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転職天気図

ロード・インターナショナル 山本 直治氏

ロード・インターナショナル 山本 直治氏
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第2新卒にも専門知識が求められるIT業界
異業種からの転職は困難

ロード・インターナショナル
シニアコンサルタント
山本 直治(やまもと・なおはる)

[PROFILE]

1974年生まれ。中央大学法学部卒業。同大学院修了後、旧文部省(現文部科学省)へ入省。6年間の勤務の後、2006年、ロード・インターナショナルに転職、人材紹介業へ転じる。著書に『人材コンサルタントに騙されるな!』(PHP研究所)がある。雑誌『日経キャリアマガジン』にて「人材×キャリア ニュースの読み方」を連載中。
企業サイト http://www.road-i.co.jp/ 日経キャリアNET エージェントサーチ 事業所情報へ

 2007年まで、好景気を背景に活発化していた第2新卒の採用が、ここへきてペースダウンの兆しを見せている。求職者の数には変化がなく、やがて来る第2新卒市場の混乱を予感させる。人材紹介会社ロード・インターナショナルのコンサルタントである山本直治氏に、IT業界における第2新卒の転職動向と、失敗しないためのコツを聞いた。

 米国の信用力の低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題による株安、不動産業界における住宅着工の減少などを発端として、日本企業全体の景況感が冷え込み始めています。求人数にも、当然その影響は波及すると考えれられるでしょう。07年が「晴れ」だとするならば08年は「薄曇り」。私は少しずつ求人数は減っていくと予想しています。それは第2新卒においても同様です。

 もっともIT業界においては「常に求人は多く、人は少ない」という構造が強固です。したがって求人の減少は他業界に比べれば、ゆるやかでしょう。ただし、採用基準の高まりは感じています。書類選考や面接において、これまでなら通過していたような人が落ちてしまう、という現象が起きているのです。以上が、IT業界における第2新卒の現状です。

 IT業界の第2新卒について、補足説明をしておきます。

 そもそも第2新卒とは多義的な概念です。学校を卒業して就職したものの、短期間(数カ月−3年程度)のうちに転職を志す人。経験もスキルも未熟だが、社会人として必要なマナーは身につけている。これが一般的な「第2新卒」の解釈だとするならば、IT業界における「第2新卒」は少し異なります。

 他業種には「地頭(ぢあたま)がよい」「ポテンシャルがある」と見込めば異業種からの転職者を受け入れる傾向がありますが、IT業界は例外。IT業界で「第2新卒」として採用されるのは、すぐに現場に出ることができる経験者が主なのです。その意味で、IT業界においては第2新卒でも、通常の転職と同様、知識やスキルを評価される、ということになります。

 どのような第2新卒であっても、私たちコンサルタントはサポートします。しかし認識しておいてほしいのは、新卒で入社した社員とは違うキャリアを余儀なくされる、ということです。陸上競技に例えるならば、第2新卒は"周回遅れのランナー"。入社後は、最前線にいる社員たちのサポートの仕事が主になるはずです。

 前を走るランナーに追いつき、キャリアの上を目指そうと思ったら、倍の速度で走らないといけません。普通に働いているだけでは、高度な仕事や責任ある仕事は先行ランナーに奪われ、自分は残った仕事をするしかなくなります。そんな厳しい世界にわざわざ飛び込む意味があるのか、またその覚悟があるのか。第2新卒の転職を成功させるカギはそこにあります。

 その覚悟がないような相談者の転職を引き止めることも少なからずあります。あと1、2年待ち、20代半ばに差し掛かっても十分にリスタートは可能。本当にやりたいことが明確でない場合は、もう少し頑張るようにアドバイスします。さもないと、転職した先でも我慢がきかず、ずるずると転職を繰り返すという、悪いパターンに陥る危険もありますから。

転職天気予報  2007年(快晴)→2008年(うす曇)

求める人物像

技術系職種

実務経験があり、簡単な研修を済ませればすぐに現場に出ることができるぐらいの最低限のITスキル・知識を身につけている人。別業界からの転職組、すなわちITスキル・知識をまったく持たない人材は第2新卒として扱われない傾向がある。

コンサルタント系職種

技術系同様、ITスキル・知識は必要。くわえて顧客が抱える課題を正確に捉えソリューションを提示するために、顧客の業務に関する詳細な知識が欲しい。金融のクライアントを抱えているのなら金融の知識ということになる。