「できない」を突破するのがプロ「作業と仕事」の違い

「できない」を突破するのがプロ「作業と仕事」の違い

2017/06/07

はあちゅう つらいことをしなくても「お金は稼げる」

 仕事山積で今日も帰れない……。そんなお疲れ気味の働き女子の皆さんにこそ読んでほしい本稿。仕事とは、作業とは一体なんなのか。改めてはあちゅうさんと一緒に考えてみませんか。

「できませんでした!」と意気揚々と言う人

 先日、キングコング・西野亮廣さんのブログに触発されてこんなツイートをしました。

素人は諦めるまでの距離が圧倒的に近い、に同意。やばい人だと目をキラキラさせながら「これは無理だってことがわかりました!」って言ってくる。いや、やりたいっていったのはあなたじゃん、無理を突破する方法を考えるのが仕事じゃんって思う (はあちゅうtwitterより)

 これは会社員時代、後輩に仕事を頼んだときのことなんですが、数時間したらその子が目をキラキラさせながら戻ってきて、「○○だからできません!」と、その仕事をできない理由をリスト化して持ってきたんです。そのさまはまるで、「実行不可能な理由を突き止めた自分を褒めて」といった感じでした。

 リスト化されたできない理由は当然知っていて、その上でそれらを突破する方法をいろいろ考えてみてほしいという仕事の依頼だったわけですが、その子はできないことを立証して仕事をした気になっていたんです。仕事をただ「やらされている」と思っていると、こんな風に作業を終えただけで仕事が終わった気になってしまいます。

 キャリアを積んだはずの社会人でも仕事をやっているのか・やらされているのか、その区別がつかないままなんとなく会社に行っている人は多いような気がします。

仕事をやっているのか、やらされているのか。区別したほうがいいに決まってます(はあちゅう)


「作業」は遅かれ早かれ、ロボットの仕事に

 本来、目的に向かってするのが「仕事」であって、目的を忘れ、頼まれたことをただ終わらせることは「作業」でしかありません。仕事は作業の積み重ねという側面もありますが、どんな作業をすれば目的を達成できるかを考えることが「仕事」だと思うんですね。この「作業」「やらされ」の意識から卒業しないとことには、いつかロボットに取って代わられてしまうと思います。

 とはいえ私も会社員時代に先輩から、「『できない』ではなく、それをやるために作業の整理をするところまでがあなたの仕事だ」と言われてハッとしたことがあります。

 実際そこで頼まれていた作業の優先順位をつけてみたところ、やらなくていいものがあることが分かりました。それまでパンパンの業務の中で上司からさらなる案件が降ってくると、「私がどんなに忙しいか見えてないの? そろそろ本気で体調崩しますよ、私?」とか「自分は手を動かさないのに、あれもこれも次々私にばっかりふらないでよ」と心の中で上司に悪態をついていました。けれど、「作業の整理までが仕事」と言われて初めて、今自分がやっている業務に疑問を持つことも仕事の一部なんだと気が付きました。思考停止状態に陥って、業務の棚卸しができない人ほど、不必要な作業に忙殺され、消耗してしまうんです。

「作業」ではなく「仕事」の時間がキャリアアップにつながる

 せっかくの「仕事」を自ら、ただの「作業」にしてしまっている人も多いですよね。

 得意先への荷物をぐちゃぐちゃに梱包している人を見たこともありますが、自分の名前が出ない作業やSNSに書けない業務を雑に終わらせる人は、他のことでも雑さが出ると思います。「私がやるべき仕事じゃない」という意識は、すべての仕事を「やらされ作業」だと思っている証拠です。

 「仕事」と「作業」の違いは、結果へのコミットがあるかないかだと思います。「これは私の仕事」と思って付加価値を付けて行ったものであれば、作業も仕事になります。そして仕事と思って当たっている時間が長ければ長いほど、やりがいも増えるはず。なので、常に「今自分は仕事ができているだろうか」と自問自答してみてください。

 また、往々にして作業は時間の消費ですが、仕事は生産的で、どこかしらクリエーティブな要素があるもの。だから「仕事」の時間を意識的に増やせば、キャリアアップにもつながるんです。

 一方で、私にとっての「作業」を「仕事」としてプロフェッショナルにこなしてくれる身近な存在に、税理士さんがいます。こちらがぐちゃぐちゃに送ったレシートも、一切合切整理してきっちり仕上げてくれるんです。

 皆さんの周りにも、パワーポイント資料を素晴らしく肉付けして、同じものとは思えないほどユニークなプレゼンを完成させる先輩や、めちゃくちゃ笑える日報を書いてくれる後輩はいませんか。このように、作業で人を感動させられる人は、もうすでにプロの仕事人だと思います。

私はいつも、プロの仕事人に支えられています(はあちゅう)


楽にお金を稼いでも仕事になる

 私は昔、社会人になったら休みも自由もなくて、つらいことをしなければお金は稼げないものだと思っていました。

 でも最近ではオンラインサロンやフリマアプリなどを通じて、趣味の延長線上でお金が稼げる場所も増えていますよね。仕事というと毎日通勤してデスクに座ってというイメージですが、仕事の感覚はないのに楽して稼げる、そんな機会がたくさん存在している今、仕事という概念・感覚も変えていく必要があるのかもしれません。

 私自身もまだまだ、仕事=我慢という昭和的な考え方から完全には抜け出せていないので、自分の意識の改革を進めていこうと思います。

聞き手・文/小泉なつみ 写真/稲垣純也 取材日:2017年5月8日

Profile
はあちゅう
作家、ブロガー。1986年生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。在学中にブログを使って「世界一周をタダでする」などのプロジェクトを行い、カリスマ女子大生ブロガーとして活躍。電通、トレンダーズを経てフリーに転身。月額課金制個人マガジン「月刊はあちゅう」、「小さな野心を手帳で叶えるオンラインサロン」などを運営。著書に「とにかくウツなOLの、人生を変える1か月」(KADOKAWA)、「言葉を使いこなして人生を変える」(大和書房)など。

Provider

日経ウーマンオンライン

2017/06/07掲載記事を転載
「できない」を突破するのがプロ「作業と仕事」の違い