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おとなのキャリアデザイン講座

第1回 「『収入が増える』という理由だけでキャリアチェンジするのは良いのか」論。

第1回 「『収入が増える』という理由だけでキャリアチェンジするのは良いのか」論。

 本当にこの仕事が自分に合ってるのだろうか……。なかなかチャンスが回ってこないのに、このままこの会社にいても良いのか……。先が見えないキャリアへの不安を持っている方へ。これまで400社・5万人に対して営業力強化やリーダーシップ開発などの実践的指導を手がけてきた人材開発のプロである鳥居さんが、悩めるビジネスパーソンたちにキャリアデザインのヒントを講義します。

profile

鳥居勝幸(とりい・かつゆき)

サイコム・ブレインズ株式会社、取締役会長

マネジャーのリーダーシップ強化や組織的な営業力強化を主たるテーマに、講師、執筆、コンサルティングを行っている。富士ゼロックス(株)と(株)リクルートに勤務の後ブレインズを設立し起業。2010年よりサイコム・ブレインズ(株)の取締役会長に就任。主な著書として、『そろそろしゃべるのをおやめなさい』(東京ファイナンシャルプランナーズ)、『段取り八分の仕事術』(中経出版)、『ライバルに勝つ営業テク』(日経産業新聞連載)、『部長のためのリーダーシップ』(日経産業新聞連載)など。新刊として『営業大全』(2016年10月発売 日本経営合理化協会出版局)など。


■サイコム・ブレインズのホームページ
https://www.cicombrains.com/


 私はかつて二度仕事を変えましたが、収入アップを狙って転職した覚えがありません。
一度目の転職では初年度の年収が約15%下がり、2度目は起業だったのですが、同じく初年度は約25%下がりました。それは20代後半から30代にかけてのことで、決して小さな金額ではなかったと思います。当時、この話を人にすると「バカじゃないのか」「もったいない」などと言われたものです。そのときは、収入のことは置いておいて、「どうやったら自分がしたい仕事が出来るようになるのだろう」と考えていました。

 私は自分がいた会社が好きでしたから、長くそこにいたいという考えもありました。一方で、転職して挑戦したいという気持ちもありました。選択肢があるというのはいいことです。「豊かさ」とは、お金をたくさんもらうことではなく、選択肢を手にしている状態にあることをいうのだと思います。そこにいるのも去るのも、それを自分が選べるというのは豊かです。もっとも、今いる場所で努力して成果を出していなければ、本当の意味での選択肢を得ることはできません。大切なのは、何年か後のキャリアの選択肢は、今のがんばりにかかっている、ということです。

 人が仕事を選ぶときに収入が気になるのは仕方のないことでしょう。しかし、目先の条件だけで進路を狭めてしまうのは少し待ってと思います。今が自分を高く売るチャンスとばかりに焦って動いてしまったり、自分の価値観と合わない仕事だけど高収入のために我慢してストレスをため込んでしまったりした場合、果たしてそれがあなたの人生を「豊か」にするものなのかどうか。このあたりは考えどころですね。

 では、収入が上がらないまま我慢するのか?そんなことはありません。ビジネスパーソンであれ事業主であれ、一緒に仕事をしている人や組織が自分の貢献を認めてくれていたら、収入は時間とともに増えていくことでしょう。