Vol.2 会社と地域のサポート力を味方に仕事と子育てを楽しんでいます

広島県の東南部に位置し、三方を山々に囲まれた府中市。
古くから機械・家具・金属などの製造業を中心に「ものづくり」のまちとして発展し、全国規模の企業が数多く立地している。
また、府中市では子育てを全面的にサポートし、「保育園の待機児童はゼロ」。
女性が就業しやすく、多様な働き方ができる地域でもある。
そんな府中市で、今まさに活躍している女性をクローズアップ。
今回は、正社員としてフルタイムで働きながら2人のお子さんを育てている林聖子さんに、会社と地域の子育て環境や、府中市の住み心地などについて聞いた。

希望条件にぴったりの会社を府中市に発見!

株式会社オガワエコノス
営業統括部
本社営業センター
林 聖子さん(35歳)
Seiko Hayashi
 

 仕事も、子どもも、生活環境も──。
 林聖子さんは、自分が望むものすべてを府中市で手に入れた。働きながら家事に子育てにとフル回転で、「日々体力勝負です!」と打ち明けつつも、明るさが絶えないその表情から充実した毎日が読み取れる。
 現在、勤務しているのは、府中市に本社を構え、市内や県外に工場を有し、廃棄物全般の処理を行うオガワエコノスだ。事業内容は大きく分けて2つ。ひとつは、汲み取りや浄化槽の清掃、下水道施設の維持管理など水処理の業務を行うアクア事業。もうひとつは、一般家庭や会社、工場などから出るゴミの処理のほか、廃棄物を固形燃料化するなどのリサイクルにも力を注ぐロハス事業。最先端の技術を用いて、環境に配慮した事業活動を行っている。
 林さんが同社で働き始めたのは33歳のとき。その前は、府中市内の携帯ショップで接客業をしていた。
「子どもの頃からテレビゲームなどのデジタル機器が大好きで、高校卒業後は携帯かパソコンに関わる仕事をしたいと思っていました。でも、生まれ育った尾道市の御調町にはそういう仕事がなくて。隣の府中市で職を得たのです」
 携帯ショップで働き始めてから8年後に、福山市出身・在住の男性と結婚。男性の実家に同居し、間もなく子どもができて妊娠8カ月で退社。専業主婦となって、第1子と第2子を出産した。
 2人目の子どもが1歳を過ぎた頃、「そろそろ再就職したい」という思いがわき上がってきた。子育て中であることから、残業の少ない事務職、土日が休みの安定した会社、そして以前からやりたかったパソコンを使う仕事ということを条件に、府中市のハローワークで職を探した結果、たどり着いたのがオガワエコノスだった。
「御調町の実家が、昔からオガワエコノスにお世話になっていたので親近感もありましたし、
勤務条件もぴったり。すぐに面接を受けました」

会社独自の仕組みで働きやすい職場に

サイン 林さんが働くオガワエコノスは、地球環境に負荷をかけない循環型社会を目指し、先進技術によって環境や人にやさしい廃棄物処理に取り組んでいる企業だ。最近では、リサイクルできない廃棄物を適切に処理すると同時に、焼却熱を利用して発電を行う新焼却炉「バイナリースカイ」の稼働を開始した

 正社員として採用され、配属されたのは、ゴミの廃棄などを担うロハス事業部の営業事務。営業担当者とやり取りしながら、廃棄物処理の受注管理や契約書の作成、請求の手続き、電話応対といった仕事を担う。
「私が担当しているのは、主に企業からのご依頼で、プラスチック類の廃棄物を扱うことが多いです。お客様の注文に合わせてどう処理するかを考え、契約書を作成しますが、それが形になって進んでいったときがいちばん嬉しいですね。仕事をしているからこその達成感を覚えます」
 やりがいのある仕事を得られただけでなく、ほかにも「この会社で正解!」と思えたことがある。それは、子育てや介護など社員の事情に配慮する会社の姿勢だ。
「うちの社長は“イクボス”なんです」という林さんの言葉どおり、昨年6月には会社として県の登録制度である「広島県仕事と家庭の両立支援企業登録制度」に登録。従業員が仕事と家庭を両立できるように支援する企業であることを公に表明した。その背景には、「お客様に喜ばれるサービスを提供するには、まず従業員とその家族が健康でなければならない」という社長の考えがある。
 また、同社では高齢化社会に対応し、高齢者宅へのゴミの回収を実施。このサービスでは、きめ細かな気づかいができ、顧客に安心してもらえるという利点から女性を積極的に採用。

評判も上々で、事務職に加えて現場勤務の女性が増え、209名の社員のうち女性は約17%(36名)と同業他社の中でも女性社員の比率が高く、しかもその約半数がワーキングマザーだ。
「子どもの急な病気で早退するときも、周囲はイヤな顔をするどころか、“どうぞ帰って!”という感じで(笑)。お互いに協力し合うという社風があって、とても働きやすい職場なんです」
 こうした社風のバックボーンとなり、協力体制を機能させているのが、女性を含め、全社員が働きやすい環境を整えるために、子育てや介護など家庭での事由で休みをとりやすくする同社独自の仕組みだ。それは、「1人2役以上、1役2人以上」という全社を挙げての取り組み。各部署内で全員がすべての仕事を共有し、たまに他の従業員の仕事を実際に手がけることで、突然誰が休んでもカバーできるように多能工化しているのだ。

「ほどよい」ところが府中の魅力

「今は、ストレスなく仕事と子育てを両立できている」と語る林さん。その幸せな状態は、会社の支援体制に加え、結婚して1年後に引っ越してきた府中市での暮らしによるところも大きい。
「私は尾道市、夫は福山市とそれぞれの実家のちょうど真ん中が府中市だったので、ここを選んだというのもありますが、携帯ショップで働いていたときから府中市に住みたいと思っていました。府中市は自然が豊かで、働く場所もあり、生活環境が整っている。ほどよく田舎で、ほどよく便利な場所なんです」
 現在、6歳と3歳になる2児を育てているが、「府中市に住んでみたら、子育てしやすい地域だということがわかった」という。
「仕事に復帰するときも、すぐに2人とも同じ保育所に入ることができました。“府中市は待機児童がいないところがいいよね”と、よくご近所のママとも話をしています。しかも、私が預けている保育所は朝7時から19時まで開園しているので、フルタイムで働けるんですね。子どもが熱を出したり、体調が悪いときに預かってくれる病児保育の施設も近くにあって、すごく助かっています」
 また、子どもを遊ばせることができる場所が充実しているのも、お気に入りのポイント。例えば、ウォータースライダーができる「三郎の滝」で自然と親しんだり、プラネタリウムなどを併設した児童会館で知的好奇心を刺激したりと、遊びの選択肢が豊富だ。江戸時代に幕府の天領として栄え、当時の白壁の町並みが残る上下町を子どもたちと散策し、歴史文化にふれさせることもできるという。
「明るく雰囲気のいい職場と、のんびり暮らせる地域環境に恵まれて、毎日がすごく楽しい。府中市を選んで本当によかったと思います」

About 3R Meister

女性の活躍が目覚ましいオガワエコノスには、「3R推進マイスター」の肩書を持つ社員がいる。
本社事務部門 総務人事啓発グループの堀 千奈美さん(38歳)さんだ。
3R推進マイスターとは、容器包装廃棄物の3R(リデュース・リユース・リサイクル)の啓発を図るために、自治体が地域で活躍している人を推薦し、環境省が委嘱するというもの。 工場の見学案内や出前授業を行うなどの実績が評価され、広島県で3人目に任命された。現在もさまざまな啓発活動に取り組んでいる。