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この会社の人材戦略

ジオ・サーチ株式会社社長 冨田 洋氏に聞く

ジオ・サーチ株式会社社長 冨田 洋氏に聞く

意識の高まりで注目されるインフラの総点検と修繕。
人命と暮らしを守る人材を求める

東日本大震災以降、日増しに自治体の間で防災意識が高まっている。そんな中で、高速道や道路、港湾などで「頼れるインフラの内科医」として見えない地中・構造物内部の危険を発見する専門会社のジオ・サーチ冨田洋社長に今後の人材戦略を聞きました。
(編集部 鈴木)

相次ぐ調査依頼 現在の事業と人材について教えてください

冨田 洋氏

 「ジオ・サーチは、老朽化が進むインフラの内科医として独自の透視技術を持つ会社です。マイクロ波とコンピューターを搭載した探査車を時速60キロメートルで走行させながら、見えない路面下空洞、埋設物、橋梁劣化箇所を正確に把握できます。2011年3月の東日本大震災や最近では、山梨県の中央道・笹子トンネルで天井板が崩落した事故などで、防災や危機管理への意識が高まり、国や全国の自治体などから調査依頼が相次いでいる状態で人手が足りない。中途や新卒採用で補うつもりです。従業員数は約110人ですが、これからフィールドエンジニアを20人、システムエンジニア2〜3人くらいを増やす計画です」

論文発表できる環境どんな人材を求めていますか?

 「当社は公共インフラの内科医を自認しています。人の役に立ちたい、人の命と暮らしを守りたいと強く思う使命感がある人材に応募してほしい。消防署やER(緊急救命室)で働きたい人の動機に似ていますから、普通の事業会社とは、少し違い、売り上げや利益ばかりを追求はしていません。

 防災・減災のために既存のやり方、システム、社会を変えていく気概のある方を求めます。これまで阪神大震災以降は、国・自治体の要請で震災後の緊急調査には必ず出動しています。その結果、これまで判らなかった地中の変状やインフラの劣化状況などが判明し、社員にはその結果を広く社会に伝えるために論文発表を奨励し、多数の論文を学会で発表しています」

増やしたいフィールドエンジニア 会社内での職種別にどんな仕事になるのですか?

道路探査による全国各地の分析結果を説明。数多くの陥没が見つかった。
インフラ点検の意義を説く冨田社長。

 「まずフィールドエンジニアと呼ばれる現地調査に携わる人材です。社員の6割以上を占めます。特殊車両に改造した探査車などを使いながら全国各地でデータを収集分析します。

 そのほかにSE(システムエンジニア)、事務管理、事業企画担当者がいます。現在の状況からフィールドエンジニアを中心に相当数の求人を計画しています。求人の特徴として、全国の自治体から依頼があるため、地域に根差した人材の採用に力を入れています。それと、社会貢献を意識した女性からの応募も増えています。社会のためになり、論文発表等で学術的にも認められるやりがいのある会社だと思っています。そのほか資格取得では、30万円支給する技術士などで報奨金制度があります」

早期に人材を育てたい人材面について悩みはありますか?

 「現在、スケルカーと呼ぶ探査車は14台を配備し、さらに増強する予定です。人材の確保、特に橋梁分野のエンジニアの補強が急務です。将来的には、海外進出の可能性もあります。その夢を実現するためにも、全国の各拠点で核になる人材を増やしたい。率先して自ら行動できるような中途の人材も含めて、「インフラの内科医」を早期に育てることが重要だと思っています」

冨田 洋氏

ジオ・サーチ株式会社 代表取締役社長

冨田 洋氏

慶應義塾大学工学部卒業後、三井海洋開発入社。同社の米国駐在員時代、電波による構造物の非破壊検査を社内ベンチャーとして提案する。会社の解散に伴う事業譲渡により、1989年1月1日、ジオ・サーチ株式会社を設立。1990年、世界初となる「路面下空洞探査システム」(ニュービジネス大賞優秀賞受賞)を開発、実用化に成功。2012年、世界初の走るCTスキャン「スケルカ」が東京都ベンチャー技術大賞特別賞受賞。世界的起業家を対象にした「アントレプレナー・オブ・ザ・イヤー」"EOY 2012 Japan"にて特別賞に選ばれた。

従業員数 110人(社員数 約80人)
本社・東京事務所 〒144-0051 東京都大田区西蒲田8-15-12
国内内拠点 北海道、東北、東京、中部、大阪、岡山、福岡の全国7カ所

(本文中 肩書き、会社データは2012年12月現在)