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TOEIC スコアアップ

第3回 英語が聞き取れる耳を作るには?

第3回 英語が聞き取れる耳を作るには?

日経キャリアNET会員向けのアンケート調査で、「TOEICのスコアアップ」が求める資格・スキルのトップでした。そこで、英語力アップを目指す転職希望者向けにTOEIC990点(満点)を記録した、英語のプロ、金井(かない)さやか講師がスコアアップのコツをアドバイスします。

 英語が聞き取れる耳を作るには?

こんにちは! 英語コーチ、講師トレーナーの 金井(かない)さやかです。

今回は、TOEICテスト・リスニングセクションの正解率を上げるための基礎固めについてお話しします。
リスニングに関するお悩みのなかに、「英語の音がキャッチできない。同じ内容が文字で書かれていればわかるのに」
というものがあります。あなたはいかがでしょうか。

  1. ディクテーションで弱点補強

たとえば、TOEICテストのPart1(写真描写問題)で、次のような音声が聞こえてきたとします。 どんな情景がイメージできるでしょうか。

<聞き取りテスト問題>
「ゼィアーハンギンガッサムピクチュアゾンザウォー」

(カタカナ表記に無理はありますが、音の感じをつかんでいただければと思います)

英文で書くと、以下のようになります。

<解答>
They are hanging up some pictures on the wall.

(彼らは壁に絵をかけている)

いかがでしょうか?
“hanging up” を「ハンギング アップ」、”on the wall” を「オン ザ ウォール」と覚えてきた人には、聞き取れません。
頭のなかで期待する音声と、実際に耳から聞こえる音がずれてしまっているからです。この「耳と頭のズレ」をうめ、瞬時に英文を理解できるようになるためにおすすめの方法が、「ディクテーション dictation」です。

ディクテーションとは、音声を文字に書き起こすこと。つまり、英語学習で言えば、英語の音声を聞いて、会話部分を自分で書きとってみて、正確に聞くことがきているかをチェックしながら、正解を見ながら、修正することです。実際に手を動かして英語を書き取ることで、英語をなんとなく聞いていたときには気づけなかった、自分の聞き取りのクセが見えてきます。ディクテーション自体が良いトレーニングになるだけでなく、その先の弱点補強のプランも立てやすくなるでしょう。

ディクテーションをしてわかる、弱点の例:
単語がいくつかつながった部分を聞き取れなかった
音がつながって変化していたのをキャッチできなかった
音は聞き取れたが、何のことか思い浮かばなかった
単語の知識が足りなかった
前置詞が正確に聞けなかった
文法の理解が甘かった  など

ディクテーションは、英語を聞くと同時に頭を使って考え、音から単語や文を推測しながら書き出す作業でもあります。
この練習は、テスト対策だけでなく、英語で会話するための準備としても役立ちます。
相手の言ったことを正確に聞き取る訓練になるからです。

スコアメイクのためのアクションとは?

効果的なディクテーションのやり方は次のとおりです。ここでは新公式問題集のPart1、写真描写問題の音声を使ったトレーニング例です。(問題集の例:『TOEICテスト 新公式問題集<VOL.4>』

スピード処理といっても、それは正確さの積み重ねです。早くて読み間違いが多いのでは意味がありあません。
英文をじっくり読み、復習することで、何が自分の理解・処理スピードの妨げになっているのかを把握できます。

「TOEIC対策用の問題集だけでは、話題も限られるので飽きてしまう」という人は、常に旬な話題に触れられる英文ニュースサイトを取り入れるのもいいでしょう。その際、ネイティブの小学生くらいを対象にした最新のニュース・解説記事を読むと、英文をスピード処理する感覚がつかみやすいのでお勧めです。

  1. 問題集付属のCDと、ノートと鉛筆などの筆記用具を準備する。
  2. CDの「練習テスト」(模擬テスト)で、Part1の音声を再生する。
    問題ごとの選択肢 A〜Dを、何と言っているか一文ずつ書き取る。

    【実践のコツ1】
    書き取りの際、一度で聞き取れない場合は何度再生してもよい。また、一文全部を覚えていられない場合、文の途中で一時停止しながら少しずつ書いてもよいが、語句のかたまりを意識して記憶し、書き取るようにする。

    【実践のコツ2】
    どうしても聞き取れない箇所は、空欄にする代わりにカタカナで聞こえたとおりにメモしておく。そうすることで、聞き取れなかった英語が自分にはどう聞こえたかを理解できる。

  3. 英文を書き取れたら、解答冊子の放送内容の英文スクリプトと照らし合わせ、自分が書き取った英文をチェックする。
  4. 復習のために、CDの音声を真似しながら音読する。

TOEICテスト形式の問題集を使ってディクテーションする場合、Part1(写真描写問題)、Part2(応答問題)の音声がおすすめです。一文が短いので書き取りやすいのと、まぎらわしい音を区別して聞き取る訓練になるのがその理由です。慣れてきたら、少し長めの会話が出てくるPart3(会話問題)に挑戦するのもいいでしょう。

同じ英文をたった2〜3回再生し、わからなかったからと解答を見るのではなく、自分なりに納得がいくまで繰り返し聞き直すことは重要です。また、書き取りの代わりに、パソコンなどを使って文字を打ち込む方法もありますが、実際に手を動かして紙に書き、赤字で修正することで、印象に残りやすくなるようです。ディクテーションは、集中して耳と頭、手や目を同時に使うので、何時間も続けてできることではありません。その分、30分以内の練習でも手応えが感じられる「濃い」学習方法でもあります。

まずは週に2〜3日以上取り組んで、ディクテーションの手順に慣れながら英語を聞き取る感覚をつかみましょう。これまで短い英文もうまく聞き取れなかった、という人でも、数回続けると英語の聞こえ方が変わってきます。これが、正確な聞き取り、スコアアップへの強固な土台になってくれることでしょう。

「その方法なら知っている」で終わりにせずに、実践した人が結果を手にできます。
努力するあなたを応援しています!