卵子凍結は40歳、凍結した卵子の利用は45歳未満まで

卵子凍結は40歳、凍結した卵子の利用は45歳未満まで

2019/11/27

【1】キャリア構築のために卵子凍結を考える女性が増加中。日本生殖医学会のガイドラインの規定の背景を知る

働く独身女性の間で、将来の妊娠・出産に備えた「卵子凍結」が話題になっている。これを受けて、日経doorsでは緊急連載を企画した。日経doors読者を対象としたアンケート(2019年11月30日まで調査継続)の結果も追って紹介していく。第1回では、1983年、東北大学医学部産科学婦人科学教室のチームの一員として日本初の体外受精による妊娠出産に成功した経歴を持ち、現在、働くカップルの不妊治療にも携わる京野アートクリニック高輪の京野廣一理事長に、未婚女性の卵子凍結について伺った。

 現在実施中の日経doors読者アンケートによると、2019年11月20日現在、「卵子凍結に興味がある」と答えた人は回答者の66.7%、「卵子凍結をしたい」と答えた人は59.1%だった。

 関心が高まる一方、必要な情報はまだ浸透していないようだ。日本生殖医学会の「社会的適応による未受精卵子あるいは卵巣組織の凍結・保存のガイドライン」には、「卵子凍結の施術は40歳未満まで、凍結保存した未受精卵子の利用は45歳未満まで」というタイムリミットが明記されている。これについて同アンケートによると、回答者の69.7%が「知らなかった」と答えている。このタイムリミットの背景には、どのような事情があるのだろうか。

 「40歳以上の女性の卵子凍結が推奨されていないのは、2012年、NHK『クローズアップ現代』で卵子の老化が取り上げられたことで話題になった通り、卵子が老化し、妊娠率が急激に低下していくからです。ここでいう卵子の老化とは、『卵子の数の減少』と『質の低下』を指します。そして、凍結卵子の利用にタイムリミットが決められている背景には、40代後半の女性が妊娠した場合、産科合併症を発症する率が上がるという危険性があるからです」

 この産科合併症とは何か。妊娠中と分娩(ぶんべん)時に分けて詳しく解説してもらった。

 妊娠中における代表的な産科合併症は、「妊娠性高血圧症」、いわゆる妊娠中毒症である。この症状になった場合、緊急帝王切開で赤ちゃんを母体の外に出してあげなければならなくなる。「妊娠24週目などの早産になると500~600gの低体重の未熟児が生まれることになり、その子どもが未熟児網膜症などのハンディーキャップを背負うリスクにつながります」

 では、分娩時はどうだろうか。

「卵子凍結に興味がある」と答えた人は回答者の66.7%、「卵子凍結をしたい」と答えた人は59.1%だった(写真はイメージ)

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Provider

日経doors

2019/11/22掲載記事を転載