絵本作家がつくった学校 女性クリエーターが社会変える 

絵本作家がつくった学校 女性クリエーターが社会変える 

2020/01/29

(上)「本をつくる人になる」夢を実現した後、人生の目標を変えた産後の「生命の危機」

 絵本作家、ライター、イラストレーター、デザイナー、編集者、出版プロデューサーとして150冊以上の本づくりに関わり、若い女性の悩みやつらさに寄り添う「脱力系」絵本の著者として人気の松本えつをさん。創作・出版事業の傍ら、クリエーターを目指す女性向けの学校を創設し、フリーランスとして活動できる実力を備えた卒業生を送り出している。中学生の時に「本をつくる人になる」と決めた夢を実現して独立。その後の人生の夢は、出産直後の壮絶な体験で大きく変わった。
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(下)「イメージする力」で仕事の結果も、人生も一変する

150冊以上の書籍の制作に携わった松本えつをさん。ウーマンクリエイターズカレッジ(東京・四谷)にて

 東京・四谷にあるビルに、週に3クラス、さまざまな年代の女性たちが通ってくる。ウーマンクリエイターズカレッジ(WCC)、絵本作家などクリエーターを目指す女性が1年間学ぶ学校だ。仕事をしながら夜のクラスに通う人、昼のクラスに通う育休中の会社員、子育て中の主婦。小さな子どもを連れてくるときはオプションの託児サービスも利用できる。

 絵本作家の養成をうたっているが、ここで教えるのは執筆や絵の描き方だけではない。企画の作り方や通し方、編集とDTPの制作技術、営業活動、フリーランスとして働くための契約や著作権の知識など、プロのクリエーターとして独り立ちするための上流からゴールまでを教える、というのが大きな特徴だという。

 創設者であり代表の松本えつをさん(44歳)は、絵本作家・イラストエッセイストとして多くの著書を持ち、編集者としても多数の本を世に送り出してきた。20代で出版社の副社長を務めた後に独立。これまでに3社以上の出版社の創立に関わった。本づくりのあらゆるプロセスを自身で経験してきたことから「プロの表現者として仕事をしていく上で、オール・イン・ワンの本づくりのスキルがあることはすごく重要な強みになります」と言う。

 WCCは2014年に設立。16年には、卒業生をプロのクリエーターとして登録し、仕事を発注するウーマンクリエイターズバンクを正式に発足した。どちらの事業も「女性の自立支援」が目的だ。その底流には、クリエーティブの世界で好きなことを仕事にした松本さん自身が、仕事人生で接してきた女性たちにずっと抱いていた思いがある。

授業は1クラス15人前後、全部で3クラス。週1度の授業で1年間学ぶ

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日経ARIA

2020/01/24掲載記事を転載