生きる力を育む教育で校則・宿題・定期テストを廃止

生きる力を育む教育で校則・宿題・定期テストを廃止

2020/03/11

麹町中・工藤校長(下)当事者意識があれば「最も重要な目標は何か」が分かる。「優秀な生徒」の評価軸を覆す教育とは?

AIなどの技術革新や人口減少時代の到来、グローバル化の進展によって、「会社勤めをする」「結婚して子どもを持つ」といった従来のライフスタイルや価値観は、急激に変わりつつあります。わが子に最も身に付けてほしいのは「不確実な未来を生き抜く力」ではないでしょうか。
千代田区立麹町中学校の工藤勇一校長は、まさに子どもたちの生きる力を培うため、教育改革を推し進めています。前編に続いて、2019年11に工藤校長が登壇したパネルディスカッションの内容と、著書『麹町中学校の型破り校長 非常識な教え』から、頭髪・服装指導の廃止、宿題や定期テスト廃止などに込められた思いをご紹介します。

「自律と尊重」突き詰めたら宿題廃止にいきついた

 麹町中の教育目標は「自律、尊重、創造」です。工藤校長は、これらを掲げる理由を以下のように説明します。

 「親は子どもより先にいなくなりますが、わが子には世の中を悲観することなく、自分の判断で行動し、幸せになってほしい。つまり自律です。そして社会で生きる以上、価値観の違う人がたくさんいることを受け止め、彼らを尊重することを学んでほしい。この2つは親の普遍的な願いでしょう。そして、自律と尊重が成り立った上に初めて、創造する力が生まれるのです」

 「教育目標」は単なるお飾りではありません。工藤校長は、目標を学校生活に落とし込んだ結果、宿題が「やらされる教育」であり、自律的に学ぶ意欲を奪っていると考えました。

 「1日は24時間しかないのに、学校と塾で勉強して宿題までしなければいけないのでは、多様性も生まれづらい。私たちは生徒一人ひとりの個性や能力を伸ばすのに最も適した学びを提供し、多様な人材を生み出す社会をつくらなければいけません」

2019年11月4日、企業関係者らが教育分野の技術革新を議論する「Edvation x Summmit」に登壇した際の工藤勇一校長

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2020/03/06掲載記事を転載