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金融人材のゆくえ

2013年後半-2014年前半見通し

2013年後半-2014年前半見通し

エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ 代表 小溝 勝信氏

株式引受・IPOは望み薄か

2013年前半の世界の株式発行額は33.2兆円で、前年同期比63.5%の大幅増でした(Thomson Reuter調べ)。中でも日本市場の回復は顕著で、前年同期比約4.7倍の2.7兆円。IPOでは今後、リクルートホールディングス、ジャパンディスプレイ、西武ホールディングス、日興アセットマネジメントの上場が予定されており、IPOが株式市場を活性化させると期待されています。


人材需要 →×

活況な株式引受にも関わらず、外資系投資銀行の株式資本市場部での人材の採用はほとんど見られなかったので今後の求人は薄いでしょう。


プライベート・エクイティ(PE)

日本の株価の回復と企業収益の拡大基調を背景に、日本でもPEが動き出したようです。海外の大手PEも日本市場に注目しつつあり、一部では日本法人でシニア人材を確保し、組織を強化していた。また、一部のPEは若手も採用を開始しています。

しかし多くのPEは、2006年から2007年に設定されたファンドの投資を終えておらず、投資済み案件のエグジットも容易ではないため、採用にやや慎重です。採用がある場合には応募者が殺到するが、ハードルは極めて高いとのこと。採用の対象は、投資銀行系(M&A)より戦略コンサルティング系の若手です。日本市場でのPEは2000年前後に始まったが、当初は買収から始まるため、M&A系の人材が採用されていました。しかし現在ではPE人材が育っており、また、PEの役割は投資に留まらず、その後のビジネスモデルの構築や戦略の策定・執行であるから、M&Aやファイナンスを主たる業務とする投資銀行とは違います。従って、投資銀行の多くの若手がPEへの転進を希望するが、必ずしも受け入れられないことが多いといえそうです。


人材需要→△

一部の金融機関の求人はあるでしょう。

不動産投資

株価の上昇に合わせ日本の不動産市場も活況を呈し、リーマンショック以降下落を続けていた商業地や住宅地の地価は下げ止まりつつあります。1-5月の商業用不動産取引額は約1.5兆円に達し、年間では3.5兆円程度になるとのこと。これは前年比75%の増加で2008年以来最大になります。

しかし実際には、不動産投資ファンド、特にコア・ファンド系は投資に慎重です。コア・ファンドは、短期的な地価の上昇を見て投資するのではなく、不動産価格が安定的に上昇し、賃貸料の値上がりを確認してから投資します。従って、人材採用は一部のオポチュニスティック・ファンドを除いて行われていません。市場では膨大な数の不動産関連のプロたちが現場復帰を願って待機しています。


人材需要→△

一部の金融機関の求人はあるでしょう。ただしハードルは高いといえるかもしれません。