ドラァグクイーンの美しさ 撮って学んだ生きるヒント

ドラァグクイーンの美しさ 撮って学んだ生きるヒント

2020/05/27

フォトグラファー・ヨシダナギさんインタビュー(上)

アフリカをはじめとした世界の少数民族を独自の感性で撮影し、注目を集めるフォトグラファーのヨシダナギさん。2020年5月25日、「ドラァグクイーン」をテーマとした新しい作品集を発表する。これまでとは異なる被写体に、なぜ挑んだのか。「カッコいい『彼女たち』は私のヒーロー」――そう語るヨシダさんに、作品に込めた思いを聞いた。
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(下) 家に閉じこもっていた私が、アフリカに飛び込むまで

ヨシダナギ/フォトグラファー

1986 年生まれ。2009年から単身、アフリカへ。独学で写真を学び、アフリカをはじめとする世界中の少数民族を撮影、発表。2017年には日経ビジネス誌で「次代を創る100人」、雑誌PEN「Penクリエイター・アワード 2017」へ選出。講談社出版文化賞写真賞を受賞。2020年、ドラァグクイーンを撮影した作品集「DRAGQUEEN -No Light , No Queen-」を発表。

日経doors編集部(以後、――) 「ドラァグクイーン」とは、派手な衣装やメークなどで女装するパフォーマンスの一つで、もともとはゲイ文化から生まれたとされています。これまでは少数民族を撮影してきたヨシダさんですが、なぜこの新しい被写体に挑戦しようと思ったのでしょうか。

ヨシダさん(以後、ヨシダ) フォトグラファーとして仕事を始めて、ちょうど5年目になります。実は最近、周囲から「新しい作品を見てみたい」と言われるようになって、モヤモヤしていたんです。私は、写真を撮ることが好きというよりも、私自身が憧れる少数民族の「カッコよさ」を何とかして伝えたいという気持ちが大きい。心が動かないと撮れないから、単に「他の作品を」と言われても難しくて。

 でもふと、ドラァグクイーンたちがオーストラリア大陸を旅するロードムービー『プリシラ』を数年前に観て、その姿にめちゃめちゃ心を打たれたことを思い出しました。鑑賞当時は、自分がクイーンたちに会いに行くようになるなんて想像もしませんでしたが、そのときの衝撃が蘇ったとたん、撮りたくてたまらなくなったんです。

 少数民族とドラァグクイーンって、全く異なるように見える人もいると思いますが、私の中で、その「カッコいいポイント」は共通しています。

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日経doors

2020/05/22掲載記事を転載