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転職天気図

イオン 大河内 圭子氏

イオン 大河内 圭子氏
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「顧客満足業」の確立に向け
起業家精神の持ち主を歓迎

イオン
人事本部採用グループ
大河内 圭子(おおこうち・けいこ)

[PROFILE]

学生時代2年間中国留学を経験。1999年3月大阪外国語大学(中国語専攻)卒業。同年4月ジャスコ(現イオン)入社。猪名川店で紳士服の販売を経験。同店教育主任を経て、エリアトレーナーとして約2年間従事。2004年1月から現職。
企業サイト http://www.aeon.info/

 2008年2月期、過去最高の売上高5兆2500億円、8期連続の経常増益を見込むイオングループは、オリジン東秀へのTOB(株式公開買い付け)、ダイエーとの資本・業務提携など、事業を拡大させている。イオングループの戦略と求める人材について、同社人事本部採用グループ大河内圭子氏に話を聞いた。

規模よりも顧客満足を重視

 オリジン東秀へのTOB、ダイエーとの資本・業務提携など、最近のイオングループの動きを見ると、スケールメリットのみを追求していると思われるかもしれません。しかし当グループの狙いは、あくまで顧客満足を最大化すること。当グループは「小売業」ではなく「顧客満足業」を目指しています。

 顧客に選ばれる店舗であるためには、いい商品といいサービスが必要です。それには調達規模拡大によるコストダウンはもちろん、プラスアルファの付加価値が不可欠。「小売業で世界トップ10入り」という目標も、それ自体が目的ではなく、優れた商品を顧客に届けるための手段と考えています。

 当グループが推進しているM&A(企業の合併・買収)戦略には、有力専門店との提携による商品力強化といったメリットがあります。昨年は中食市場大手「オリジン東秀」を連結子会社化し、「ツルヤ靴店」と資本・業務提携、酒販大手「やまや」と共同出資会社を設立。こうした提携によって例えば、揚げ物が中心となっているスーパーマーケットの総菜売場に加え、オリジン東秀のショッピングセンター内出店によって、顧客にバラエティー豊かな総菜を提供できます。

 また、IT、調達、SCM(サプライチェーンマネジメント)などの機能を、グループ共同インフラとして整備・分社化し、ここに優秀な人材を集めます。グループ全体のシナジーを強化するM&Aは、今後も積極的に実施されてゆくことになるでしょう。

 商品戦略の主軸はプライベートブランド(PB)「トップバリュ」です。ナショナルブランドに物足りなさを感じている顧客に、より多くの選択肢を提供するため、衣食住の3分野でPBの強化およびリニューアルに着手しました。例えば主力の食品では、低脂肪、減塩といった新たな付加価値を加えた「トップバリュ ヘルシーアイ」を開発しました。

 衣類は製造工程から自社で手掛け、有名デザイナーを起用。衣料品販売コーナーを「イオンスタイル」としてリニューアルしました。売り場を商品アイテム別の陳列ではなく、顧客のライフスタイルごとに再編成。家具やインテリア雑貨といった「住」の分野も、ライフスタイル提案型の再編に着手しています。

 「トップバリュ」は、グループブランド化することで、競合との差異化を図りたいと考えています。これまでジャスコ、マイカルなどで販売されていたものを、ポスフールやGMS(総合スーパー)以外の業態にも拡販。今年はグループで2000億円売り上げ、2010年までに6000億円を目指します。

 海外事業にも積極的に取り組んでいます。既に香港を中心に中国に約30店舗、マレーシアに14店舗、タイに10店舗、台湾に1店舗展開。特に中国本土への出店に注力しており、5年以内に本土で約100店舗の展開を目指しています。2008年には北京に大型駐車場を完備した大型ショッピングセンターを出店予定。これを機に一気に多くの店舗を出店する計画です。

 国内の出店については、「まちづくり3法」の改正により、大型店の出店が困難になると予想されます。そのため現在、やや小型の店舗形態を開発しており、この新型店舗で改正後の出店環境に対応します。一方、東北や北陸では、スーパーセンターの出店を強化中です。

 インターネットやITの活用にも力を入れています。多様化する顧客のニーズに応えるため、インターネット通販を強化。07年4月下旬より自社の電子マネー「WAON(ワオン)」を発行しました。JR東日本の「Suica」などもグループの店舗で使えるようになっています。顧客に快適なお買い物を楽しんでもらえる環境作りに余念がありません。

昨年は約500人を中途採用

大河内氏

 こうした活発な動きの中で、06年は約500人(うち約100人が女性)を中途採用しました。職種の内訳は、約半数が店舗マネジャー候補として、20代の若手および異業種出身者を採用。そして約100人を商品開発のアシスタントとして採用しました。約50人が専門資格などを持つ販売のスペシャリスト。約50人が海外留学経験者で、海外事業など語学力を生かせる部署に配属しています。残りが管理職および専門職などです。

 今年4月には約550人の新卒が入社しましたが、07年の新卒採用は一層困難と予想され、中途採用の重要度がさらに高まっています。

 現在、当グループは下記のような職種で、中途採用を行なっています。

商品開発
先ほども申し上げた通り、PB強化のため、アパレルやインテリア関連のSPA(製造小売り)で、商品開発の経験者を特に歓迎しています。

店舗開発
積極的な新規出店を行っているため、商業施設開発部門を強化しています。駅構内型や複合型商業施設の開発経験者、若者向け商業施設を開発経験者など、当グループにないノウハウを持つ人材を歓迎します。もちろん異業種出身者も歓迎しており、英会話学校の店舗開発をしていた人が入社した例もあります。

マーチャンダイザー、バイヤー
衣食住それぞれの分野で経験者を採用します。

マーケティング
トップバリュのコンセプト統一、広告戦略などを担当します。メーンターゲットが女性なので、このポジションに限ったことではありませんが、女性を歓迎しています。

ショッピングセンター管理・運営
ショッピングセンター全体の売り上げを向上させるため、専門店の店員などに販売スキルや数値管理のノウハウを指導する仕事です。百貨店のマネジャー経験者を歓迎します。

 基本的に若手や業界未経験者は、店舗マネジャー候補として採用します。長期的に本社スタッフを目指している人には、顧客に近い現場で実務を学び、顧客との対話の中でヒントをつかんでほしいと考えています。

やりたいことができる規模と事業領域

 GMSからコンビニ、専門店まで多種多様な業態を展開し、年商5兆円規模を見込む当グループは、やりたいと思ったことが実現できる環境が整っています。多数のグループ企業があり、グループ内公募も活発。「グループ内転職」によって、自分の新たな可能性にもチャレンジできます。実際、商品開発をやりたいと言って入社した人が、現場を知るために店舗で働くうちに、マネジメントの面白さに目覚め、店長を目指すようになったケースがあります。

 可能性は無限に広がっています。新しい未来を切り開く、起業家精神の持ち主を歓迎します。

転職天気予報  2006年(晴れ)→2007年(晴れ)

求める人物像

商品開発

プライベートブランド「トップバリュ」の強化、リニューアルに向けて、衣食住分野の商品開発担当者を募集。顧客のニーズに耳を傾けることができる、アパレル、インテリア関連のSPA(製造小売り)経験者を歓迎している。

店舗開発

新規出店のため商業施設の開発経験者を募集。複合型・駅構内型商業施設、若者向け商業施設の開発経験者を歓迎。異業種出身者も活躍している。