「夜2時間」の余裕を生む、「朝30分」の工夫とは

「夜2時間」の余裕を生む、「朝30分」の工夫とは

2018/01/05

【WOMAN EXPO】早起きのポイントは「うれしい、楽しい、気持ちいい」

 12月2日、3日に「WOMAN EXPO TOKYO 2017 Winter」が東京ミッドタウンで開催されました。2日に行われた朝6時代表取締役の池田千恵さんによるセッション、「朝の30分が夜2時間の余裕をつくる じぶん働き方改革」では、「朝30分」自分のための時間を持つことで余裕を生み出し、働き方を変える方法が紹介されました。

情報過多の時代で余裕がなくなっている

 現在は、働き方改革という言葉が先行しているものの仕事量は変わらないという混乱期にあるため、余裕がなくなっているといいます。池田さんによれば、原因の一つは「have to」が多いこと。「しなければならないこと」と「こうしたいということ」が入り混じって、「want」が見えなくなっているのです。

 その背景にあるのが、情報過多。SNSで周りがみんなキラキラして見えたり、「つながり疲れ」によって自分の「すごさ」に気付かなくなっていることもあるそう。池田さんの場合は、朝4時起きをしていることを周囲に話したところ、自分ではたいしたことがないと思っていた習慣にニーズがあると気付いたそうです。同様の「すごさ」は誰にでもあり、それを考える時間を確保することが大事とのこと。頭と心が整理されれば行動が変わり、未来が動き出すといいます。

 「自分がどう思うかを見極めることが、じぶん働き方改革につながります。自分がどう働きたいか、どう生きるかをじっくり考えないでいると、あっという間に3~4年たってしまいます。日々考える時間をつくることが、本当の働き方改革じゃないかと思います」(池田さん)

考える時間を確保するためには?

 それでは、考えるための時間はどうやって確保すればいいのでしょうか。まずは、「エセやりたいこと」に時間を取られないようにするのが大切だと池田さん。例えば「運動をしたい」場合、「体を動かすのが好きで喜んで」なら「want」ですが、「太ったら嫌だから仕方なく」であれば「have to」です。前者なら自然と続きますが、後者では続きません。また、「太ったら嫌」であれば、運動以外の方法もあるかもしれません。本音を意識するのが大切ということです。

 「エセやりたいこと」に時間を取られないための方法として、池田さんは「理想の1日」のスケジュールを書いてみることを提案します。現状のスケジュールに引っ張られることなく、理想の時間を書くことがポイントです。理想を実現するために、他の時間をどう短くするかを考えるのが目的だからです。


考える時間を「朝」につくる

 「忙しいから時間をつくれない」ではなく、「時間をつくらないから忙しい」のだと池田さん。

 「時間は貯金と似ているんです。給料天引きで貯金をすると結構貯まりますが、給料日の前日に余ったお金をためようとしても、たまった試しがないですよね。それと一緒で、余った時間で何かしようとしてもできないので、最初につくるのがとても大切になってきます」(池田さん)

 そこで池田さんが提案するのが、朝に考える時間を持つことです。なぜなら、自分次第でつくれるのが朝の時間だから。朝の時間に自分のエンジンを温め、余力で1日を回すと仕事も楽になり、心の余裕も出てくるのだそう。

 「思考時間の確保は人生戦略です。そうするとモヤモヤが整理されて優先順位が明確になり、仕事にメリハリが付いてスムーズに回り、家族/趣味の時間が増えて、心身のリズムも整います」(池田さん)


朝に楽しみをつくれば早起きできる

 早起きをしたいと思っても、実行するのはなかなか難しいもの。そこで池田さんは、「朝イチを楽しむ」「決めグセを付ける」「伝え方を工夫する」の3つを提案します。

朝イチを楽しむ

 「早起きできない人は、朝つらいことをしてしまう」と池田さん。その一例が、早起きしてTOEICの勉強をするというもの。勉強することが楽しかったり、TOEICを取得した先に楽しみがあればいいものの、そうではなくて起きようとすると「早起きとつらいのダブルパンチで絶対起きられない」そう。

 早起きをするためのポイントは、「うれしい、楽しい、気持ちいい」を用意すること。「朝は楽しいものだと自分の中の認識を変えていくと、早く起きれるようになります」とのこと。池田さんご自身も、月に1回程度、ホテルで朝食などを食べる「早朝グルメの会」を主宰しています。外食ができない場合は、「丁寧に出汁を取ったお味噌汁をゆっくり飲む」のもおすすめだそう。

 その他に実践しやすいのが、「簡単アロマミスト」。グレープフルーツのアロマオイルを床に2~3滴落としてシャワーを浴びると、香りがお風呂に広がって、アロマミストのような気分が味わえます。また、「まだ終わっていない1日をいい予感で予測する」という朝の過ごし方も。池田さんがプロデュースする「朝活手帳」には、「朝の3行日記」と「就寝目標」「終業デッドライン」を書く項目があります。まだ完了していないことでも、3行日記に「こういうふうにできた」と書いておくことで、スムーズに物事が進むことがあるそうです。

決めグセを付ける

 行動できない人には「決断に迷って時間がたつ」傾向があると池田さんは指摘します。決断に迷わなくなるために役立つのが、「すぐの法則(『す』数字で、『ぐ』具体的に)」。例えば「お礼状は12時間以内に書く」「片付けは5分以内に終わらせる」といったように、自分なりのルールを決めておけば、どうするかを迷わなくなります。例えば、「キラキラ輝きたい」のであれば、「月に1回(数字で)、ネイルをする(具体的に)」など、行動まで決めることが大切です。

伝え方を工夫する

 自分の時間をつくるために池田さんが勧める3つ目の方法は、「自分ハブ化計画」です。ハブとはハブ空港の「ハブ」。自分が時間を決める環境をつくり、周囲に自然と従ってもらえるようにする工夫です。

 その一つが、飲み会の幹事をあえて引き受けること。幹事として「時間制のコース料理で二次会はナシ」と決めれば、時間をコントロールできます。「幹事のやり方にはどんな偉い人も従うんですよ」と池田さん。また、日時を指定されない資料を任されたときには、「では、◯日までに戻しますね」と自分から日時を伝えれば、自分基準の締め切りに設定できるそう。遅ければ相手から希望を言ってもらえるはずです。

 最後に池田さんは「人の顔色を気にして生きるほど人生は長くないですから、自分がどう思うかを見極めていただきたいと思います。そのためには、朝の30分で自分のために考える時間をつくるということです。自分のことを大事にしてください」と締めくくりました。

文/飯田樹 写真/中村嘉昭 図版/池田千恵

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/01/05掲載記事を転載
「夜2時間」の余裕を生む、「朝30分」の工夫とは