
◆「My締め切り日」と「To Doリスト」で締め切りをコントロール
◆余裕あるスケジュールで、いつでも勝負できるように!

ひよ子 「そうそう、つい引き受けちゃうんですよね~。無茶な締め切りだって思っても、何とかできそうかなって」

すずまり姉さん 「あらま、1年前のやる子のようだぁねぇ。自分できちんとスケジュール管理ができていれば、無茶かどうかもしっかり判断できるようになるはずだから、ひよ子ちゃんも頑張って。ハッスル、ハッスル!」

やる子 「ハッスルって、これまた久々に聞きましたよ……。でも、すずまり姉さんの言う通りだと思うよ、ひよ子ちゃん。私も前は振られた仕事をすべて受けるくらいの勢いだったけど、その頃は死相が出てるって言われてたし……」

ひよ子 「死相……。そんな先輩みたいなことには絶対なりたくないから、もう無茶はしません!」

やる子 「絶対って……相変わらずハッキリ言うなぁ。ま、いっか。じゃあ、ひよ子ちゃん、私からもアドバイスすると、手帳でスケジュール管理をするときは透明な付箋を使うと便利だよ。目立つし、下の予定も透けて見えるから。でも、ケチって使い回すと、すぐに剥がれてどこに貼っていたか分からなくなるんだよね~」

すずまり姉さん 「そう言えばあ~た、手帳を開いた途端、たくさんの付箋が紙吹雪のように舞い降りていったこと、あったわね。あの時、使い回すのはやめれと言ったじゃない……」

ひよ子 「そんな先輩みたいなこと、絶対しませんから。フフッ」

やる子 「うっ、また『絶対』って言われた……」

 色とりどりの付箋がハラハラと舞い、慌てて拾おうともがくやる子の姿を想像し、楽しそうに笑うひよ子。アドバイスを贈ったすずまり姉さんと、仕事を手伝ってくれたやる子に感謝を伝えつつ、再び業務にまい進するのでした。

文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA

Profile
鈴木真理子(すずき・まりこ)
ヴィタミンM/代表取締役。三井海上火災保険(現三井住友海上)に事務職で入社し、約10年の勤務を経て起業。企業研修やセミナーで3万人以上に指導を行う。著書は10冊、累計20万部突破。近著は「仕事のミスが激減する『手帳』『メモ』『ノート』術」(明日香出版社)、「マンガでわかる!仕事で絶対ミスしない技術」(宝島社)など。数多の過ち経験を告白し、ミス、ムダ、残業を減らすヒントを提唱。

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/11/27掲載記事を転載
仕事の「締め切りに振り回されない」具体的な方法3つ