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TOEIC スコアアップ

第5回 確実に、使えるボキャブラリーを増やす方法

第5回 確実に、使えるボキャブラリーを増やす方法

日経キャリアNET会員向けのアンケート調査で、「TOEICのスコアアップ」が求める資格・スキルのトップでした。そこで、英語力アップを目指す転職希望者向けにTOEIC990点(満点)を記録した、英語のプロ、金井(かない)さやか講師がスコアアップのコツをアドバイスします。

確実に、使えるボキャブラリーを増やす方法

こんにちは! 英語コーチ、講師トレーナーの金井(かない)さやかです。
今回のテーマは、「語彙力アップ」。TOEICテスト対策に限らず、仕事で、日常的な会話で、「もっと単語力をつけたい」という声が聞かれます。ここでは、TOEIC対策に焦点を当てつつも、単語をちゃんと使える状態で頭に入れるコツをお話しします。

  1. まずは目標設定

語彙力アップのために、なぜ目標設定が必要なのでしょうか。「もっと単語を覚えなければ」という漠然とした願いを持っているだけでは、具体的なアクションが起こしにくいからです。それに対し、到達レベルや期限がはっきりすると、行動しやすくなり、時間の使い方もうまくなります。
 ここで、一緒にイメージしてみましょう。あなたの手元に、買ったばかりの本が一冊あるとします。TOEICテストに出るレベルの単語を1000語ほどまとめた本です。あなたは、「これを完璧に覚えるぞ」と意気込んでいます。

では、どのくらいの時間があれば、期待通りに単語を覚えることができそうでしょうか。3カ月? 1年? 時間があっても無理だ、と思うかもしれません。「そもそも単語集をやりきって身につけたことがない」という方もいらっしゃるでしょう。
実は、「完璧に覚える」という目標設定が挫折の原因でした。完璧な状態というと、「すべての例文を覚えて、口からもすらすら出てくるようにして、実際に書けるようにもして……」といったイメージになり、今の状態から遠すぎて、やる気を失いませんか。

では、TOEICで得点できることを優先するなら、どのような到達レベルを目標にすればいいでしょうか。

  • 単語のスペルを見て、意味がわかる
  • 英文音声を聞いて、場面や内容をイメージできる

このような「受け身的な理解力」を伸ばせばいいのです。単語のスペルが書けなくても、翻訳者や通訳者のように適切な訳語をあてられなくても、かまいません。
TOEIC700点〜800点程度の得点力をつける場合、単語集を一冊使うとすれば、その本が扱っている語彙レベルにもよりますが、本一冊に載った単語すべての意味を即答できなくてもいいのです。

8割から9割の単語の意味がすぐにわかる状態になれば、試験のスコアにも反映されるはずです。自分の仕事や生活、テストの必要性などから外れた単語は、いまの自分には縁がないと思って、手をつけなくていいでしょう。このように、ある程度割り切って到達レベルを決めておくことで、気持ちも楽になりますし、すべきことも具体的になります。
あとは、どのくらいの時間をかけて、どのくらいの数の単語(または熟語や例文)を覚えたいのか、確認します。ここまではっきりさせれば、取り組むべき単語数と、締め切りとを決めて、1日あたりの分量を割り出すこともできますね。

一方、このような目標を決めずに、好きな小説や記事に英語で触れ、出合ったものを少しずつ自然に覚えるのを待つ、という方法もあります。ただ、就職や転職活動の期限を決めている場合など、この方法ではとても追いつきませんね。
印象的な記事で出あった単語は覚えやすいので、普段から英語サイトや記事をチェックするのは、おすすめです。覚えた単語に「ここでも出合えた!」という経験が、次へのやる気になります。短期集中型の学習と併用するのがいいでしょう。

脳に刺激を!
ミニ単語テストにチャレンジ

以下は、TOEICにも出題されるレベルの基本的な単語です。単語を声に出しながら、同時に頭の中に意味が浮かぶでしょうか。日本語でなく、イメージなどでもOKです。
例文なし、単語だけなので、これ自体で「覚える」のではなく、「出合いの回数を増やして、印象に残す」ことを目的としましょう。「あ、この単語、見たことあるけど意味は何だったかな」などと確認するだけでもプラスになります。では、どうぞ!

(目標制限時間:12秒 解答は文末にあります)

Q 下記の単語の意味は?

  • booking
  • brochure
  • competitive
  • confirm
  • destination
  • exceed
  • expire
  • inquire
  • launch
  • previous
  • transfer
  • vehicle

スコアメイクのためのアクションとは?

私の本やCDで紹介し、実際に効果が上がっている方法を書きます。
以下をヒントに、ご自分なりのやり方にアレンジしてもいいでしょう。

1. CD、例文付きの単語集などで、語彙力アップに使いたいものを選ぶ。

文の中での使い方、音声がわかるほうが、覚えた単語を使えるので実用的です。
例:
『新TOEIC TEST 出る順で学ぶボキャブラリー990』
スコア730点を目指すなら即答できるようにしておきたい基本的な単語が載っています。
TOEIC対策に焦点を当てた、オーソドックスな形式(重要語一つに例文一つ、CD付き)。
990は収録語数です。

『TOEICテスト 新公式問題集<VOL.4>』
練習問題を解いたあと、復習を兼ねてチェックすれば、自分なりの単語チェックリストもできます。ただし、読解部分の単語の発音がCDに入っていないため、別途自分で確認する必要があります。

2. 期限を決め、同じものを3周以上繰り返して頭に入れる。

初めの1周で、声を出して読み方を確認しつつ、単語ごとに「知っている」「見たことがある」「知らない」と一目でわかる印をつけていきます。最初は軽めに「覚える」よりも「分類重視」で進めると、自分の現状を把握でき、一通り目を通したという達成感も味わえます。

2周目以降、「見てわかる」単語を重点的に覚えます。声を出しながら意味をイメージするように意識します。3周程度チェックしてから、「あと少しで覚えられそう」「間違いなく覚えたい」といった単語を書き出して(またはデータとして入力し、スマートフォンなどに入れて)持ち歩くのもいいでしょう。

語彙力アップのポイントは、「単語との出合いの回数を増やす」「出合いにインパクトを与える」ことです。だらだらと続けるよりも、短い時間に集中して、繰り返して見直すほうが効果が高いようです。「知りたい、覚えたい」という気持ちを持って、知識が増えていくのを楽しみに続けていきましょう!

ミニ単語テスト 解答例:
以下の訳は一例です。訳語、品詞、用例など、ぜひご自身でも確認してください。
(日本語で意味を言わなくても、英語のままイメージしていればOKです)

booking
予約
brochure
パンフレット
competitive
競争力のある
confirm
確認する
destination
行き先
exceed
超える
expire
有効期限が切れる
inquire
問い合わせる
launch
開始する
previous
前の
transfer
異動する
vehicle
車両

brochure(「ブローシュア」アクセントは「シュ」の部分)、vehicle(「ヴィーコ」のように聞こえます)のように、スペルを見て発音がわかりにくいものもあるので、再確認しておきましょう。