蜷川実花エール「#過激に生きろ」もがき苦しむ若者へ

蜷川実花エール「#過激に生きろ」もがき苦しむ若者へ

2020/03/11

蜷川実花監督インタビュー(後編)

Netflixにて配信中のオリジナルシリーズ『FOLLOWERS』。監督を務める写真家の蜷川実花さんに、現代を生き抜く女性へのドラマに込めたメッセージを聞いた。後編の今回は、窮屈な空気がまん延する中でがんじがらめになっている20代に向けて。「枠からはみだしていい」「自分を信じて突き進めばいい」――蜷川さんからの愛情あふれる言葉の数々は、悩める若者の背中を猛烈にプッシュしてくれるはず。
前編 蜷川実花 悩む女性の描写前向きに「大人って楽しいよ」

蜷川実花(にながわ・みか)写真家、映画監督。木村伊兵衛写真賞ほか数々受賞。映画『さくらん』(2007)、『ヘルタースケルター』(2012)、『Diner ダイナー』(2019)、『人間失格 太宰治と3人の女たち』(2019)監督。映像作品も多く手がける。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事就任。Netflixオリジナルドラマ『FOLLOWERS』(フォロワーズ)は、全9話世界190カ国へ独占配信中。

20代の葛藤をきちんと描きたかった

 ドラマでは、有名になりたいと日々もがく駆け出し女優のなつめ(池田エライザ)や、画家のサニー(コムアイ)、YouTuberのヒラク(上杉柊平)など20代の子たちが抱える葛藤も描いています。

 劇中で、「昔の人はいいよね。もっと自由にいろんなことができたと思う」というなつめのせりふがあるのですが、確かに、私の20代と今の20代とでは、置かれている状況が違います。だから、生きていくつらさも違うと思うんですよね。

 今は、インスタグラムのフォロワー数が多いとか少ないとか、いろんなことが視覚化されてしまう。アクセスすればいくらでも情報が出てくる時代で、その情報の中に溺れるというつらさもある。ある程度、大人になっていたら上手に躱(かわ)していけるけれど、これから何かやろうとしている若い世代にとっては、膨大な情報はすごく脅威でしんどいだろうな、と。そういった「どんどん前に進みたいけど、進めない」葛藤や不安、怒りをきちんと描きたいと思いました。

 でも、20代より40代がえらいとかそういうわけではなくて。ドラマの中では、20代のなつめは40代のリミたちから学び、逆にリミはなつめたちから学んでいる。異なる世代が、異なる価値観をやり取りしていい影響を与え合うストーリーにしたかったんです。私自身も、現場で20代のスタッフと仕事をする中で勉強になることはたくさんあって、日々刺激を受けています。

撮影現場は、ジェンダーレス、エイジレス!

 私が監督を務める現場では、女性も多く活躍しています。男女関係なくみんなが好きなファッションで働き、立場や年齢に関係なく、よいアイデアがあれば自由に発言できます。誰一人として「やらされてる感がない」ことが自慢ですね。

 撮影現場のスタッフって、通常は黒を着ることが多いんです。「写り込んではいけない」「裏方は個性を消す」という意味合いもあるのだと思うのですが、私は、それがナンセンスだと思っていて。誰もが着たい服を着ていいじゃないですか。昔は、撮影現場で女性スタッフがネイルを塗っていることをグチグチ言われた時代もあったようですが、私は、かわいいネイルをしている人を見つけたら話題にするし、かわいい洋服を着ている人がいたらすてきだねって褒めます。

 監督という立場は、圧倒的な力を持っているように思われて、気安く話しかけるのもはばかられるというカルチャーがありますが、私はいい意見やアイデアがあれば、年齢や立場関係なく発言してほしいし、そうできる空気をつくろうと思っています。

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日経doors

2020/03/02掲載記事を転載