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言語の職人に頼らず言語の部品化をめざす/アラヤ株式会社

言語の職人に頼らず言語の部品化をめざす/アラヤ株式会社

電子機器の高性能化に備えた営業を

クリエイティブな雰囲気のオフィス・デザイン。 クリエイティブな雰囲気のオフィス・デザイン。

 言語はその背景に地域文化や民族特有の個性を強く残している。言語を学んだ専門職の翻訳家たちは、言語への愛着とこだわりを持っている。翻訳家は個人事業主が多く、専門的な分野では特殊な単語も多いため、家電や自動車など得意分野を持つとそこに縛られてしまう傾向がある。
 
 「特定の領域で専門性を高め、クライアントと親密な関係をつくることも一つの戦略ですが、これは個人か、せいぜい2、3人の会社です。私は言語を一つのパーツとして見ます。翻訳対象となった言語を、他の言語に置き換えて、優秀な部品として、発注者のメーカーに納める。その意味では私たちは、自動車メーカーと似たころがあります」

 作成に必要なテクニカルデザインやエディトリアルデザインといった翻訳の前後の工程を請け負うことにも注力した。スピードと差別化の追及により、高い競争力を生み出した。

 また新たな取り組みとして、組み込みユーザーインターフェースのローカライズ事業がある。これはデジタルカメラや携帯電話の電子機器画面に表示されるメニューの翻訳のことで、電子機器の高機能化・グローバル化が進展する中でますますニーズが高まり、メーカーサイドから対応を求められている。

 「今後は紙だけのマニュアルではなく、電子機器に組み込まれるインターフェース型の需要が大きくなると思います。こうしたメーカーサイドの要求にこたえられる、将来を見越した経営を目指したい」

オフィスへのこだわりは社員への思い

 7年前に起業した中嶌には強い思いがある。「普通であること、まじめに生きること」である。東京・代官山にあるオフィスの中は、翻訳ビジネスに合わせ、パーテーションで仕切られた、ゆったりとした空間で、仕事のしやすさを優先させている。

 オフィスのコンセプトである「Work in the gallery ワーク・イン・ザ・ギャラリー」は、絵を飾ったギャラリーのようなオフィスで創造的に働くことをイメージしている。赤を基調とした内装のデザインもプロにお願いした。オフィス空間へのこだわりが会社の新たなブランド価値を生み出しクリエイティブな雰囲気が会社を包む。

人材育成、採用、これから

 「語学を学んできた若い人の中には、技術に明るく、簡単なプログラムを書いてしまう人もいます。将来は電化製品の中に組み込まれたヘルプ機能のような翻訳依頼が増えるでしょう。そのときに、こうした人材は活躍するかもしれません」

 中途採用中心の組織より、2012年度から新卒採用にも踏み出す。「これまでの転職者が多数占めていた組織から、視野を広げ、新卒採用を取り入れることにしました。一生懸命語学を学んだ人が、その努力を生かせるチャンスを少しでも作っていきたいと思います」

 中嶌は高齢化と人口減、景気後退などで縮小する日本市場をにらみながら、閉塞感を打ち破る若者の活躍を期待する。(本文中 敬称略)

アラヤ株式会社 http://www.alaya.co.jp

最近3年の売り上げ

2008年 12.5億円
2009年 12.5億円
2010年 14.5億円

従業員数

約100名(正社員、契約社員、非常勤社員を含む)

国内・海外拠点

【国内】
本社:東京都目黒区、大阪

【海外】
ドイツ:デュッセルドルフ
中国:大連、マレーシア:ペナン