先輩社員が告白 私たちが新入社員にモヤモヤする瞬間

先輩社員が告白 私たちが新入社員にモヤモヤする瞬間

2018/03/02

「まだ教わっていません」「義務って何ですか?」に困惑

 いよいよ新入社員が入社する時期になりました。皆さんの中には、先輩社員として新人の育成を担当する人も多いのではないでしょうか。未来ある新入社員をしっかり指導したいと思う一方で、こちらの意図とは違う言動をされて「モヤモヤ」を抱えることも。この特集では、先輩社員のモヤモヤを解決していきます。第1回は、職場に新入社員の後輩がいる25~28歳の「若手先輩」たちにメール取材を実施。普段思っているホンネを聞きました。

最近の新入社員は「余裕」「のんびり」

 「今年は○○型」などと名付けられることの多い新入社員。日経ウーマンオンライン読者の周りにいる新人たちには、どんな特徴があるのでしょうか? まずは、2016年~2017年に入社した新入社員の特徴を「○○型」と名付けて教えてもらいました。

余裕型

「就職に苦労した私たちとは違い、おっとりしていると思います」(28歳、製造、マーケティング)

のんびり型

「自分が新入社員だった頃は『将来こうなりたいです!』というビジョンがあり、入社後もそういうアウトプットをしていましたが、2016年ごろから『こんなことをしたい!』的な気持ちを表現する人が減ってきている感じがします」(26歳、サービス、営業)

 先輩社員たちから見ると、自分たちよりものんびりとした感覚があるようです。それでは、どんなときに自分たちとの違いを実感し、どのように指導をしているのでしょうか? 具体例を詳しく聞きました。

新入社員は「教えてくれる」まで待つ

 まずは、仕事の取り組み方や仕事への姿勢について、世代間ギャップを感じるシーンについて聞きました。

教えてくれるのが当たり前

「後輩が『これ教わっていないんですが……』というスタンスです。与えられた仕事を淡々とこなす感じで、自分で仕事を取りに行く気持ちが見られず、甘えた考えが出てきている気がします」(27歳、サービス、広報)

「分からないことがあれば、自分で調べるのが当たり前だと思っていましたが、新入社員世代は質問してきます。調べれば分かることや社内マニュアルに記載があることまで聞いてくるので困ります」(27歳、サービス、総務)

 自分から学ぶ姿勢よりも「教わったことをやる」傾向が強いと感じているようです。

権利を主張する

「仕事ができていないのに、権利ばかりを主張する新人がいました。現状に対して文句ばかり言うので、まずは自分の仕事をしっかりこなすことが大事だと伝えています」(26歳、生活関連サービス、宣伝)

「会社に対しての不満や愚痴を周りに言いふらしている子がいました。『権利を主張する前に義務を果たすように』と話すと、『義務って何ですか?』と言い返されてしまいました。文句ではなく、会社を主語にした意見の伝え方を教える必要があると感じています」(27歳、サービス、広報)

 現状への違和感や不満を、素直に口に出してしまう新入社員への戸惑いが見られます。その他には、次のような回答もありました。

会社に対する執着が薄い

「合わなければ転職すればいいと考えているので、人間関係などで多少悩んでも重症化せず、辞めるという選択肢が簡単に浮かぶみたいです。転職市場が私たちの世代と異なるからかもしれませんが、私たちは頑張って入った会社という意識があるのでもっと悩むのですが……」(28歳、製造、マーケティング)

チームで仕事をする自覚がない

「有益な情報をチーム内に共有せず、自分だけのものにしたがります」(27歳、サービス、広報)

納期を守れない新入社員にどう指導する?

 続いて、新入社員を指導する際に「困っていること」と、「こうしてほしい」という思いを聞きました。

落ち込みやすい/反応が薄い

「注意するとものすごく落ち込んでしまうので、ミスの指摘に気を使います。回復に時間がかかるので、なかなか新しい仕事を任せられません。メモをこまめに取ったり、自分で勉強したりして早く一人前になってほしいのですが……。面倒を見てばかりで、私の仕事が終わりません!」(25歳、サービス、営業)

「反応が薄いのでどう教育していいのか分かりません。『はあ』とか『たぶん』ではなく、ハッキリとした返事をしてくれないと、仕事をやりたくないのかと思ってしまいます」(26歳、製造、経理)

 自分の指導に対して、新入社員が必要以上に落ち込んでしまったり、どう思っているのかが分からないという戸惑いが見られます。

納期を守ってもらえない

「納期への意識が低く、『忘れていました』『時間がありませんでした』という回答が平気で返ってきます。進捗確認とリマインドを徹底し、本来の期日より早めの期日を伝えています」(27歳、サービス、広報)

「仕事が遅く、マイペース過ぎて、今すぐやるように指示してもすぐに着手しません。気持ちが乗っている日は仕事のスピードが上がることもあるので、いつもそうしてくれと日々思っています。最近では、『指示出し → 期限の共有 → 期限が近づいたら進捗確認』の一連の流れを徹底しています」(26歳、サービス、営業)

「毎月同じ期日のタスクがあるのですが、それを守ることができません。期日が過ぎたことを知らせても返信がなく、社内の提出期日に対する認識が低いことが原因だと思います。スケジュールの自己管理とタスク管理で対策をするしかありません」(27歳、サービス、総務)

 「納期を守る」大切さを自覚していないことが、「困る」原因になっているようです。進捗確認の徹底をすることで対策をしている人が目立ちました。

先輩社員にとっての「当たり前」が通じない

 その他にも、さまざまな新入社員の「困っていること」が挙げられました。仕事への意識の違いが問題を引き起こしているようです。

仕事への意識が低い

「仕事ではなく、作業になっています。プラスαの要素がなく、淡々とこなすという感じです。クライアントの立場で考えることの大切さや、自発的に仕事をしたくなる話を伝えるようにしています」(27歳、サービス、広報)

「他部署から質問や相談を受けることがあるのですが、後輩がよく席を外してしまうので、結局自分一人で対応しています」(26歳、製造、経理)

自己判断で動いてしまう

「必ず守るように念を押した業務のルールを守らない部下がいました。前から自己判断で動くクセがあったので注意したら、ひとこと目が言い訳。指導する気が一気になくなりました。私も新入社員の頃は何度も怒られていたので気持ちは分かりますが、最初は一言謝るべきではないかと思います」(26歳、サービス、営業)

メモを取らない

「大事な商談で、部下がメモを取る役割でしたが、商談後に見るとメモはぐちゃぐちゃ。『何を書いたのか、何を話していたのか分かりません』と言われ、上司陣は思わず沈黙でした。習慣付けられていないことが原因だと思います。部下本人が努力しなければならない部分が大きいですが、継続的に指導することが必要だと実感しました」(26歳、サービス、営業)

 「業務のルールを守る」「共有できるメモを取る」といった、先輩社員なら当たり前だと思っている業務ができないときに、「困った」と感じることが多いようです。

会食での振る舞いにイライラ…

 飲み会や社内イベントなど、業務以外の場も会社員生活にはありますよね。そんな場面で、新入社員の言動に「イライラ/モヤモヤ」したエピソードを聞きました。

飲み会や会食で気配りができない

「飲み会や会食の席で、自ら率先してお酒を頼んだり、取り分けたり、気配りができません。私自身もよい伝統だとは思いませんが、保守的な会社なので空気を読んで動いてほしいです。彼らが悪いわけでもなく、育ってきた世代の差に原因があると思うので、私たちを含めてもっと柔軟に考えていくべきだとは思っています」(28歳、製造、マーケティング)

社内イベントに参加しない

「上司や先輩から誘われた休日の社内イベントに『行く意味が分かりません』と言われました。『強制じゃないから参加しなくてもいいよ。でも、仕事以外でみんなと一緒の時間を共有することで、普段知らない姿が見られるんじゃない?』と言いましたが、参加しませんでした。会社や仲間を好きになってもらえるように、普段からコミュニケーションを取ることが大事だと感じています」(27歳、サービス、広報)

 飲み会や社内イベントに対して、それなりの意味を見いだして受け入れてきた先輩社員にとって、素直に疑問を口にする新入社員とのコミュニケーションには戸惑う部分があるようです。

それでも、信頼関係を築きたい

 最後は、新入社員世代とどんな関係を築きたいかを聞きました。

相談できる相手

「困ったときに、先輩として何でも相談してもらえるような関係性になりたいです」(27歳、サービス、総務)

「仕事の垣根を越え、プライベートのことも何でも相談できる存在になれるのが理想です」(27歳、サービス、広報)

憧れの存在

「『自分もこうなりたい』と心から思ってもらいたいです。上司として厳しく怒らなければいけない場面も多いですが、時には目線を合わせて一緒に悩んだり考えたりできる上司になりたいです。上司の発言に対して心から納得してもらえるように、行動したいと思います」(26歳、サービス、営業)

適度な距離感のある関係

「体育会系の上下関係を必要以上に強いるのではなく、プライベートは深入りし過ぎないけど、思いやりを持って楽しく仕事ができるような適度な距離感を保ちたいです」(28歳、製造、マーケティング)

「ちょっとした相談ができるなど、お互いに尊敬できる関係でいたいと思います」(26歳、製造、経理)

 よい関係を築きたい、育成したいと思っているからこそ悩む新入社員への接し方。次回からは、新入社員とのコミュニケーションのコツをさまざまな道のプロに伺います。

文/飯田樹 写真/PIXTA

Provider

日経ウーマンオンライン

2018/03/02掲載記事を転載
先輩社員が告白 私たちが新入社員にモヤモヤする瞬間