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金融人材のゆくえ

2011年上期見通し

2011年上期見通し

エグゼクティブ・サーチ・パートナーズ 代表 小溝 勝信氏

金融業界の転職に詳しいエグゼクティブ・サーチ・パートナーズの小溝勝信氏が今年上半期の求人動向について報告します。

金融ビジネス別の人材需要について

<2011年3月〜9月 事業別求人の見通し>
◎求人・強い ○求人・やや強い ×求人・ほとんどない
1.投資銀行ビジネス
2.プライベート・エクイティ(PE)×
3.不動産関連×
4.債券ビジネス
5.コモディティ×
6.株式関連
7.ヘッジファンド○/プロップ→×
8.プライベート・バンク(PB)
9.資産運用

<上記表の解説>

◎印は8のプライベート・バンク、9の資産運用で非常に強い求人を見込む。○印のやや強い求人需要は投資銀行ビジネス、債券ビジネス、株式関連、ヘッジファンド。×印で求人がほとんどないのは、プライベート・エクイティ、不動産関連、コモディティ、プロップ。

地震による影響は不透明だが、M&A関連、資産運用、
プライベート・バンク向けプロに人材需要

3月11日の大地震発生以来、外資系金融機関では、欧州系の外国人が東京から大阪や香港に大挙して移動したり、母国に一時避難したりしています。米系ではそれほど目立った動きはありません。今後、外資系金融機関の日本に対するコミットメントに変化を与えるのか、まだ判断できない状態ですが、震災後、外国人による日本投資も積極的なので必ずしも大きなマイナス材料にはならないかもしれません。

2011年上期人材需要を見ますと、M&A関連では求人需要が強いといえます。ただし、ただし国内の適応できる人材は少ないのが実情です。特に問題になるのは、語学力といえます。また資産運用の人材需要は35%と最大です。しかし、件数は多いのですが、必ずしも強い求人需要を意味しないかもしれません。というのはM&A関連同様にハードルが高くなっているからです。 「富裕層ビジネス(プライベート・バンク/リテール)」は、「人材需要」での構成比は10%に過ぎないですが、実際には人材需要が強く見えます。これは、適格な候補者のサーチが難しいため、数字として顕在化していないことによります。

プライベート・エクイティ、ヘッジファンドは今後に期待

また、プライベート・エクイティやヘッジファンドへの「人材需要」はまだ回復していない状態なので、今後に期待します。「グローバル・マーケッツ(債券、為替、クレジット、コモディティ、株式、それぞれのデリバティブ、調査や格付けを含む)」は、「人材需要」での構成比は17%にとどまります。

金融人材需要数 (2011年上期見通し)

人材需要の見通し

資産運用…35%企業金融…31%グロ-バル・マーケッツ…17%プライベートバンク/リテール…10%プライベートエクイティ…1%ヘッジファンド…2%
<グラフの解説>

多くの外資系金融機関や日本の金融機関から人材紹介の依頼を受けており、現時点(2011年1月)でのポジション数106件を全体の「人材需要数」としてグラフにした。

<求人需要>

金融プロダクト別では、資産運用35%、企業金融31%、グローバル・マーケッツ17%、プライベートバンク・/リテール10%、ヘッジファンド2%の順になる。

為替、不動産系人材は厳しい

グローバル・マーケットでは、多くのプロフェッショナル人材は、いまだに自宅待機している状態が多いです。内訳では金利・為替系のプロが最多となっています。 「企業金融(外資系の投資銀行ビジネス、商業銀行ビジネス、不動産等の証券化を含む)」の「人材需要」の構成比は31%でした。また現在、不動産関連(証券化も含む)の金融プロへの需要はほとんどありません。

年齢別のミスマッチ

「実質失業者」を年齢別にみると、45歳以上が構成比で47%と、ほぼ半分を占めています。また40歳以上では69%にもなります。現在の金融人材市場では40歳以上の転職は難しいことが分かります。

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