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転職天気図

経済評論家(楽天証券経済研究所 客員研究員) 山崎 元氏

経済評論家(楽天証券経済研究所 客員研究員) 山崎 元氏
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第2新卒、若手の転職は自己投資
失敗を恐れずチャレンジすべき

経済評論家(楽天証券経済研究所 客員研究員)
山崎 元(やまざき・はじめ)

[PROFILE]

1981年東京大学経済学部卒業。同年三菱商事に就職に入社、以後12回の転職(→野村証券投資信託→住友生命保険→住友信託銀行→シュローダー投信投資顧問→バーラ→メリルリンチ証券→BNPパリバ証券→山一証券→DKA→明治生命保険→UFJ総合研究所、社名は転職当時)を経験。2005年より楽天証券経済研究所客員研究員に就任。

 景気の回復基調を受けて、第2新卒を含む20代の若手ビジネスパーソンの採用が活発化している。超就職氷河期の影響で、希望する仕事への就職を半ばあきらめざるを得なかった若手ビジネスパーソンの転職への意欲が高まりつつある一方、転職経験がないことから第一歩を踏み出せずにいる人も少なくない。そこで今回は、これまでに12回の転職を経験している経済評論家の山崎元氏に、20代転職のメリットと成功のコツについて聞いた。

転職市場が確立され、しかも活況な今がチャンス

 私が25歳ではじめての転職を決意したころは、今のように転職が一般的ではない時代でした。求人情報誌もエージェント(人材紹介会社)も皆無に等しく、求人情報ひとつ入手することですら、簡単ではなかったのを覚えています。

 その点、今は当「日経キャリアNET」のようなウェブサイトや求人情報を専門に扱う情報誌などの媒体が充実。エージェントをはじめとする人材サービス企業も増え、転職について気軽に相談できる環境が整いつつあります。しかも、ここ数年、転職市場は活況だと聞きます。この恵まれた環境を活用しない手はないのではないでしょうか。

 略歴の通り、私はこれまで12回の転職をしています。これらの経験を通して言えることは、できるだけ早くに自分が進むべき分野、つまりキャリアの方向性を見つけた方がキャリア構築のために有利だということです。そして、転職は方向性を見いだす上で最も効果的な手段のひとつだということです。

 20代の転職は、いわば自己投資。乱暴な言い方をするなら、失敗もありだと思っています。私にも経験がありますが、最初の転職は不安なものです。つい慎重になりすぎてしまう気持ちはわかりますが、それではせっかくのチャンスを見過ごしてしまいかねません。仮に失敗しても、軌道修正すればいいのです。転職回数を気にする方もいるかとは思いますが、明らかに違ったと、わかっていながら長くとどまる事は賢明ではないと、私は思うのです。

 20代はトライ&エラーを繰り返しながら、できるだけ早く自分が進むべき道を決め、基礎固めをする期間。私も20代で商社の財務部門からファンドマネジャーにキャリアチェンジしていますが、20代のうちなら、大胆なコース転換も可能です。今の仕事に違和感を覚えているなら転職を視野に入れてキャリアを考えてみることをおすすめします。

28歳までに一生の仕事を見つけよう

 とはいえ、できれば失敗したくない、というのが正直なところだと思います。転職の成否の判断はその人の目的によって異なりますから、一概にこうすれば絶対に成功する、と断言するのは不可能です。が、失敗の確率を下げるコツはあります。

 20代、特にはじめての転職の場合は、会社名ではなく、仕事内容に重点をおいて転職先を探すことです。そのためにも、転職した先でどんな仕事をしたいのかを明確にしておくことが肝心です。また、その会社に入社したら、具体的にどんな仕事を担当するのか、教えてくれる人はいるか、目標となる人はいるかなど、面接でしっかり確認することも重要です。私の12回の転職のうち、4回は失敗だったと思っているのですが、共通しているのは、そこを事前に確認しておかなかったことが原因だと思っています。

 私見ですが、30代前半はビジネスパーソンとして最も伸びる時期です。その時期を実力と実績をつけることに集中するためにも、28歳くらいまでには一生の仕事を見つけ、第一歩を踏み出しておきたいものです。新しい仕事を覚えるのに、最低でも2年間は必要ですから。

 様々な業種・職種で求人数が増加している今は、これまでムリと思われていたことを叶えるチャンスです。ぜひ、この機会を最大限に活用して欲しいと思います。

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転職のポイント

未経験者

未経験者にとって最大のアピールポイントは熱意です。経験はないにせよ、こんな専門書を読んで勉強している、資格にチャレンジしているなど、自分のやる気に説得性を持たせる事が必要です。また、第2新卒など1社の勤続年数が短い場合は、納得できる退職理由かを述べられるかも重要です。ウソをつく必要はありませんが、前職を辞めてでも新しい仕事がしたい理由は明確にしておくことをおすすめします。

経験者

経験者の転職は、自分自身の商品価値を高めるためのものでなければ意味がありません。仕事内容はもちろん、長く働ける環境かどうか、会社のカラーのチェックは必要でしょう。経験者の場合は、どんなことができるのかをアピールするのが一番です。その際、大切なのがわかりすい言葉に置き換えて表現すること。そうすることで、賢さやまじめさを効果的にアピールすることでき、好印象を与えることができます。