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2019年のこれから

2019年のこれから

2019年01月24日 更新

経済縮小、ブロック化の元年

 曲がりなりにも成長を続けてきた世界経済ですが、2019年度は経済成長が鈍化し、ブロック化が始まる年になる恐れが大きくなっています。

 昨年から激化している米中貿易戦争ですが、両国の交渉は簡単にまとまりそうもありません。3月初めが期限ですが、まとまらなければ、2000億ドル分の中国からの輸入製品に25%の追加関税を米国は課す予定です。

 また英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)問題についても、英政府とEUがまとめた円滑に離脱を進めるための法案を英国議会が1月半ばに否決しました。反対派に具体的な代替案があるわけでもなく、混乱しています。合意なき離脱に陥り、英国経済に深刻な影響を及ぼす可能性も否定できません。

 こうした自国ファーストの政策は、どの程度経済に悪影響があるのでしょうか?

 国際通貨基金(IMF)は米中貿易戦争が世界経済に与える影響について、最大で0.8%ポイント世界GDPを押し下げると試算しています。

 米中自身のマイナスはもちろんですが、関税の報復合戦から中国の余剰品を各国が輸入制限したり、世界的に投資が減退したりするなど、連鎖的に経済を縮小させる要因が発生するという最悪のシナリオも想定されるからです。ブレグジットについても合意なき離脱になれば、8%ポイント英国のGDPを押し下げると考えているようです。

 日本も米国と日米物品貿易協定(TAG)の交渉を開始する予定ですが、予断を許しません。日欧EPA(経済連携協定)やTPP11(米国を除く11カ国の環太平洋経済連携協定)を発行させ、自由貿易体制を守る姿勢を日本政府は示しています。

 しかしTAG交渉では、為替条項や市場経済国以外を含む経済連携協定には、米国の許可が必要とする条項などが入ってくる可能性が否定できません。為替条項は国内の金融政策の自由度を縛りかねません。

 後者は、年内合意を目指す東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉に影を落とします。中国が参加するRCEPへ日本が参加する際に、米国にお伺いを立てなければならなくなる恐れも出てきます。

 2019年10月に消費税の引き上げが予定されるなど国内にも雇用に影響するイベントはありますが、海外情勢は、国内要因が誤差に感じられるほど大きなリスクになる可能性があります。

(日本経済研究センター・主任研究員 小林辰男)