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ビジネスで役立つ!ことばのお作法

第3回 面接編 空間に構成を浮かべる

第3回 面接編 空間に構成を浮かべる

プロフィール
山田敏弘(やまだ・としひろ)岐阜大学教育学部シニア教授(専門:日本語学・方言学)
1965年岐阜県生まれ。名古屋大学卒。名古屋大学大学院博士課程前期課程修了。大阪大学大学院博士課程前期課程を経て博士取得(文学)。国際交流基金派遣日本語教育専門家としてローマ日本文化会館で勤務経験を持つ。著書は「国語を教える文法の底力」「国語教師が知っておきたい日本語文法」(くろしお出版)、「日本語のしくみ」(白水社)、「日本語のベネファクティブ」(明治書院)、「その一言が余計です。」(ちくま新書)、「あの歌詞は、なぜ心に残るのか」(祥伝社新書)など。

事例 アイコン

「あなたのセールスポイントをおっしゃってください」
「CADが得意です。作業工程のアニメーション化もやったことがあり、あと、最近では3Dプリンタのデータも手がけたことがあります。あと……」

 複数の事物を列挙する場合、全体像を示してから個別に話す「トップダウン型」と、具体的な事物を順に挙げていく「ボトムアップ型」のどちらかで話します。
 例に示した面接者の話し方はボトムアップ型です。最初に挙げたCAD(コンピューターによる設計)が第一の特技であることはわかりますが、どこまでの能力を持っているか全体像は伝わりません。
 しかも、こういう話し方をする人は、往々にしてまとめることを忘れます。ボトムアップ型であっても、最後に「このように、コンピュータを用いた設計が私の得意なところです」と総括すれば、聞き手の理解も進みます。まとめることで、述べたいことの全容が理解できるようになるのです。

 話し言葉は、すぐに消えてしまいます。プレゼンテーションでは配布物やスライドに頼ることができても、面接で頼りになるのは声だけといっても過言ではありません。
 こういうときは「セールスポイントは3点です」と指で示してから、一本ずつ折りながら、「まず(もしくは1つ目は)、CADです」と始めましょう。結婚披露宴での花嫁に向けたほめ言葉として遣われていた「三国一の花嫁」(三国とは日本、中国、インド=全世界)のたとえどおり、「三」は「すべて」を表す数。全体の具体例として面接をする人の眼前に示されます。
 このようなトップダウン型話法に、先に述べた総括を組み合わせれば、話の内容はよりよく聞き手に届くでしょう。

話の全体像が伝わるよう、
トップダウン型で伝えましょう。