社長秘書たちも実践 年配者や上司の心のつかみ方

社長秘書たちも実践 年配者や上司の心のつかみ方

2018/01/09

トークに自信がなくても大丈夫 上司とのコミュニケーション術

 あなたは社内コミュニケーションが得意ですか? とりわけ、上司や年配者と上手に話ができていますか? 仕事を円滑に進められるかどうかは、上司とのコミュニケーションの善しあしにもよりますね。そこで、常に年配者や上司と意思疎通を図っている秘書さんにポイントを聞いてみました。ぜひ取り入れてみてください。

【調査概要】
◎ぐるなび運営「こちら秘書室」調べ
◎調査対象:「こちら秘書室」会員(有効回答数231件)
◎調査期間:2017年12月11日(月)~12月18日(月)

キーワードは「笑顔」「傾聴」「丁寧」「タイミング」

 アンケートでは、上司の心をつかむためにどのようなコミュニケーションを取っているのかを聞きました。多いものを分類すると、笑顔・傾聴・丁寧といったキーワードが浮き彫りになりました。

<秘書さんたちが上司の心をつかむために実践していること>

笑顔を絶やさない 30件
傾聴する・じっくり聞く・聞き手に回る 28件
丁寧に接する 24件
簡潔・端的に話す 19件
ゆっくり話す 15件
タイミングを見計らう 14件
ときどき雑談 10件
明るく接する 10件
結論から話す 9件
相手の機嫌をうかがう 8件
素直な気持ちを示す 8件
尊敬の気持ちを示す 4件
目を見て話す 4件

 では、秘書さんたちがどのように上司とコミュニケーションを図っているのか、具体的な回答を見ていきましょう。

若手の社長秘書が実践しているルール

 まずは、20代~30代の若手の社長秘書が実践しているコミュニケーションルールをチェック。自身の年齢と離れた上司、場合によっては自身の親世代よりも年配の上司を担当することさえあります。

 ここでは、社長を担当している若手秘書のコミュニケーション手法を拾ってみました。笑顔や明るさなどを意識しながら上司の心をつかんでいる社長秘書の回答が多く見受けられました。すぐに取り入れやすいテクニックばかりで参考になります。

◆ トークについては本当に自信がないため、基本的なことですが、挨拶は笑顔できちんとすることを心掛けています。また、普段の表情では口角を下げないように意識したり、話すときの姿勢にも気を付けたりしています。(20代女性、秘書歴2年、建設、社長・副社長を担当)

◆ 朝の挨拶はとにかく明るく元気よく! 呼ばれたときも明るく「はい!」と答えるようにしています。話すときは、自信や覇気がない印象にならないように、大きな発声を心掛けています。(20代女性、秘書歴3年、不動産、社長を担当)

◆ 基本的に笑顔で話します。そして、こちらがお願いしたいことを気持ちよく対応してもらえるように、相手に合うアプローチ方法を考えて話し掛けます。(30代女性、秘書歴4年、情報通信・IT、社長・取締役を担当)

◆ 話し掛けるタイミングと簡潔さが大切です。上司はいつも忙しそうにしているので、タイミング次第で回答の内容が変わることも。相手の時間を節約するためにも、確認事項は簡潔に要領よくまとめて話すようにしています。(30代女性、秘書歴5年、放送・広告・出版・マスコミ、社長を担当)

◆ 言葉遣いや語彙には気を付けています。基本的には年長者に対して敬意を払って話しますが、自分は若輩であることも意識して、時には愛嬌(あいきょう)も必要だと考えています。(30代女性、秘書歴5年、商社、社長・副社長・取締役を担当)

◆ 自分を取り繕わないようにしています。マイルールは、「分からないことは素直に聞く」「行き違いがあったら素直に謝る」「意見を求められたら、思ったことをお伝えする」。私のほうから壁をつくらないことで、信頼を得られていると思います。(30代女性、秘書歴6年、情報通信・IT、社長を担当)

ベテラン秘書さんから学ぶ意思疎通スキル

 多くの上司と時を共にしてきたベテラン秘書さんはどのようなコミュニケーションのノウハウを持っているのでしょうか。

 年配の上司と一口に言っても、さまざま。上司のパーソナリティーを研究し、接し方をTPOに応じて臨機応変に変えている人が多くいました。豊富な経験から生み出された意思疎通ルールを紹介します。

◆ その方の性格に合わせることが大切です。せっかちな性格の方なら端的に余計なことは話さず、お話し好きな方なら話題を提供するなどしています。(40代女性、秘書歴13年、コンサルタント・会計・法律関係、社長・副社長を担当)

◆ これまで5人以上のさまざまな国籍の上司についてきましたが、「前の方はこうだったから、たぶんこの方もこうだろう」などと決め付けをしないことが大切かと思います。常に上司の心の動きに敏感でいるように心掛けています。(50代女性、秘書歴12年、情報通信・IT、常務取締役を担当)

◆ 相手の性格を細かく理解し、人によって対応を変えるようにしています。フレンドリーな距離感を望む方もいれば、一定の距離を置く方もいらっしゃいます。できるだけこちらも柔軟な対応を心掛けます。(50代女性、秘書歴15年、医療・社会保険・福祉、社長・本部長クラスを担当)

◆ 女性社長の秘書をやっていたときは、相手に感性の一致を感じていただけるような共通の話題を出すように心掛けていました。女性同士なのでフランクになり過ぎないよう、あえてかしこまった対応に徹していました。(40代女性、秘書歴14年、製造、会長を担当)

◆ 常に相手の状況を見て話をするようにしており、機嫌が悪いときは話し掛けないようにします。また、悪い話をするときは「いいお話ではないのですが……」、困った話は「お伝えしにくいことですが……」と、それぞれ前置きします。(40歳女性、秘書歴20年以上、社長を担当)

◆ 外国人もしくは外国生活の長かったタイプの方に何かの判断を仰ぐ際には、いくつかの選択肢を提案するようにしています。逆に年長者にはなるべく控えめな態度で、ご希望をお聞きします。(40代女性、秘書歴19年、製造、社長・取締役・本部長クラス、事業部長を担当)

上司とのコミュニケーションで話題に出すものは?

 より関係性を密にする必要がある場合は、一歩踏み込んだコミュニケーションが必要になってきます。しかし相手が上司となると、どうすればいいのか迷うもの。細かい話をする場合や雑談をして距離を縮める場合など、込み入ったコミュニケーションを図る際に、秘書さんたちはどうしているのでしょうか。

◆ アイスブレイクとして、天気やスポーツ、前夜の飲み会の様子の話などを持ちかけます。また、自分のプライベートも含め、多少の自己開示をすることで安心してもらえます。(30代女性、秘書歴10年、製造、執行部を担当)

◆ 髪形やネクタイなど、見た目の変化があれば、何らかのコメントをしてみます。お誕生日を伺う機会があれば、翌年「おめでとうございます」とお声掛けします。また一度話したことは忘れないようにし、そのことを話すきっかけがあれば、「以前そうおっしゃっていましたね」などと、覚えていることをアピールします。(30代女性、秘書歴5年、卸・小売、社長・副社長・取締役を担当)

◆ 最新のニュースに敏感になって、話に乗れるように心掛けています。また、役員にイエスマンが多いので、あえて反対意見や、違う視点での案も出すようにしています。(30代女性、秘書歴14年、サービス、社長・執行部を担当)

◆ ボスが気になっているトピックスは意識的に集めて提供します。同時に、ボスが縁のないような若者のトレンドもお伝えし、社外での雑談のネタを提供するようにしています。(40代女性、秘書歴5年、情報通信・IT、会長・執行部・本部長クラスを担当)

◆ タイミングにもよりますが、リラックスしているときは、こまめに時事ネタや最近の流行などの情報をお伝えするように心掛けています。(40代女性、秘書歴7年、医療・社会保険・福祉、教授を担当)

◆ 時事問題やニュース、旬の話題は頭に入れておきます。上司がふとつぶやいた内容も漏らさずに聞き取るようにし、お答えできるところはお答えします。(30代女性、秘書歴7年、放送・広告・出版・マスコミ、取締役を担当)

◆ 自分と年が離れている上司のときは、上司の若い時代の流行や文化について勉強をしておき、飲み会や空き時間などにさりげなく質問をしてみます。若かりし頃の話は、皆さん生き生きと楽しそうにお話ししてくださいます。(40代女性、秘書歴7年、情報通信・IT、取締役を担当)

◆ 話題になっている商品や入手困難な食べ物の話題を出すと、会話が弾みます。(40代女性、秘書歴13年、商社、会長・社長を担当)

◆ 話題にできるよう、最低限の知識でいいので勉強しておきます。「不勉強なので教えていただけますか」と言うと、丁寧に教えてくれます。(40代女性、秘書歴20年以上、情報通信・IT、本部長クラス・事業部長)

◆ 上司の趣味嗜好を探り、また、その分野について勉強しておきます。業界や社会情勢についてきちんと話すことができると、信頼にもつながります。たまにはジョークを言って、緊張をほぐすこともします。また、家庭の事情を知っていると秘書業務がしやすい場面もあるため、ご家族についても普段の会話の中でさりげなく織り込みます。距離も縮まるので一石二鳥です。毎日の会話の積み重ねが、信頼をいただけることにつながると思います。(50代女性、秘書歴20年以上、情報通信・IT、会長・社長を担当)

◆ 朝のご挨拶の時に、その日のトピックなど何か一言を添えるようにします。上司の関心のあることについての情報収集は欠かしませんし、直接上司にも質問することもあります。(40代女性、秘書歴20年以上、商社、会長を担当)

時には、上司を止めるストッパー役も

 いつも上司の傍らでサポート役として業務に携わっている秘書さんだからこそできる役回りもあります。上司が思わぬ方向へ行ってしまいそうなときなどのストッパーです。秘書さんたちは上司から受けた言葉をいったん飲み込んで反応を返すこともあり、ここにピックアップしたベテラン秘書さんたちの回答を眺めてみると、秘書さんがいかに会社組織の裏舞台で努力をしているかがよく分かります。

◆ 「丁寧・丁重な秘書」はどこにでもいますので、私はあえて「ぶっちゃけキャラ」でいっています。そのため、こちらが考えていることを率直に伝えることができます。ボスが変な方向に行きそうになったときに、軌道修正させるのも秘書の仕事だと思っています。(40代女性、秘書歴13年、電気・ガス、常務取締役・取締役を担当)

◆ 他の社員の悪口は言わないと決めています。たとえ上司が社員の悪いところを言っても、「変わった方ではありますね」とさらりと返すようにしています。月並みではありますが、つまらない冗談が上司から飛び出したときは、思い切り笑い返すようにしています。(40代女性、秘書歴12年、コンサルタント・会計・法律関係)

◆ 言われたそばから即座に否定しないこと。言われたことに対し、「でも」「ですが」「しかし」などとは返しません。どんな無茶なことでも、相手が間違っていても、いったんは「承知しました」「かしこまりました」と受け、いったん下がってから、「先ほどの件ですが、確認しましたところ……」などと理由を付けながら返します。(40代女性、秘書歴10年、放送・広告・出版・マスコミ、社長を担当)

◆ 上司が達成したい目標・目的を理解して、それをサポートできるように行動するようにします。また、上司の部下同士の関係が円滑にいくように橋渡しもします。(40代女性、秘書歴10年、製造業、本部長クラス・事業部長を担当)

◆ 疑問点があったときは即座ではなく、折を見て話すようにします。要求される前にデータを準備するなど、少し先を考えて行動できるように、日常の会話内容に気を配ります。(60代女性、秘書歴17年、製造、常務取締役を担当)

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 いかがでしたか。秘書さんたちがいかに上司の心をつかむか、日々考えながら業務に携わっていることがアンケート結果に反映されていました。皆さんが上司とコミュニケーションを取る際のヒントにお役立てください。

文/日経ウーマンオンライン編集部 写真/PIXTA

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日経ウーマンオンライン

2018/01/09掲載記事を転載
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