自分だけで仕事抱えてない? 任せることも成長のカギ

自分だけで仕事抱えてない? 任せることも成長のカギ

2017/09/29

自分も相手も成長できない状況はマイナスでしかない

 誰かに任せるよりも自分でやった方が早いと思っているうちは、自分も周りも成長できず、全体としてマイナスしか生みません。

計算能力でこの女性には勝てる男性はいません (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 映画ライターのゆうせいです。誰かに仕事をお願いするときに、自分でやってしまった方が早いと判断し、結局誰にも任せずに進めてしまうことってありますよね。しかし、そのやり方を続けていては、仕事の質は向上しないと気づかせてくれる映画があります。

 本日ご紹介する映画「ドリーム」は、周りの人間の能力を認める重要性を教えてくれる作品です。

【ストーリー】
1961年、米ヴァージニア州ハンプトン。ソ連との熾烈(しれつ)な宇宙開発競争を繰り広げるNASAのラングレー研究所には、ロケットの打ち上げに必要不可欠な「計算」を行う黒人女性たちのグループがあった。その一人、天才的な数学者キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)は宇宙特別研究本部のメンバーに抜擢(ばってき)されるが、白人男性だけのオフィス環境は劣悪そのもの。同僚のドロシー(オクタヴィア・スペンサー)とメアリー(ジャネール・モネイ)も、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれてしまう。それでも仕事と家庭を両立させ、ひたむきに夢を追い続けた3人は、NASAの歴史的な偉業に携わり、自らの手で新たな扉を開いていくのだった……。
自分だけでは必ず限界がやって来る

キルスティン・ダンスト(写真左)のことが嫌いになりそうです (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 いくら自分が仕事ができたとしても、自分だけでやれることには限界があります。気が付けることや発想にも限りがあるし、全体を把握しているつもりでも、いつの間にか視野が狭くなっていたり。

 そこに新たな目線や考えを導入しなければ成長のスピードは変わらないし、別のアプローチにもたどり着けなくなります。これを打開するために、まずは周りの人間、部下や後輩の能力を認めるところから入る必要があるのです。

自分を過信して仕事をこなしていないだろうか?

計算が終わるのを見守ることしかできません… (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 本作で描かれている1961年のヴァージニア州では、まだ人種差別問題が色濃く残っており、トイレや食堂までもが白人用、黒人用と分けられていた時代です。

 それはNASAにおいても同じで、白人は自分たちのほうが仕事ができると盲信しています。宇宙開発事業における重要な計算を、なぜその計算が必要なのか黒人へ説明すらせずに、ただ計算だけをさせるような時代だったのです。

 理由も説明されずに計算するのと、なぜその計算が必要なのかを知っているのとでは、アプローチが変わってきますよね? どう計算すべきなのか、どんな数式を当てはめるべきなのかを考える材料になりますから。

 当時のアメリカはソ連との冷戦時代にあり、宇宙開発事業において熾烈な競争を繰り広げていたのですが、当然ながら後れを取ります。同じ国の人間に線を引いていては勝てるわけがありません。

誰かに何かを任せることの怖さの先にあるもの

女性たちのプライベートが幸せなのが唯一の救いでもあります (C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation

 優秀な人材を使わない、優秀かどうかの判断すらしない。見ていて本当につらく、悔しくなるシーンの連続ですが、それに明るく立ち向かう3人の主役女性たちに気付かされることは多いです。

 自分で仕事をこなしているうちは、自分の見える範囲で物事が進むので、ストレスには思わないかもしれません。しかし、それでは目の前のことをこなすだけで精一杯であり、次のステップに進むことが難しくなります。しかも、周りの人間も成長しないため、全体の効率は落ち、自分はいつまでも同じ仕事を繰り返すことになる。

 自分以外の人間をいかに認めるか。自分が成長できるカギは、そこにあるのではないでしょうか。

 あの人は仕事が遅い、ミスが多いなど、悪いところばかりにフォーカスせず、相手の能力を生かすことを考えるのも仕事の一つだと教えてくれる作品です。

 ひどい扱いを受ける黒人女性たちの姿に胸が詰まりますが、目をそらさずにご覧ください。最後にはきっと、溢れる感動が待っています。

 それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。

「ドリーム」
2017年9月29日(金) 全国ロードショー
配給:20世紀フォックス映画
(C) 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
公式サイト:http://www.foxmovies-jp.com/dreammovie/

文/永井勇成

Profile
永井 勇成(ゆうせい)
映画紹介を得意としているライター。「日経ウーマンオンライン」「シネマズ by 松竹」で映画コラムの他、複数のメディアで執筆中。企画・編集・執筆・モデルを提供するカンパニオの代表で、ぱくたそではフリー素材モデルとして不倫素材や、記者風素材を提供している。

Provider

日経ウーマンオンライン

2017/09/29掲載記事を転載
自分だけで仕事抱えてない? 任せることも成長のカギ