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金融人材のゆくえ

2013年後半-2014年前半見通し

2013年後半-2014年前半見通し

エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ 代表 小溝 勝信氏

2013年10月から2014年3月までの金融人材の求人について、エグゼクティブ・サーチ・パートナーズの小溝 勝信代表に聞きました。

若手の採用を増やす動きに

<2013年10月〜2014年3月 事業別求人の見通し>
◎求人・強い ○求人・やや強い
△ほどほどにある ×求人・ほとんどない
1.M&Aビジネス
2.プライベート・エクイティ(PE)
3.不動産関連
4.債券ビジネス
5.コモディティ×
6.株式関連
7.ヘッジファンド×
8.プライベート・バンク(PB)×
9.資産運用
10.投資銀行ビジネス×

2013年前半での外資系金融ビジネス別の人材需給の状況は下記の通りです。 結論から言えば、この期間に外資系金融機関で人材採用が活発にみられたのは、クロスボーダーM&Aの若手向けと資産運用ビジネスでした。国内は アベノミクス効果により、日経平均株価は急上昇した場面も見られ、日本投資への見直しが続き、金融ビジネスは活況を呈しています。

一方、米国における金融機関の4-6月の決算は、各社とも前年同期比大幅な増収・増益でした。その内投資銀行部門も、企業の積極的な資金調達や活発な株式・債券取引により好業績となっています。こうした背景から、国内・外資系金融人材への求人が期待されます。それでは、2013年前半の求人実績を振り返りながら、今後、日本経済の力強さが続くと仮定して、上記に事業別の求人案件を予想しました。

期待されるM&Aビジネス

2013年前半で日本企業が関係するM&Aは4.4兆円の低水準で、前年同期比約3割の減少でした。案件数も1,242件で、2005年以降の最低件数でした(公表ベース、Thomson Reuter調べ)。特にクロスボーダー案件は1.4兆円で、前年同期比57%の大幅減少となりました。M&Aの減少は急激な円安にも起因していると考えられます。


人材需要→◎

しかしながらM&Aのプロによれば、M&Aは企業の経営戦略に基づくものであり、グローバル化は日本企業にとって「帰らざる河の流れ」であるから、引き続き堅調に推移するとのこと。 また、日本経済新聞社の主要企業に対するアンケートでは、約3割の企業が2013年度中のM&Aを検討していると回答しています。上場企業が抱える70兆円もの手元資金の活用が求められるからでしょう。M&A関連の人材需要は強かったと思います。ただし、外資系などが中心であり、日本の証券会社では目立った外部採用はみられませんでした。人材需要は、M&A関連は今後も拡大すると見られ、二重丸を付けました。

債券ビジネスでは求人も

日銀の金融緩和政策による低金利水準の下で、多くの企業が長期資金の調達を急いでいる。2013年前半での円債総合発行額は9.3兆円で、前年同期比0.9%の微減であったものの、前四半期比では59.7%増加しました。


人材需要→△

2013年前半、外資系金融機関での採用は、一部を除いてほとんど見られませんでした。しかも前回報告の通り、欧州金融機関が日本での債券引受業務から撤退・縮小しています。 外債の発行需要も旺盛のようであったが、採用の動きはドル債をマザーマーケット商品とする米国投資銀行でも見られませんでした。一方、一部の日本の大手証券会社が米国債引受の経験者を探していました。 外資ではなく国内金融なら可能性はあるでしょう。

小溝 勝信氏

小溝 勝信(こみぞ かつのぶ)

住友銀行(現三井住友銀行)を経て、ファーストシカゴ銀行東京支店の事業法人部長に就任。その後米国大手ファームのホイットニー・グループ日本支社に入社、副支社長。2004年、エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ株式会社を設立。同社代表。NPO法人「金融人材市場の改革を進める会」副理事長。