ビジネスパーソンのキャリアアップ・転職について考えるニュース・コラムサイト

トップインタビュー

赤字会社を立て直し黒字化。100年企業を目指したい/日本電鍍工業株式会社

赤字会社を立て直し黒字化。100年企業を目指したい/日本電鍍工業株式会社

営業は自ら率先してやる

従業員全員が伊藤の誕生日を祝ってくれた 従業員全員が伊藤の誕生日を祝ってくれた

 「私は電子部品とか精密機器の営業の一環として、東京ビッグサイト(東京国際展示場)などで開かれる展示会に顔を出します。私はそこへ行って、すいません、この商品はメッキじゃないんですか? うち、メッキ屋やっているんです、と言って名刺交換します。そして何かあったら、よろしくお願いします」。とにかく社交的で前向き。固いイメージの業界の中で異色の存在だ。

 2008年に新卒・中途を合わせて10人ほど営業、生産管理、技術職として採用した。小規模の企業では大きな決断だった。それまでは、募集しても求職者はなかなか集まらなかった。それが、2008年には100人前後が応募。またフィリピン、中国、スリランカからの4人の外国人も働いている。「フレンドリーな雰囲気の会社づくりを心がけています。ご縁が合って当社に入社されたのですから、社内で発言しやすい雰囲気を作りながら、各人のいいところを伸ばしてあげたいと思います」と張り切る。中小企業への就職というと、本人も家族も不安を抱きがちだ。そこで面接では、悪いところをさらけ出す。こうしたあけっぴろげで明るい経営者として社内でも定着している。

 日本のメッキ市場は、人口減と高齢化で、縮小していく流れに逆らえない。それでも「わたしは国内顧客を大切にしたい。メーカーの中には、工場を海外移転するところもありますが、あえて日本へとどまりたい。注文は海外からでもかまわないが、埼玉の拠点は移転するつもりはなく、これからも日本を守りたい」と国内拠点にこだわる。

中小企業の魅力を継続。モチベーションもアップ

 日本電鍍工業の特徴は、大量生産ではない個々の熟練した技術が光る対応力が魅力の会社だ。やりがいのある職場を提供する。求める人材像は、パワーがみなぎる人。形になった品物に輝きを与える、大切なメッキ工程である。「まず、就任早々、わたしは、従業員との面談に力を入れてきました。従業員の家族や生活を守る使命があります。まだまだ、これからです」とあくまで謙虚だ。

 従業員の平均年齢は40代前半。社長就任当時の平均59歳から15歳ほど、若返った。現在、20代から最高齢は80歳近い従業員まで働いている。「今年80歳になる従業員もいます。彼は本当のプロの技術者です。体調を整えるために毎日午後8時になると寝る規律正しい生活を続けてらっしゃいます。若手の社員も、見習うべきことがたくさんあります」。技術と意欲さえあれば、長期雇用も可能だ。2008年には父の代から数えて創業50周年を迎えた。黒字転換でき、社員のモチベーションも大きくアップした。

 「社員がときめきを忘れないように、常に還元できる体制になりたいですね。地道なことかもしれないですけど、開発力っていうんですか、いろんな世の中の流れについていけるような100年続くような会社になりたいですね」と熱く語った。

(本文中 敬称略 肩書き、会社データは2012年1月末現在)

日本電鍍工業株式会社 http://www.nihondento.com/

最近3年の売り上げ

6億円 (2010年)

従業員数

68人(国内のみ)

国内・海外拠点

埼玉県さいたま市