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化粧品・医薬品業界の今後 グローバル展開とインバウンド対応がカギ

化粧品・医薬品業界の今後 グローバル展開とインバウンド対応がカギ

 食品・医薬品・化粧品業界は底堅い需要があり、海外展開とインバウンド消費に可能性を見いだすことのできる業界です。高齢化の進展は「シニアの新たなニーズ開拓」というテーマにつながりますし、食品・化粧品業界はアジア諸国からの「メード・イン・ジャパン」ブランドに対する需要をうまく高めていければ、今後も伸びは期待できるでしょう。
 医薬品業界は、社会保障費の増大を防ぐ動きが薬価下落につながるため逆風ですが、病院に行く回数を減らす動きが広まれば市販薬には有利です。
 3年連続で成長率が5%を超えるドラッグストアは、医薬・化粧品業界にとって追い風です。すでに総店舗数は6万店を超え、コンビニを上回りました。大型スーパーも含めて業態の垣根が薄れるなかで、ドラッグストアの取り扱い商品の主力である化粧品や医薬品は有利な立ち位置にいます。

以下、化粧品業界にフォーカスして最近の話題をご紹介します。

最近気になる化粧品業界ニュース

メード・イン・ジャパン

 化粧品・日用品業界全体の売上は3年連続で過去最高を更新しています。特にアジアからの訪日外国人に、高品質で安全・安心な日本製の商品が好評です。化粧品・日用品はインバウンド消費全体の柱のひとつといえます。医薬品でも2014年から中国のネットで「12の神薬」が紹介され話題となりました。「日本に行ったら是非買って帰りたい12の薬」というわけです。

 来日した際に購入した日本製の化粧品や医薬品を、その後はネット通販で購入することがブームとなっていました。化粧品業界では、資生堂、コーセーなどを筆頭に、巨額の設備投資で久しぶりに国内工場を建設する企業が増えています。「Made In Japan」を強く訴えるためです。

潮目変わったインバウンド消費

 19年1月に中国が電子商取引(EC)法を施行して、化粧品などの転売を規制したことで、「越境コマース」は減少しました。19年は韓国からの訪日客も減少し、20年に入って新型コロナウィルス問題の発生で訪日客は激減しています。感染が沈静化するまで、業界に活気が戻るのは厳しい状況です。

 とはいえ高齢化が進む日本では、紙おむつなどシニア向け商品へのニーズの高まりは今後も続くと思われ、エイジング・ケアなど高機能商品の開発も盛んで、業界はインバウンド消費頼りというわけではありません。

 化粧品業界は、成長市場であるうえに製造を外部委託することが可能なため参入コストも低いので、異業種からの新規参入も多いのが特徴です。中国のECサイト・アリババが催す「独身の日」のセールに大きな売上を記録する新興企業も出ています。

『観光立国』の潮時、軌道修正迫る新型肺炎

(日経電子版 2020年2月13日)

AIの活用とIT技術の進化

 興味深い業界ニュースとしては、人工知能(AI)を活用した「あなただけの化粧品」に取り組む企業が増えていることがあげられます。オンラインで行うカウンセリングをもとに、顧客の住まいや季節によって配合を変化させた商品を提供します。1人ひとりの肌の状態や好みをデータベース化し、AIで分析することで最適化したパーソナルケア商品です。徹底した個別対応で、個人の好みの変化にも応えることでリピート率を高める狙いです。

 IT技術の進化とビッグデータの解析で、ユーザーの今の肌状態から5年後の肌の老化を予測することが可能になるかもしれません。AR(拡張現実)の利用も盛んです。ARミラーをのぞき込めば、自分の顔にそのコスメを使ったように色あいなどがわかるという技術も開発されました。コーセーが銀座に開店した体験型店舗では、鏡に自分の顔を映すと、鏡に埋め込まれたセンサーで肌の状況を読み取ることができます。これからも新しい提案が次々となされることでしょう。

 企業のグローバル競争が激しくなり、ブランド価値の向上策など「市場開拓力」が今まで以上に問われています。積極的なM&A(合併・買収)やきめ細かな情報発信など、各社が国内外でシェアを高める戦略を打ち出しているのですが、海外戦略で最近話題となった企業のひとつが資生堂です。

 体や環境に優しい成分を使う「クリーン」なスキンケア製品を扱う米国企業を買収したほか、400億円強を投じた「グローバルイノベーションセンター」を昨年4月に本格稼働するなど、ブランド力を高める研究開発にも注力しています。

存在感高め、市場開拓 M&A・情報発信に力

(日経電子版 2019年11月11日)

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