もっと仕事が速くなる「自分の標準時間」を知る方法

もっと仕事が速くなる「自分の標準時間」を知る方法

2018/02/06

時間見積もりをいつも間違える人が把握できていないこと

 締め切りや納期、あなたはきちんと守れていますか? 「半日くらいで終わる」と過信した結果、1日かかってしまったなんて経験がある人は、自分の「標準時間」を把握できていないのかもしれません。では、「標準時間」を知るには、どうすればよいのでしょうか? すずまり姉さんに聞きました。

(登場人物)
やる子(30歳) & すずまり姉さん(40代)


左:やる子(30歳)/仕事に対しては真面目で、やる気も十分なのに、なぜかいつも空回り……。ミスやムダが多く、残業しているのは自分だけという状況もしばしば。
右:すずまり姉さん(40代)/効率よくスマートに仕事をこなす。過去に数多の過ちをやらかした経験からミス、ムダ、残業を忌み嫌う。厳しさと愛をもって全力で後輩を指導中。
長期プロジェクトのスケジュールを組むのって、意外と大変…

 慌ただしい月末を過ぎ、和やかな雰囲気が漂う日経YARUKI社オフィス。大きなプロジェクトを終えたやる子は、次の案件に取りかかろうとプランを練っています。

やる子 「ん~、この作業は厄介だから、もう少し時間を取って……。あ、でもそれだと、スケジュールが押しちゃうかな」

 そう言って頭を悩ませるやる子。カツカツカツ! という、すずまり姉さんの靴音にも気付かず、スケジュール帳を凝視しています。

すずまり姉さん 「おはよう、やる子! こないだの打ち上げ、楽しかったわね~」

やる子 「うわ、びっくりした! あぁ、すずまり姉さん、おはようございます。実はあの打ち上げの時、かなり酔っ払っちゃって、あんまり覚えていないんですよね……」

すずまり姉さん 「あら、私は一言一句、覚えているけどね。あ~た、べろんべろんで、いろいろ過激な発言していたわよ。楽しいとつい飲み過ぎちゃうから、気を付けNight」

やる子 「おっ、『気を付けないと』と夜の『ナイト』をかけたんですね! 最近、すずまり姉さんのダジャレがつかめてきました。それより私、何を言っていたんでしょう? ヤバイ、記憶が完全に抜けてる……」

すずまり姉さん 「……。ギャグに興ざめな解説を付ける人には、教えてあ~げない。そんなことより、今は何を悩んでるの?」

やる子 「次のプロジェクトの件です。とりあえずスケジュールを引いてみようかと思ったんですが、意外と難しいですね。こういう長期案件で時間を見積もるのって」

すずまり姉さん 「まあ、ルーティンワークと違うから先を読みにくいわよね。効率よく進めることは大切だけど、ゆとりも必要だし。とりあえず、まずは自分の『標準時間』をもとに考えてみれば?」

やる子 「『標準時間』? なんすか、それ」

すずまり姉さん 「あら、ご存じない? んじゃ、今日のレクチャーはそこから始めようかしらね」

やる子 「はい! 姉さん、今日もよろしくお願いします」


そもそも「効率化」って、どういうこと?

 誰だって、仕事は効率よく進めたいもの。では、どうすれば効率化できるのでしょうか? 答えは「ムリ、ムダ、ムラをなくすこと」です。

ポイントは「目的」と「手段」のバランスを取ること

 この「ムリ、ムダ、ムラ」について、「目的」と「手段」を載せたシーソーで考えてみましょう。まず、シーソーの「目的」側が上、「手段」側が下に来ている場合。例えば、1人で済む仕事(=目的)に3人費やしている(=手段)といった状態ですが、これだと2人が「ムダ」になってしまいます。

 反対に、「手段」側のほうが上に来ているとしたら、これは3人でかかる仕事を1人でやっている「ムリ」な状態ですね。

 こうした「ムリ」や「ムダ」があると、仕事にかかる時間や質に偏り=ムラが生じてしまいます。

 ムラがある状態では、効率がいいとは言えませんよね。つまり、効率化には「目的」と「手段」のシーソーをバランスよくする必要があるということ。

 人員配分を考えるときなどは、この考え方が不可欠です。

 前述のシーソーの概念は、自分だけの仕事を効率化する際にも当てはまります。例えば、60分かかる仕事を30分でこなすのはムリ、90分でこなすのはムダといった形ですね。このように、ムラのあるなしの判断材料となるのが、一つの作業にかかる時間、すなわち「標準時間」です。

仕事の効率化を図るには、「標準時間」の把握が不可欠!

作業を細分化するのがコツ! 「標準時間」の出し方

 「標準時間」を把握するなら、まず必要なのが作業の洗い出し。例えばプレゼン準備なら、「資料作成」「資料印刷」「会場セッティング」といった形で作業を細分化します。それができたら、各々の作業にどのくらい時間がかかったかを実際に計りましょう。何度か繰り返し、平均時間を出したらそれがあなたの「標準時間」です。

スケジュールを立てるときは余裕を持たせて

 「標準時間」を把握していれば今後、スケジュールを立てる際に役立ちます。そのときに気を付けたいのは、余力を残しておくこと。例えば1日のスケジュールを立てるとき、7時間勤務だからといって7時間分の仕事を入れるのはNGです。なぜなら、休みなく同じペースで働くのは不可能だし、会社では自分の作業だけに集中できないことも多いから。入れる仕事は与えられた時間の80%程度に抑え、残りの約20%は調整時間に充てるようにしましょう。


効率化に磨きをかけて、仕事をもっと速く終わらせよう!

 「標準時間」にのっとって仕事を進めるときは、「必ず完成させる」という強い意志が大切です。「できるところまでやろう」「できなかったら残りは明日」といった気持ちでは、時間だけが過ぎていきがち。途中でやめると再開時に書いた部分の読み返しも必要なので、きっちり終わらせるようにしましょう。時折、パソコン画面の時計をチラッと見て、進行具合をチェックしながら作業するのがオススメです。

「標準時間」を少しずつ短くしていく

 「標準時間」のうちに終わらせられるようになったら、次は3分減らす、その次は5分減らすといった形で短く設定していきましょう。よりスピードアップしていくには、数字で管理するのが一番の近道。いつの間にか、仕事がもっと速く終わるようになれるはずです。

ショートカットキー&単語登録でさらにスピードアップ!

 キーボード入力の時間を短縮できるショートカットキーを、使わないのはもったいない! 作業効率がグンとアップするので、どんどん利用しましょう。とはいえ、すべて覚えるのは至難の業。かえって時間が必要になることもあるので、一通り試して自分で気に入ったものだけをリスト化し、「自分用マニュアル」などにまとめておくと便利です。リストを見ながら繰り返し使っていけば、すぐに覚えることができますよ。同様に、単語登録も必要なものだけに絞ること。登録ワードは分かりやすく、通常の文書であまりかぶらないものにしたいですね。

Ctrl+R 受信メールの画面を開いた状態で、返信メールを作成(Outlook使用時など)
Ctrl+F 受信メールの画面を開いた状態で、転送メールを作成(Outlook使用時など)
Ctrl+C コピー
Ctrl+V ペースト
Ctrl+P 印刷
Ctrl+N 新規作成(エクスプローラー使用時など)
F12 名前をつけて保存(ワードやエクセル使用時など)

効率化に不可欠な「標準時間」を活用するポイント


◆作業を細分化して「標準時間」を割り出そう
◆スケジュールの詰め込み過ぎはNG
◆「標準時間」内に終わらせるのが原則
◆時間を短く設定すればスピードアップの訓練に
◆ショートカットキーや単語登録でより効率化

やる子 「なるほど、『標準時間』って大切ですね。今まではなんとなくで見積もっていたけど、次からはきっちり計ってみます! ショートカットキーと単語登録も、ちゃんとリスト化しようっと。何なら、すずまり姉さんのギャグも登録しときましょっか?」

すずまり姉さん 「あ~た、ギャグリストはムダなんじゃない? (口元へ持っていった左手をクチバシのように突き出して)それは結構コケコッコー」

やる子 「姉さんのギャグの引き出し、ホントいろいろ入ってますね……。まあ、とりあえず登録作業から始めてみます。ありがとうございました!」

 すずまり姉さんにお礼を言ったやる子が作業を始め、数時間後……。

すずまり姉さん 「あら? やる子、もしかしてまだ登録作業やってんの?」

やる子 「あああ、すずまり姉さん! 何か登録ワードがよくなかったみたいっす。メールの書き出しに使う『いつもお世話になっています。日経YARUKI社のやる子です。』の一文を『いつ』で単語登録したら、別の文章で『いつ』を入力するたびに出てきて……。あまりに鬱陶しいから、全部登録を見直してるんです」

すずまり姉さん 「だから、かぶらない登録ワードにするように言ったのに。あ~た、その作業こそムダだわね……」

 あきれ顔でそう言い残して自分のデスクに戻り、深くため息をつくすずまり姉さんでした。さて、次回もお役立ちのすずまりメソッドをお届けします。来週も乞うご期待!

文/石川由紀子 キャラクターイラスト/小迎裕美子 写真/PIXTA

Profile
鈴木真理子(すずき・まりこ)
ヴィタミンM 代表取締役。三井海上火災保険(現三井住友海上)に事務職で入社し、約10年の勤務を経て起業。企業研修やセミナーで3万人以上に指導を行う。ビジネス書作家(日本ペンクラブ会員)としても活動。著書は8冊、累計15万部突破。近著は「仕事のミスが激減する『手帳』『メモ』『ノート』術」(明日香出版社)。江戸っ子言葉でギャグ好きの姉御気質。数多の過ち経験を告白し、ミス、ムダ、残業を減らすヒントを提唱。

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/02/06掲載記事を転載
もっと仕事が速くなる「自分の標準時間」を知る方法