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企業の中途採用継続7割 事態終息後を見据えた動きも

企業の中途採用継続7割 事態終息後を見据えた動きも

コロナ禍で中途採用市場の景色が変わった。日本企業と外資系企業との「温度差」も目立つ。グローバル人材の紹介事業を手がけるエンワールド・ジャパンが、日本に拠点を置く外資系企業と日系グローバル企業の人事担当者を対象に実施したアンケート調査では、約7割の企業が「中途採用活動を継続中」と回答する一方、31%が「採用活動を停止・凍結している」と答えた。

アンケートは、エンワールド・ジャパンが企業の人事・採用担当者を対象に、東京や大阪などで緊急事態宣言が出された直後の2020年4月9日から12日にかけて実施し、224社から回答を得た。

「現在、中途社員の採用活動を行っているか」という質問については、「採用活動を(縮小せずに)実施している」が43%で、「一部のみ実施している」が26%だった。「採用活動を停止・凍結している」は31%だった。

「採用活動を(縮小せずに)実施している」は外資系企業では33%と、日系企業の60%より大幅に低い。特にウイルスの被害が大きい欧米に本社がある外資系企業などで慎重姿勢に転じたケースが出ているようだ。

「採用活動を(縮小せずに)実施している」「一部のみ実施している」と回答した企業を対象に、「どの程度積極的に実施しているか」を聞いたところ、「非常に積極的」が22%、「やや積極的」が8%、「以前と変わらない」は39%。「やや消極的」(25%)、「非常に消極的」(5%)と消極姿勢に転じた企業は約3割だった。

中途採用活動の状況が「非常に積極的」「やや積極的」と回答した企業を対象に、理由を聞いたところ(複数回答可)、上位には「年間の採用計画に基づく採用」(65%)、「新型コロナウイルス感染症が流行する前からの継続的な人員不足」(52%)、「一部採用を停止している企業もあり、優秀な人材を獲得しやすい」(25%)などが挙がった。

現在の採用活動全般について自由記述形式で聞いたところ、オンライン中心の選考過程に対する賛否の入り交じった声などが寄せられた。

戸惑いや本音映す、企業担当者の匿名コメント

【企業からの自由回答】

・オンライン面談に慣れてもらう良い機会(製造業)

・対面での面接ができず、入社後のギャップが生まれないか、若干の懸念がある(小売り)

・候補者の健康と安全を鑑み、採用活動がスローダウンすることはやむをえない(製造業)

・先行きが不安な中で採用活動を続けるべきか、マーケット状況を知りたい(エネルギー)

・入社後の研修などが対面で実施できないなど、業務フォローアップの難しさが採用スピードを遅らせているのではないか(コンサルティング)

・特に応募者の増減は感じていない(サービス)

・対面での面接が難しく、確実に見極められるか不安だ(製造業)

・対面での面接が実施できず、応募者側が企業を選定しにくくなっていると感じる(IT・通信)

・他社の動きが停滞ぎみであること、候補者に転職を考える時間ができていることから、採用の好機ととらえることもできる(金融)

・オンラインでの実施に移行できており、採用活動が効率化できている(IT・通信)

エンワールド・ジャパン人材紹介事業部の狐崎壮史部長は次のように分析している。

新型コロナウイルスの影響で、業種によっては一時的な採用凍結、採用活動の延期、退職勧告、休業が発生しており、状況は楽観視できません。一方で、採用活動に積極的な企業もあり、特に営業職については事態終息後を見据え、継続的に採用するケースが目立ちます。

(外出自粛の影響で)社会人のインター ネット利用時間が増加傾向にあり、自社のウェブサイト、広告等への投資やウェブセミナーの開催など、オンラインでの企業の発信の場をいかに有効に活用できるかが、優秀な人材獲得につながるとみています。