「私がいないと仕事が回らない」は単なる思い込みかも

「私がいないと仕事が回らない」は単なる思い込みかも

2019/02/13

自分のいない世界ではいったい何が起きている?

 愛する人を残して先立った人にスポットを当てた映画「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」。自分のいない世界ではいったい何が起きているのでしょうか?

 「A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー」というタイトルや、白く幽霊のようなものが映ったポスターから、ホラー作品をイメージしますが、本作はホラー作品ではありません。

 とは言え、デミ・ムーア主演の名作「ゴースト/ニューヨークの幻」のようなラブストーリーでもないのです。プレスリリースの言葉を借りるならば、ファンタジックで神話的な物語。

 本作の1番の特徴は、大切な人を失った側ではなく、大切な人を残して死んでしまった側にスポットを当てていること。残された側がつらいことは想像することができますが、残して死んでしまった側に何が起きているかを考えたことはありませんよね。

 天国でも地獄でもない、本作だけが描く「死後の世界」からあなたは何を感じ、考え、思うでしょうか。

【ストーリー】
アメリカ・テキサスの郊外、小さな一軒家に住む若い夫婦のCとMは幸せな日々を送っていたが、ある日夫Cが交通事故で突然の死を迎える。妻Mは病院でCの遺体を確認し、シーツをかぶせ病院を去るが、死んだはずのCは突如シーツをかぶった状態で起き上がり、そのまま妻が待つ自宅まで戻ってきた。Mは彼の存在に気が付かないが、それでも幽霊となったCは、悲しみに苦しむ妻を見守り続ける。しかしある日、Mは前に進むためある決断をし、残されたCは妻の残した最後の思いを求め、さまよい始める……
死んだ側にも時間は流れる…ただしそれは…

 不慮の交通事故で夫を亡くしてしまった妻のM。気丈に振る舞ってはいても、その精神的なダメージは大きく、普通でいられるはずもありません。

 印象的なのは、ただひたすら、一心不乱にパイを食べ続けるシーン。何かに手を着けたら、それを続けることで目の前のつらさから逃げられる気がする。もし自分が同じ目に遭ったら、Mと同じような行動をしてしまうでしょうね。悲しくて、ただ悲しくて、生きているだけでつらいけど、それでも生きていくしかないんだと思わされます。

 そのどうしようもないむなしさに押し潰されそうになっている時、死んでしまった側にも同じくむなしい時間が流れているんだと、本作では描かれています。それは虚無に近いけれど、むなしさを感じるほどの人間性は残っておらず、ただ時が過ぎていくだけに近いものだけれど。

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日経ウーマンオンライン

2018/11/16掲載記事を転載