「1分1秒でも長く寝かせて」本音が生んだ朝用マスク

「1分1秒でも長く寝かせて」本音が生んだ朝用マスク

2018/09/21

サボりながらもキレイになるアイテムを生み出した「女子開発ラボ」って?

 女性の「悩み」を解消してくれる商品やサービスは、どのようにして生まれたのでしょうか。連載4回目に取り上げる商品は、「サボってもキレイでいられる」を実現する朝用マスク「Saborino(サボリーノ) 目ざまシート」。同商品を企画した「スタイリングライフ・ホールディングス BCL カンパニー」の御殿谷りえさん、齊藤久美子さん、三原彩さんの3人に、開発にまつわる話を伺いました。


写真右から
御殿谷 りえ(みどのや りえ)
 宣伝本部・宣伝部係長。「女子開発ラボ」の初期メンバーとして、「サボリーノ 目ざまシート」の企画・開発を担当。
三原 彩(みはら あや)
 マーケティング本部・販売促進部 兼 国内事業部 バラエティ営業部。2017年に入社後、「サボリーノ」ブランドを展開する「女子開発ラボ」のメンバーに。
齊藤 久美子(さいとう くみこ)
 企画本部・企画2部1課課長。「女子開発ラボ」の初期メンバーとして、「サボリーノ 目ざまシート」の企画・開発を担当。
◆女子開発ラボの《欲しいをカタチに》ストーリー◆
【きっかけ】
・社長の発案で「女子開発ラボ」が発足。アイデア考案時、普段抱えている不満や欲しいものに改めて焦点を当ててみたところ、「朝の面倒臭さ」にたどり着く
 ↓
【逆風~信念を貫き通す】
・「洗顔」まで一緒にするという商品に対して社内から不安視する声もあったが、「洗顔」という要素を外せば「朝の面倒臭さを解消する」というコンセプトからズレてしまう、と信念を貫き通し、ついに発売へ。
 ↓
【「欲しい」を「カタチ」にした後は】
・数量限定での発売後、大ヒット。現在は、新たなる時短アイテムも続々と登場している。今後も、もっと女性たちが「自分のための時間」をつくれるような商品の開発に挑み続ける。
女性の本音は「1分1秒でも長く寝ていたい!」

 きちんとスキンケアはしたいけど、朝は時間との勝負。何とかして「時短」と「しっかりケア」が両立できるアイテムはないものか――。この切実な気持ちは、働く女性であれば誰もが感じたことがあるはず。

 「サボリーノ 目ざまシート」は、スキンケアや保湿下地だけでなく、60秒で「洗顔」まで完了するオールインワンの朝用マスク。「サボり」ながらも「キレイ」にしてくれる時短コスメです。

 同商品を企画・開発した齊藤久美子さん、御殿谷りえさん、そして現在販売促進を担当している三原彩さんに、商品誕生のきっかけやブランドコンセプトなどについて伺いました。

 「『サボリーノ 目ざまシート』は、『女子開発ラボ』という社内プロジェクトチームから生まれたアイテムです。企画、宣伝、営業、販売推進の各部署に所属する20代後半~30代前半の女性5人(営業2名、他各1名)が集まり、新商品の企画・開発から店頭展開・イベントまでをトータルにプロデュースしています」(御殿谷さん)

 この「女子開発ラボ」は、カンパニーエグゼクティブプレジデントである北村博之社長の発案で、2013年に発足。会社としても初のプロジェクトだったそうですが、発足時のメンバーでもある齊藤さんと御殿谷さんは、どのようにして「朝用の時短マスク」というアイデアにたどり着いたのでしょうか。

 「最初のうちは、社内アンケートを取ったり、関連会社にヒアリングをしたりしていたのですが、なかなか『コレだ!』と思えるアイデアが浮かばなかったんです。だから一旦、自分たちが普段の生活の中で抱えている『不満』や、こんなものが『欲しい』という気持ちに立ち返ってみようという話になり、突き詰めて考えていくと、『朝の面倒臭さ』に行き着いたんです」(齊藤さん)

 5人の1日のスケジュールを出し合うなどして話し合ってみると、仕事柄メークをしっかりとしている営業や宣伝、販売促進のメンバーでも、「毎日のメークは面倒臭い」「できるだけ長く寝ていたい」と思っていたことが判明したんだそう。

 「『1分1秒でも長く寝ていたい』『洗面所に顔を洗いに行くのも面倒臭い』というのが5人の共通意見だったので、『寝ながら洗顔もできて、1回の動作で朝のスキンケアが終わるものが欲しい』という発想に至りました」(御殿谷さん)

 「実は、企画当初はファンデーションもできるマスクを考えていたのですが、ファンデーションをプラスすると液剤が重くなり、液だれが発生するという問題がありました。液だれが発生すると、服を着たままマスクが貼れず、落ちた液剤の掃除など面倒なことも増えてしまうので、最終的には『60秒でメイクに取り掛かれるオールインワンマスク』に決定しました」(齊藤さん)

 目的は、朝の「時短」と「面倒臭さ」の解消。このブレない軸があったからこそ、「洗顔もできる」という斬新な発想が生まれ、反対に「ファンデーション機能は付けない」という決断ができたのではないでしょうか。

 「その他にも、マスクが大き過ぎて貼ったときに隙間が空いたり、剥がれたりすることを防ぐため、しっかりと顔に密着するサイズを追求しました。マスクの後に、すぐにメークに移れることも重要なポイントだったので、潤いとサラッと感のバランスにもこだわりました」(齊藤さん)

「洗顔」も一緒にしていいの? 逆風でも5人は団結

 何度も試作を重ね、自分たちでも試し、改良を重ねていったという「サボリーノ 目ざまシート」。開発期間中、集まった5人の間で意見が食い違うことはなく、フィーリングはぴったりだったといいます。

 「部署は違うものの、センスや感覚、普段から抱いている悩みが一緒だったので、『自分たちが欲しいもの』に対する意見も共通でした。だから、進むときは5人全員が同じ方向を向いて進めていましたね」(御殿谷さん)

 しかし、発売するまでの間には、ある「逆風」もあったといいます。

 「『洗顔』も一緒にするという点について、社内から不安視する声が上がりました。スキンケアと保湿下地までは想像できても、『洗顔』まで一緒にするという商品は、それまで世間にはなかったからです。当時、『さすがに洗顔は別にしたほうがいいんじゃない?』という意見は多かったですね」(齊藤さん)

 こうした不安を耳にしながらも、5人は「絶対に大丈夫」という姿勢を貫いたそうです。

 「まだ世の中にない商品を送り出すとき、その結果を予測することができないため、不安や心配になるのは当然だと思います。でも、この商品から『洗顔』という要素を外してしまうと、出発点となった『朝の面倒臭さを解消する』というコンセプトからズレてしまいます。そうなると、この商品を作る意味がなくなってしまうので、そこは5人で力を合わせて、それぞれの部署の理解を得られるよう説明し続けました」(齊藤さん)

 そしてコンセプトを貫いた結果、北村社長のGOサインを獲得。「女子開発ラボ」の発足から約1年半後の2015年4月に、第一弾が発売されました。

「サボった時間で何をする?」 コンセプトに共感し入社

 当時、数量限定で発売された「サボリーノ 目ざまシート」は、店頭に並ぶとすぐに完売。3カ月もたたないうちに追加生産となり、その追加分もすぐに売り切れたといいます。

 「洗顔ができるという点はもちろん、それまでは『夜』使うという認識だったマスクを、『朝』に持ってくるという点も、新しいと思っていただけたようです。市場での売れ行きが話題となり、メディアでも取り上げていただき、本当に反響が大きかったですね」(御殿谷さん)

 現在「サボリーノ」の販売推進を担当する三原さんも、実は市場での人気を消費者として肌で感じてきた一人。転職活動をしている時に、「サボリーノを作っている会社なんだ」と思い、採用面接に挑戦したそうです。

 「広告に、『サボった時間で何をする?』というコピーが書かれていて、その言葉がすごく印象的だったんです。ただ単に時間を短縮するんじゃなくて、『時短をすることによって、よりよい生活を提供しようとしてくれているんだ』ということが分かり、そこに魅力を感じました」(三原さん)

 そして縁あって、入社後は「女子開発ラボ」のメンバーに。商品を店頭で大規模に展開できるよう、ブランドイメージに沿ったフレッシュでかわいい什器を作るなどして、「サボリーノ」を支える一員として活躍中です。

 「友人が使ってくれていることも多く、そうした話を聞くと、とてもうれしいですね。SNSで話題になっていたり、愛用してくださっている方を目にしたりすると、『明日からの仕事もさらに頑張ろう!』と思えます」(三原さん)

 「私たち自身も驚いているのですが、サボリーノが評判になり成長していくにつれ、メンバーにも幸せが巡ってくるようになりました。ブランドを立ち上げた初期メンバーに関しては、5人全員に結婚や出産などのハッピーな出来事が起こり、現メンバーも、楽しく前向きに仕事に取り組んでくれています。『女子開発ラボ』の一員になることで、部署の垣根を越えて、主体的・能動的に動く姿勢が身に付くので、仕事もプライベートもいい循環になっていくのかもしれません」(御殿谷さん)

時短はするけど、自分に手間はかけていたい

 朝用マスクはもちろん、頭皮ケア・シャンプー ・トリートメント ・コンディショナー・ヘア速乾の5つが60秒で完了する「トリートメントシャンプー」や、メーク落とし・洗顔・ボディー洗浄・保湿が1枚でできる全身用の「さっぱり落とシート」など、さまざまな時短アイテムを展開している「サボリーノ」。今後は、どのような展開をしていくのでしょうか。


 「普段当たり前のようにしていることでも、よく考えてみたら面倒臭いことや、やらなくてもいいことってありますよね。働く女性は本当に忙しいので、今後もそういう部分を見つけて、『これがあってよかった!』と感じてもらえるものを作っていきたいです」(齊藤さん)

 「サボリーノには女性の毎日を助けてくれるアイテムがたくさんあり、それらは自分たちが実際に使ってみて、本当に『いい!』と思ったものばかりです。『目ざまシート』なら、朝だけでなくスポーツ後にも使えるなど、さまざまな使い道があるので、より多くの人に商品の存在を知ってもらい、いろいろなシチュエーションで使ってもらえるよう、購買層の拡大にも力を入れていきたいです」(三原さん)

 「忙しいと、自分のことを考える時間がなくなってしまいがちですが、時短アイテムを使うことで少しでもスキマ時間をつくり、忙しい女性が『自分のための時間』を持てるようになればいいなと思っています」(御殿谷さん)

 「目ざまシート」は、発売から今年6 月の時点で数多くのベストコスメを受賞し、ついに50 冠を突破。また、「サボリーノ」の朝用マスクにプレミアムラインも登場し、進化し続けるアイテムから目が離せません。

 「『時短はするけど自分に手間はかけている』という実感は、毎日の充実感にもつながると思うので、持っているだけで気分が上がり、機能性もある商品を提供していきたいですね」(御殿谷さん)

「サボリーノ」公式サイト

文/青野 梢 写真/小野さやか

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/09/21掲載記事を転載
「1分1秒でも長く寝かせて」本音が生んだ朝用マスク