ドラマ『報道バズ』 日本を飛び出たクリエイターの決意

ドラマ『報道バズ』 日本を飛び出たクリエイターの決意

2020/11/18

【前編】海外ドラマ『報道バズ』を生み出したクリエイターたちの熱い道のり

今回、ご紹介するのは、ニューヨーク在住の日本人クリエイターチーム「Derrrrruq!!!(デルック)」が制作する海外ドラマ『報道バズ』。日本を飛び出し、アメリカで活躍する「Derrrrruq!!!」の皆さんにお話をお伺いしました。前後編でお届けします。
【前編】ドラマ『報道バズ』 日本を飛び出たクリエイターの決意←今回はここ
【後編】「女性らしさ」を打ち破れ 異色のドラマ『報道バズ』

日本、世界の社会問題に切り込む『報道バズ』

 Amazon Prime Video内の課金サービスなどを利用して見られる、海外ドラマ『報道バズ』。低予算のインディーズ作品ながら、忖度(そんたく)なしで日本のメディア業界を赤裸々に描く姿勢が批評家の間で、今話題になっています。

 舞台はニューヨーク。日本からアメリカに飛び立った女性アナウンサーの和田明日佳が、ネット上で多くのバッシングを受けながらも、新天地で前向きに戦っていくストーリーです。ミソジニー(女性嫌悪)にLGBTQ(性的少数者)問題、ネット上での誹謗(ひぼう)中傷やルッキズム(容姿による差別)など、「報道業界」を通じて、日本の、そして世界の社会問題にまで切り込んでいます。

 日本では、大手テレビ局のアナウンサーとして、バラエティーの顔として有名だった和田。しかし、彼女自身は報道に携わりたいと強く願っています。「日本では、自身のイメージを変えて報道にチャレンジすることが難しい」と判断し、ニューヨークに場所を移した彼女。

 そして、全くの新天地で、日本とは打って変わって小さな報道メディア「報道バズ」に転職。報道記者としてのキャリアを意気揚々とスタートさせたものの、目の前に広がるのは、ミソジニー、ルッキズム、誹謗中傷……と日本とあまり変わらない環境でした。

 和田を中心に、「伝説のジャーナリスト」と呼ばれた偉大な母親を持つ和田の上司、ハーフの同僚、ゲイのカメラマンなど、個性もアイデンティティーも多彩なキャラクターが登場する本作。ユニークなのが、ニューヨークを舞台に日本人クリエイターが作る日本人主演の海外ドラマである点です。

 海外ドラマを年間200タイトル以上、1日に10時間視聴する生活を8年間続けている筆者ですが、「海外ドラマ」作品として、本作をイッキ見してしまいました。1話20分強、そして全6話の構成もテンポよく大変見やすいです。

 それだけでなく、作中で扱うテーマも身近なものが多く、自身の経験を重ねて視聴してしまうシーンが多かった。多くのメッセージが込められた作品ですが、筆者は特に「働く女性がさらされる偏見」について、新たな気づきをもらいました。

 どのような思いを持ってこの作品を制作したのか。日本を飛び出し、アメリカで活躍する「Derrrrruq!!!」の川出真理(監督兼プロデューサー)さん、本田真穂(主役俳優兼プロデューサー)さん、近藤司(脚本家兼プロデューサー) さんの3人に、日本を飛び出し渡米したきかっけを伺いました。

◆クリエイターチーム「Derrrrruq!!!」

左から本田真穂さん、川出真理さん、近藤司さん


ニューヨークで活動する、脚本家・近藤司、俳優・本⽥真穂、監督・ 川出真理からなるクリエイターチーム。海外でマイノリティーとして ⽣きるなかで培った客観の⽬を⽣かして、「男らしさ」「⼥らしさ」「⽇本⼈らしさ」「年相応」などといった固定観念と戦うキャラクターが登場する映像作品を制作している。「デルック」という名前は「出る杭(くい)は打たれる」の「出る杭」にちなんでつけられた。

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日経doors

2020/11/13掲載記事を転載