松本薫 勝つために「野獣」となった柔道金メダリスト

松本薫 勝つために「野獣」となった柔道金メダリスト

2020/11/04

(上)「凡人」が「天才」に勝つための戦術 あるインド人選手がヒントに

社会や経済が不安定な今、「自分で決めて行動していく力」は人生において必須のスキル。とはいえ、人生の岐路に立ったときに、何を軸にして決断すればいいのか……。そこでこの連載では、各分野で活躍している人たちに「人生を左右した決断」をインタビュー。今回は、日本女子柔道57㎏級の代表として、2012年のロンドンオリンピックで金メダル、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得し、引退後は東京・高田馬場のアイスクリーム店「ダシーズ」(コロナ禍の影響で現在は通信販売のみ)で、乳製品や白砂糖、グルテンなどを含まない健康志向の「アイスクリーム」を作っている松本薫さん(33歳)の決断に迫ります。
(上)松本薫 勝つために「野獣」となった柔道金メダリスト ←今回はここ
(下)アイスでも「金」 柔道メダリスト松本薫の第2の人生

1987年生まれ、金沢市出身。6歳になる直前に柔道を始め、帝京大学在学中から本格的に世界に挑戦。2012年のロンドンオリンピックで金メダル、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルを獲得し、2016年秋に結婚。翌2017年に第1子となる長女を出産。2019年2月に現役引退を発表し、同年12月に第2子となる長男を出産。現在は、東京・高田馬場のアイスクリーム店「ダシーズ」(コロナ禍の影響で現在は通信販売のみ)で、乳製品や白砂糖、グルテン、トランス脂肪酸などを使わない「アイスクリーム」を研究・開発している

私は「天才」ではなく「凡人」

 「現役時代はずっと『柔道が好きだ』と思い込んでいたのですが、引退してみると、『好きでも嫌いでもなかった』ことに気づきました。それでも頑張れていたのは、『目標』があったからです。『両親をオリンピックに連れていく』という目標を達成するために、私は『勝つこと』にこだわり続けたのです」

 日本女子柔道57kg級の代表として、2012年のロンドンオリンピックで金メダル、2016年のリオデジャネイロオリンピックで銅メダルに輝いた松本薫さん。彼女は闘争心をむき出しにし、鋭い目つきで相手を威嚇する「野獣」スタイルで、世界の頂点に立った。

 「私は『天才』ではありません。私よりも運動神経のいい人や、才能のある人はたくさんいたので、自分が『凡人』だということは、柔道をやり始めた小学生の頃から分かっていました。でも、だからこそ私は『野獣』スタイルをつくり上げたのです。凡人の私が、世界の天才たちに勝つために」

 自分のことを「凡人」だと語る金メダリストが、「勝つこと」を意識し始めたのは、柔道を始めたばかりの小学生の頃だった。

ここから先は日経WOMANキャリアへの
会員登録(無料)が必要です。

Provider

日経doors

2020/10/30掲載記事を転載