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おとなのキャリアデザイン講座

第3回「一生モノのネットワーキングをつかむ30代の出会い」論

第3回「一生モノのネットワーキングをつかむ30代の出会い」論

 本当にこの仕事が自分に合ってるのだろうか……。なかなかチャンスが回ってこないのに、このままこの会社にいても良いのか……。先が見えないキャリアへの不安を持っている方へ。これまで400社・5万人に対して営業力強化やリーダーシップ開発などの実践的指導を手がけてきた人材開発のプロである鳥居さんが、悩めるビジネスパーソンたちにキャリアデザインのヒントを講義します。

profile

鳥居勝幸(とりい・かつゆき)

サイコム・ブレインズ株式会社、取締役会長

マネジャーのリーダーシップ強化や組織的な営業力強化を主たるテーマに、講師、執筆、コンサルティングを行っている。富士ゼロックス(株)と(株)リクルートに勤務の後ブレインズを設立し起業。2010年よりサイコム・ブレインズ(株)の取締役会長に就任。主な著書として、『そろそろしゃべるのをおやめなさい』(東京ファイナンシャルプランナーズ)、『段取り八分の仕事術』(中経出版)、『ライバルに勝つ営業テク』(日経産業新聞連載)、『部長のためのリーダーシップ』(日経産業新聞連載)など。新刊として『営業大全』(2016年10月発売 日本経営合理化協会出版局)など。


■サイコム・ブレインズのホームページ
https://www.cicombrains.com/


世の経営者は自分のネットワーキングを大切にしています。その人脈は、経営者になってから手にしたのではなく、10年も20年も前から信頼を築いてきたものです。世界的に大成功したアメリカの経営者は、成功のキッカケとなった仲間との出会いが10代から20代初めだったという話も聞きます。それはかなり若いタイミングだと言えますが、ここではもう少し一般的に30代の出会いについて考えてみたいと思います。

30代というのは社会に出て約10年、経験も実績も積んできた頃です。しかし立場上のシガラミはまだなく、行動力にものを言わせて自由に泳ぎ回り、様々な人との出会いをつくれます。20代では相手にしてくれなかった各界の大人達とも話せるようになるでしょう。この充実したタイミングで人脈をつくるかつくらないかは自分次第です。同時に30代は、ビジネスパーソンとして今後どのような道を歩むのかと考える時期でもあるでしょう。だからこそ人との出会いと対話が大切だと思います。

ネットワーキングでは同質の仲間とつるまないことが肝心です。社会学者のマーク・グラノヴェッターは、自分と同類のバックグラウンドの人たちは同じような考え方をするため、価値ある助言が得られにくいとしました。反対に、異質なコミュニティーに属する人たちや、とくに親しくもない人たちは、ある種の無責任な思いもよらない助言をくれたりします。グラノヴェッターは、そのような弱い結びつきの関係をウイークタイズと名付け、その有益性を強調しました。

どこで人脈をつくるかは人によるでしょう。私の場合は20代のほとんどを企業の営業担当として過ごしました。一番の関心は短期的な業績をとことん上げることでした。担当エリアや顧客は会社から与えられ、ときには異動がありました。だからその頃の顧客と末永く付き合うということはありませんでした。その後30代に会社を設立し、顧客を開拓していきました。そして一部の顧客と話すときに、「この人と一生付き合うかもしれない」と思うようになりました。彼らとはベタベタした関係ではなく、年に2、3回しか会わないような相手ばかりでした。主に30代中頃から40代初めにかけて出会った顧客、あるいは顧客の紹介で出会った彼らは、やがて事業の大切なパートナーになり、今に至っています。