澤上篤人 クラシックを聴いた翌日は仕事のエンジン加速

澤上篤人 クラシックを聴いた翌日は仕事のエンジン加速

2019/09/25

(上)事業家に定期的な休息は無縁 時折心が欲する「一時停止」が至福の時間

ビジネスの転機で背中を押してくれたシンフォニー、大切なライフイベントを彩ったアリア…クラシック音楽を愛する各界のリーダー層が、自身にとって忘れられない一曲と共に人生を語ります。今回登場するのは、さわかみホールディングス代表取締役の澤上篤人さん。1996年に「さわかみ投資顧問(現・さわかみ投信)」を起業し、長期投資を通じて一般家庭の財産形成をバックアップしてきました。休みなく走り続ける事業家が時折無性に聴きたくなるというクラシック。その楽しみ方、少々独特です。
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(下)「世の中のためにお金をぜいたくに使う」

 クラシックは学生時代から嫌いではありませんでしたが、よく聴くようになったのは社会人になってから。1970年代にスイスのジュネーブに留学してそのまま現地で仕事を始めると、いろんな家に招かれて聴く機会が増えました。

 面白いのが、日本の音楽ファンは高音質で聴くためにオーディオ機器にこだわるけれど、向こうは逆。プレーヤーは簡素なもので大した音ではないけれど、とにかくたくさんのレコードをとっかえひっかえ聴くんです。「いい音」ではなく「音楽そのもの」を日常的に楽しんでいる。そういう経験から、帰国してから自分でもちょくちょくLPレコードを集めて、CDが出てからはCDを買うようになりました。ピアノ曲からオーケストラまで、家にはものすごい数のCDがあります。

「今日、ちょっといい音楽が聴きたい」

 好きだといっても演奏会に行く暇はないし、家で日常的に聴いているわけでもありません。事業家というのは会社員のように一定のサイクルで働くのではなく、常にあれもやらなきゃ、これもやらなきゃと切れ目なく仕事をしていきます。しかもいいかげんなことはしたくないから、一つひとつに目配りをして、きちんと仕上げていかないといけない。今も会社を10個ほどやっていて、1日15~16時間は働いています。まとまった休みなんて正月くらいだけど、どれも自分発でやりたくてやっていることだから「疲れた」「のんびりしたい」という発想はありません。

 私がやっている投資・運用というのは、ものすごく考える仕事です。その中でも静と動があって、静のときはずっと考えていて、勝負のときは大変な勢いで勝負します。そういうことをやっていると、時々夕方の6時か7時ごろになって「今日、ちょっといい音楽が聴きたいなあ」と思うときがあるんです。

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日経ARIA

2019/09/19掲載記事を転載