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成功も失敗も自分の糧に!しなやかなキャリアの描き方

成功も失敗も自分の糧に!しなやかなキャリアの描き方

 「WOMAN EXPO TOKYO 2018 winter」が、東京ミッドタウンで2日間にわたって開催された。さまざまな企業で女性リーダーとして活躍する3名のパネリストによるリアルトークイベント「成功も失敗も自分の糧に!しなやかなキャリアの描き方」は、仕事術やライフワークバランスなどをテーマにトークを展開。多くの女性の共感を呼ぶセッションとなった。

 パネリスト紹介 

大塚 愛美

株式会社ECC
ECCジュニア事業部
横浜センター センター長

大塚 愛美

関西外国語大学外国語学部 英米語学科卒業後、ECCに入社。
神戸センターに1年、横浜センターに2年、高崎センターに2年勤務したのち、
横浜センターにてセンター長に就任。
業務内容は、ホームティーチャーと呼ばれるECCジュニアの教室運営者への教授研修や運営面のサポートなど、多岐にわたる。

今野 愛美

アビームコンサルティング株式会社
P&T Digitalビジネスユニット
FMCセクター マネージャー

今野 愛美

2006年に中央大学大学院修士課程を修了後、新卒でアビームコンサルティングに入社。
FMCセクターに所属し、会計財務および経営管理を中心に業務改善、リスクマネジメント、チェンジマネジメントのスペシャリストとして幅広く活躍。
16年6月に同セクターで新サービスの企画立ち上げを担い、リサーチから商品開発、コンサルティングまで手がけている。

前田 通子

株式会社日本HP
執行役員
パートナー営業副本部長

前田 通子

コンパックコンピュータに入社後、会社が複数の合併を繰り返し、2002年にヒューレット・パッカード社(以降日本HP)と合併。
2005年に日本HP初の女性本部長に就任。2015年に一度退職するまでは、コンパック・HPで内勤営業、受注・納期管理などを扱う業務、顧客データ管理、システム管理・運営、コールセンター運営などに携わり、2017年4月に縁があって株式会社日本HPに戻ってからは、営業企画本部、パートナー営業統括に所属し、間接販売営業組織において管理職として現職につく。

 モデレーター 

金澤 悦子

株式会社はぴきゃり
代表取締役

金澤 悦子

人材関連会社2社を経て、2005年に独立し株式会社はぴきゃりを設立。
働く女性のためのキャリアの学校「はぴきゃりアカデミー」を運営。
統計心理学を使ったオリジナルメソッドにより「ココロとサイフが満たされる仕事発見」を支援。
著書に「ハッピーキャリアのつくりかた」(ダイヤモンド社)
『働くママの仕事術』(かんき出版))
『人見知りでも「人脈が広がる」ささやかな習慣』(実務教育出版)など。)

トークセッション

まずは目の前の仕事をこなすこと
その積み重ねが成長につながる

金澤 皆さんのご経歴や現在の仕事内容などをお聞かせください。

大塚 2013年4月に新卒採用でECCに入社し、現在はECCジュニア事業部に所属しています。ECCジュニアは北海道から沖縄まで全国で英語教育の教室を展開しており、そこで活躍いただいているのがホームティーチャーの先生方です。私たちが担う業務は、教室開設の説明会の実施や教室立ち上げのための現地ヘルプなど、ホームティーチャーの先生方のお仕事のサポートがメインになります。また、センターやスタッフの管理、マネジメントも私の仕事です。まだまだ不慣れなことが多く、毎日が怒涛のように過ぎ去っている状況ですが、今のこの経験を踏まえて部下の育成をしていくというミッションがあるので、日々自分にできることは何かを考えながら奮闘しています。

今野 アビームコンサルティングは日本に本社を置くコンサルティングファームで、現在約5000名のコンサルタントが所属しています。私は今マネージャーという立場にあり、弊社では管理職の第一歩目というランクです。さまざまな案件の責任者や、自社の組織の運営を担うほか、新サービスの開発もやらせていただいています。今日は色々な体験を通じてお話をさせていただければと思っています。

前田 日本HPは2016年に分社をしていますが、私はその少し前に一度退職しておりまして、約1年半前に戻ってきました。日本HPの前身であるコンパックコンピュータに入社してから、営業の内勤や業務、コールセンターの移管に伴う問題の解決などさまざまな仕事を経験してきましたが、そのおかげで「自分ができること、できる範囲、いつまでにやるのか」という思考を、若い頃から身に付けることができたと思っています。今はパートナー営業の副統括として、北海道から沖縄までのエリアを担当しています。

金澤 本日は3つの大きなテーマを設けています。最初に、皆さんは現在のキャリアをどのように作って来られたのでしょうか。今の自分は、昔思い描いていた通りの自分になっていますか?それとも全然違いますか?

前田 全然違うというよりも、若い頃は先のことはまず考えていなかったので、そういう意味でのギャップはあります。まだキャリアが浅いときはとにかく与えられた仕事を断らない。やらなきゃいけない仕事はどんどん増えていくけど、それがすべて知識になると思ってとにかく仕事をこなしていました。今になって思うのは、やっぱりキャリアアップして権限のある立場になると仕事がやりやすいということです。

今野 私も明確なキャリアパスを思い描いていたわけではなく、ぼんやりと「ヒールをはいて海外に行くような、カッコイイ働く女性になれたらいいな」くらいのイメージしかなかったです。まずは会社でやれることを一通りやってみて、その中から自分の好きなことやフィットしそうなことを少しずつ選んでいけたらいいかなと思いました。

大塚 元々、教育の分野で仕事がしたいと思っていたので、今の会社に入社できたことはイメージ通りでした。でもまさかその延長線上で、責任ある立場になれるとは全く思っていなかったです。女性は管理職へのステップアップを断られる方が多いと聞きますが、私もそのひとりでした。一度はお断りしましたが、基本的にはポジティブにお仕事に取り組みたいと思っているので、やっぱり思い直して、そう言っていただけるのであれば自分に何ができるのかやってみようと考えて今の役職に就きました。

金澤 まずは目の前のことをやってみて、そこで生まれた課題をひとつずつ解決していく。その繰り返しによって成長した結果が、皆さんの今の姿なのかもしれませんね。冷や汗が出るような失敗やピンチの経験は?

大塚 基本的には何とかなるっていうスタンスでやってきたのですが、入社1年目のときに今では考えられないミスをしてしまったことがあります。そのときはホームティーチャーの先生からさまざまなご指摘や強い苦言をいただきましたが、ミスをした私を見放さずにいてくださった温かい先生だったので、今では私の提案を「大塚さんが言ってくれるなら」と受け入れてくださいますし、とても良い信頼関係が築けています。

今野 とても方向音痴なので、目的地にたどり着けず時間の失敗をしてしまったことは多々あります。元々は小さなことでも気になり、緊張もしやすい性格です。何かあると「どうしよう、どうしよう」と悩むタイプでしたが、だんだん自分のランクが上がり、多様な経験をすることで鈍感力も耐性もできてきて、多少のことでは動じなくなっていると思います。

前田 数々の失敗はありましたが、それを次に生かすことが大切だなと思います。昔、弊社の基幹システムに問題が生じて、社内外のクレームで大変な状況がありました。このときに気付いたのは、クリティカルな問題が起きたときに何をどう対応するのかを事前に考えておけば不測の事態に耐えられるということ。今はほとんどのケースの回避策を答えることができます。経験を積むことは大事です。

金澤 仕事について指摘されたことなのに自分自身が否定された気持ちになってすごく傷つくこともありますよね。そのようなときはどう気持ちを切り替えていますか?

今野 まさに同じように仕事のミスで怒られたのに、私自身を否定された気持ちになって、この仕事は向いていないのではないかと落ち込んだ時期がありました。そんな時に何でも相談できる上司に悩みを打ち明けたところ、「誰もあなた自身のことそんなに気にしてないよ」と言われて、すごく気持ちが楽になりました。愛情のある話の中で最後にそう言ってもらえて、「そうよね、私は私らしく好きなことにチャレンジしてみればいいのよね」と思えました。

前田 実は先日も電話口で怒られるということがありました。苦言をいただいているときは、いつかは収まるだろうし、これだけ怒っている人を前に今日のゴールはどこに設定しようかと考えます。結果的にお客さまのところに行くことになったのですが、お電話で「もう二度と話したくない」と言われていた相手の方に、次のアポが取れるってすごくないですか?お怒りのときほど、信頼を取り戻すチャンスだと捉えています。あとは飲んで歌うことで発散しています(笑)。

大塚 私はあまり落ち込まないタイプで、落ち込んだとしても短期決着型です。短いスパンでどん底まで落ち込んだら、あとはもう前向きになるだけ。結構そこはあっさりしていて、気持ちを切り替えることができています。

管理職になったことで
より仕事が楽しくなった

金澤 2つ目のテーマは仕事術について。皆さんは管理職を目指していましたか?

前田 20代〜30代前半の頃から、今の自分より1つ、2つ上くらいのポジションにいるリーダーを見たときに「私が今やっている仕事とあまり変わらない。これなら私にもできる」と思っちゃうタイプだったので、管理職を目指すというよりは、だったらそのポジションに自分がいたほうが仕事がやりやすいなと思っていました。立場が上になると自分の権限範囲が増えるので、仕事がやりやすいですよね。もちろん責任は大きくなりますが。

今野 私は管理職やリーダー職になるぞ!と目指したことはなかったです。弊社はマネージャー以上が管理職ですが、入社してからマネージャーになるまでに10個以上のランクがあって、成果によってどんどんランクアップするというキャリアパスになっています。なので、常に自分より1つ上、2つ上のランクにいる人たちを見てやるべきことや期待されることを意識し実行した結果、マネージャーのポジションまできました。常に次のステップで求められることを考えて、着実にステップアップしてきたという感じです。

大塚 入社して6年目になりますが、今まで年齢も勤務年数も自分が一番下という環境で仕事をしてきたので、管理職に就くことは正直考えていませんでした。

金澤 大塚さんは管理職の話を1度断った経験がおありですよね。どうして断ったのですか?

大塚 自分では務まらないという気持ちが大きかったからです。でも今は管理職になって良かったと思っています。自分だったらこうする、ということを一緒に働くメンバーと共有できますし、人材育成にもつながります。人の育成は会社の成長にもつながるので、そういった部分に関われることにやりがいを感じています。

今野 私が管理職になって良かったと思うのは、単純に仕事が楽しいからです。自分の好きなことを自由にやれる幅がぐっと広がり、それに賛同してくれる人たちを自分の責任の中で巻き込んで一緒にチームとして遂行していくことができるので、すごく楽しいですね。

前田 私もそうです。お客様とのリレーションを作るのも私の仕事ですが、例えば20代の頃の私が突然「社長に会いたい」と言っても会えません。でも今ならアポが取れます。そうすると色々な話が聞けるし、それがすべて自分の知識や力になり、次に活かせる。自分よりも上のステップにいる方に直接話しを聞くことができるのは非常に素晴らしいことだと思うので、管理職はとても楽しいです。

金澤 次が最後のテーマです。ワークとライフのベストバランスを保てていますか?

前田 どこで仕事をしてもいい、というのが弊社の特徴です。私はスマホひとつあれば決裁までできるシステムになっているので、今は週に1回出社して、それ以外は自宅や出張先のカフェ、空港のラウンジ、移動中の電車など色々な場所で仕事をしています。環境がものすごく整えられているので、非常に仕事がしやすいです。ある意味バランスが取れていますし、仕事しかしていないとも言えます(笑)。

今野 弊社は管理職だけでなく、非管理職の人たちもフリーロケーション制度やフレックス制度を利用して、働く場所や時間帯を選ぶことができます。私が新人の頃は仕事とプライベートはきっちり分けていて、仕事が忙しくなってくるとどんどんプライベートの時間が圧縮されてフラストレーションが溜まるという感じでした。でも今は制度の充実もあって、仕事とプライベートの2分割ではなく24時間をコマ切れにして様々な予定を入れながら時間をやりくりできています。

大塚 私は職場を離れたら一切仕事のことは考えたくない!というタイプなのですが、管理職として駆け出しということもあり、現状はそれができていないかなと思います。家に帰ってからも次の日の仕事の段取りややるべきことが頭に浮かんできて、ああまた仕事のことを考えてしまったと葛藤しています。実際に仕事を持ち帰るわけではありませんが、頭の中で考えること事態が仕事だと思っているので、そういう意味では上手いバランスの取り方をこれから見つけていきたいです。

金澤 ベストバランスは人によって違いますよね。こうしなければいけないという正解はないと思います。時間を有効に使うためのおすすめのサービスやツールはありますか?

前田 さきほど申し上げたように、会社としてツールや制度が整っているのはいいことですよね。そういう制度がある会社を選ぶのもひとつの手だし、30代、40代の方が会社の制度を変えていこうと積極的になる必要があると思います。

今野 私は仕事だけでなくプライベートの予定も含めて、すべてのスケジュールを自分の関係者にフル公開しています。最初はオープンにすることに抵抗がありましたが、やってみると結構周りの人たちがそれに合わせて調整してくれたりするので、やって良かったです。今年結婚してからは自分のパートナーともスケジュールを公開し合っていて、とても便利です。

大塚 私は時間管理が得意ではないので、かなり原始的なやり方ですがキッチンタイマーを常に手元に置いて仕事をしています。例えば、この仕事は15分で終わらせると決めたら15分にセットして仕事を始めたり、先生とのお約束を忘れないようにセットしたり。仕事をスムーズに進めるのに役立っています。

今以上に女性が働きやすく
活躍できる環境作りを

金澤 皆さんの今後の夢や実現させたいことをお聞かせください。

大塚 ECCジュニアのホームティーチャーというお仕事をもっともっと皆さんに知っていただくことがこれからの目標であり夢です。ホームティーチャーはライフステージに仕事を合わせることができるので、自分の理想の形で活動していただけますし、女性が個人事業主として教室を運営していくのは大変ですが大きな可能性も秘めていると思います。私たちも先生方をしっかりサポートできるよう、日々邁進します。

今野 女性としてはより柔らかく、柔軟な人になりたいです。適応力の高さや柔らかさは女性ならではのものだと思っていますので。仕事面では、今社内で担当している新しいコンサルサービスできっちり成果を出して、認められることが目標です。私は社内のダイバーシティ&インクルージョン推進の中心メンバーでもあるので、女性の熱い思いや働きたい、キャリアアップしたいという意志を発信し、女性の有能さを決してつぶすことなく社内で有効に活かしていくにはどうすればよいのかを全社員が考え続けられるようなアクションを継続していきたいと思います。

前田 これからは自分のことよりも、女性の意識改革に取り組みたいです。女性はこうなりたいという野心をもっと全面に出していいと思う。男性は野心を全面に出しますが、女性は自分に能力があってもそういったことを言うのが何となく憚られる風潮があるので、もっともっと意思表示をしてほしいです。目標を言葉にして、それに見合った知識や能力を身につけることを自分に課す。特に20代、30代の方にはそういう覚悟を持って仕事をしていただきたい。40代、50代の方は知識も能力もありますから、それをうまく活かしながら自分の後輩を育てることに注力してもらいたいなと。そんなことができる環境をつくっていければと思っています。