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おとなのキャリアデザイン講座

第6回「どうすれば『主体的なビジネスパーソン』になれるのか」論

第6回「どうすれば『主体的なビジネスパーソン』になれるのか」論

 本当にこの仕事が自分に合ってるのだろうか……。なかなかチャンスが回ってこないのに、このままこの会社にいても良いのか……。先が見えないキャリアへの不安を持っている方へ。これまで400社・5万人に対して営業力強化やリーダーシップ開発などの実践的指導を手がけてきた人材開発のプロである鳥居さんが、悩めるビジネスパーソンたちにキャリアデザインのヒントを講義します。今回が最終回です。

profile

鳥居勝幸(とりい・かつゆき)

サイコム・ブレインズ株式会社、取締役会長

マネジャーのリーダーシップ強化や組織的な営業力強化を主たるテーマに、講師、執筆、コンサルティングを行っている。富士ゼロックス(株)と(株)リクルートに勤務の後ブレインズを設立し起業。2010年よりサイコム・ブレインズ(株)の取締役会長に就任。主な著書として、『そろそろしゃべるのをおやめなさい』(東京ファイナンシャルプランナーズ)、『段取り八分の仕事術』(中経出版)、『ライバルに勝つ営業テク』(日経産業新聞連載)、『部長のためのリーダーシップ』(日経産業新聞連載)など。新刊として『営業大全』(2016年10月発売 日本経営合理化協会出版局)など。


■サイコム・ブレインズのホームページ
https://www.cicombrains.com/


会社が入社してくる人材に求めるものは、各業界・各職種のスキルはもちろん、それ以外の共通項でいうと「主体性」です。たとえ業界経験に乏しい人でも、主体性さえあれば戦力になると見込んで採用することがあります。例えば海外勤務経験がない人でも、この人はやがてグローバルで活躍できるだろうと踏めばラブコールします。

とくに中途採用で入社する方には、主体性が欠かせないでしょう。新卒のように手厚い研修が用意されているとは限らず、業務面でも手取り足取りというわけにはいきません。主体性に欠ける人は、下手をすると放っておかれるケースもあるかもしれません。
それは、皆、その人のことを「成果を追い求めている」などと認識していて、「わからないことがあれば聞いてくるだろう」と思っています。みんな自分の仕事にいそしんでいるので、いつも見てくれているわけではありません。自分から接近していかない人は、いつの間にか人々の視界からはずれてしまうということも考えられます。
では、主体性とは具体的にどのような行為として具現化されるのでしょうか。基本姿勢として、まず自分からコミュニケーションを取ることが大切です。入社して半年、1年と、意識してそれを続けます。当たり前の何でもないことのようですが、慣れない職場で黙々と仕事をこなす日々の中、つい内にこもってしまうこともあるものです。

職場では、何気ない雑談も結構ですが、意味のある会話が必要です。それには3つの要素が入ったコミュニケーショが大切です。①質問すること・理解すること、②主張すること・提案すること、③合意すること・約束すること。私はこれを、①Understand、②Propose、③Agreeの頭文字を取って「UPA」と覚えることをお勧めしています。1対1で行う10分間の会話でも、1時間のチームミーティングでも、UPAの3要素が入った会話を心がけることで、主体性を持った自分になれると思います。

「転職したら心機一転、新しい自分になろう」と思うことは、誰もが思うことでしょう。しかし人は急に変われるわけではありません。仮に「いつか転職するかもしれない」と思ってはいるがすぐに予定がない人でも、今いる会社で明日から主体的にコミュニケーションを取ることはきっとキャリアの役に立つはずです。何事も訓練です。上司、後輩、他部署、顧客……、話し合うべき相手には事欠かないでしょう。相手とどのようなUPAで話すかを計画し、果敢にアプローチしてみてはいかがでしょうか。理想の自分には、なろうとしないとなれないのです。