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金融人材のゆくえ

2011年下期見通し

2011年下期見通し

5カ国語を操る金融プロがアドバイス
グローバルに活躍できる金融人材とは?

私はオーストリアで生まれ、インスブルック大学を卒業するまでいました。その後、日本の大学へ留学して慶応義塾大学MBAを修了しました。私はコーポレートファイナンスを深く勉強し、欧州系金融などで経験を積みました。言葉は、オーストリアの母国語であるドイツ語、地元の学校で習った英語、フランス語、スペイン語、それと来日して学んだ日本語の5カ国語が話せます。

日本人は英語を習得するのに大変苦労されていると思います。しかし、私の周りでは、5カ国語を話せることは珍しくありません。特に私の父は言葉を覚えるのが趣味のような人で8カ国語を話せました。現在、私には日本人の妻と日本の公立小学校に通う7歳の娘がいますが、家庭ではドイツ語を使っています。でも、それは不自然なことではありません。

日本人の大学生の就職時期はみんな同じように大学卒業後すぐにしますが、もっと自由であっていいと思います。私は20代後半で就職しました。また、日本人と一緒に学んだときに感じたことは、学生も社会人も日本人はとても恥ずかしがり屋が多いと思います。もっと積極的に意見を述べていいのではないでしょうか。

外資系金融についての就職や転職は、むずかしいです。日本での人材募集は、新卒では職種別採用の区別が少なく競争が厳しいです。しかし、中途採用での人材確保ではアジアでは香港、シンガポールの台頭が著しいと思います。その理由の一つとして日本にあるヘッドクウォ−ターでは、英語が十分に通じないため、 東京から外資が逃げ出しているといわれています。語学力は金融業界では大切です。語学修得には努力も大切ですが、周囲の環境にも影響されやすいと思います。

また金融の中でCFA資格というものがあります。この資格は英語でチャレンジできる国際アナリスト資格ですから、転職でもグローバルに活躍するには役立つ資格だと思います。この比較的難関の国際資格を取ったことで私はブラジルやチリなどの南米、また中東やアジアのファンドの経営層との人脈を築くことができました。

日本のCFA受検者も今年は、昨年比で1割増えましたが、韓国は日本の4倍もチャレンジする人が多くいるのも事実です。これから金融で生き残るには、語学力や資格を生かしてアジアでの競争で勝てる人材に育つことが、大切なことだと思います。

アレクサンダー・フラッチャー氏

アレクサンダー・フラッチャー氏 CFA
(Alexander Flatscher)

日本CFA協会副会長

オーストリア出身。インスブルック大学卒業後、一橋大研究生を経て、慶応義塾大学MBA修了。ドレスナー・クラインオート・ワッサースタイン証券、ガバナンスメトリクス・インターナショナル(GMI)社を経て、ヘッジファンド等金融業界で活動中。 著書「コーポレートガバナンスの評価に基づいた投資のすすめ」(東洋経済新報社)がある。