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おとなのキャリアデザイン講座

第4回「これからの時代に必要とされる『経験』とは何か」論

第4回「これからの時代に必要とされる『経験』とは何か」論

 本当にこの仕事が自分に合ってるのだろうか……。なかなかチャンスが回ってこないのに、このままこの会社にいても良いのか……。先が見えないキャリアへの不安を持っている方へ。これまで400社・5万人に対して営業力強化やリーダーシップ開発などの実践的指導を手がけてきた人材開発のプロである鳥居さんが、悩めるビジネスパーソンたちにキャリアデザインのヒントを講義します。

profile

鳥居勝幸(とりい・かつゆき)

サイコム・ブレインズ株式会社、取締役会長

マネジャーのリーダーシップ強化や組織的な営業力強化を主たるテーマに、講師、執筆、コンサルティングを行っている。富士ゼロックス(株)と(株)リクルートに勤務の後ブレインズを設立し起業。2010年よりサイコム・ブレインズ(株)の取締役会長に就任。主な著書として、『そろそろしゃべるのをおやめなさい』(東京ファイナンシャルプランナーズ)、『段取り八分の仕事術』(中経出版)、『ライバルに勝つ営業テク』(日経産業新聞連載)、『部長のためのリーダーシップ』(日経産業新聞連載)など。新刊として『営業大全』(2016年10月発売 日本経営合理化協会出版局)など。


■サイコム・ブレインズのホームページ
https://www.cicombrains.com/


いつの時代も、「企業が欲しい人材」とは、ただ単に実務経験があるだけではなく、企業が抱える課題を解決するために戦力となる人材です。では今の企業が抱えている課題とは何でしょうか。
私は色々なクライアント企業とお付き合いをしていますが、どこに行っても「変革」という言葉が出てきます。今までのやり方を踏襲するだけでは企業は衰退してしまいます。この変化の時代、自ら変わっていかなければなりません。変革を推進した経験のある人や、変革の中に当事者として身を置いたことのある人は、企業が求める人材に合致している可能性が高いでしょう。もし転職を考えるなら、自らの経験を棚卸しして面接で話せるようにしておく必要があります。

経験学習と組織学習などを研究テーマにしている北海道大学大学院経済学研究科の松尾睦教授は、ビジネスパーソンが成長するため3つの経験が必要と唱えています。それは「変革に参加した経験」「部門を越えた連携の経験」、そして「部下育成の経験」です。まさに企業が求める人材ともマッチしていると思います。

最近、企業研修を担当していて思うのは、部門間連携がうまくいかないと悩んでいるマネジャーが多いことです。背景には、自部門だけでは解決しない、より高度でより戦略的な課題に取り組んでいるということがあります。「自分のところだけが良ければいい」といった狭量なマネジャーでは通用しない時代になっているのです。マネジャーになる前から、自分から他部門に接触していくような姿勢を育むことが必要です。

「部下育成」も企業において大変重要な課題となっています。最近のマネジャーはほとんどがプレーヤーとしてのミッションも担っていますから、部下を教える時間がなかなか取れません。さらに上司も部下も残業を減らそうとしていますから、ますます育成の時間がありません。しかし、そのような中でも、部下や後輩をほったらかしにしないで育てようとする人こそ、企業に必要とされる人材です。さて、この3つの経験ですが、役割を与えられるのを待っているよりも、自分から機会をつくってチャレンジしてみてはどうでしょうか。