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「広島県府中市 しごと&くらしフェス2017」開催レポート

「広島県府中市 しごと&くらしフェス2017」開催レポート

 2017年11月19日、「広島県府中市 しごと&くらしフェス2017」が日東紡ビル(東京・中央区)にて開催された。 広島県東部に位置する府中市は、産業機械、家具、靴、電子機器、再生燃料など様々な産業が集積した「ものづくりのまち」として知られ、世界で活躍する大手上場企業から成長著しいベンチャーまで多数の事業所が立地している。 同市の注目企業や団体が集結した今回のフェスでは、パネルディスカッションや相談ブースにて、府中市でこそ実現できる「しごと&くらし」の魅力が多角的に伝えられた。

子育て世代が暮らしやすい府中市

 まずは、フェスに先立ち、主催者である広島県府中市役所 総務部の石川部長が開催の挨拶を行った。「府中市では主に医療、教育の充実に取り組むほか、産業が盛んで女性の就業率が高いため、子育て支援にも注力。保育所の待機児童ゼロなど、子育て世代が暮らしやすい地域」とアピールした。

 次に登壇したのは、2015年から地域おこし協力隊として同市で活躍している有光梨沙氏。「季節行事も多く、自然の中でリフレッシュできる場が多数ある。今後も府中に残り、将来的には菓子店など自分の店舗を持ちたい」と、府中での充実した暮らしや夢を語った。

時代のニーズに合わせて新たなものづくりにチャレンジ

 続いて、パネルディスカッション「府中市で見つける新しいキャリア」が行われた。その第1部に登壇したのは、(株)オガワエコノス 営業統括部 東京センター センター長の横山友和氏、(株)タテイシ広美社 代表取締役社長の立石良典氏、(株)ニチマン 管理部の松川晃久氏の3名。いずれも、ものづくりの伝統を守るだけでなく、時代の要請に応えて新機軸を打ち出す努力を続けている企業だ。各社の紹介をはじめ、求める人材や築けるキャリア、会社の将来像などについて本音のトークが繰り広げられた。

 オガワエコノスは、家庭や工場などから出る廃棄物処理を主な業務とする環境関連企業。最先端の技術で廃棄物を固形燃料化し、全国展開もしている。横山氏は、「社会インフラとして世の中の関心度が高く、昨年度は1900人もの人が工場見学に訪れた。使命感を持った方と一緒に地域貢献はもちろん、地球環境をテーマとする大きな仕事にも挑戦したい」と意欲的に話した。

「社員が自立し、幸せになる会社」を目指すタテイシ広美社は、看板製造業からスタートし、今では最新のデジタルサイネージ(電子看板)を強みに年々業績を伸ばしている成長企業。東京・港区の防災情報システムをはじめ、全国に製品を納入し、2020年東京オリンピック向けのサイネージも開発中だ。「目的は規模拡大ではなく、社会から必要とされる会社になること。そのためにもフロンティア精神を持つ方に来てほしい」と立石氏は熱く語った。

 創業84年の歴史の中で培ってきたゴム加工の技術を活かし、ゴムタイルや自社スニーカーブランド「スピングルムーヴ」などを開発・製造・販売しているニチマン。松川氏はとくに「スピングルムーヴ」について、「10年前からイタリアやアメリカの展示会にブースを出展してきたが、さらに世界へと販路を広げ、グローバル化を進めていく。ものづくりやファッションに興味のある方と、自社製品を広く発信していきたい」とビジョンを語った。

企業とは異なる視点で「ものづくりのまち」を応援

 パネルディスカッション第2部には、社会福祉法人 静和会 理事長の今川智巳氏、特定非営利活動(NPO)法人 府中ノアンテナ 理事の原田弘子氏が登壇。どちらの団体も「ものづくりのまち」と深く関わる活動をしており、その事業内容や求める人材、地域団体としての今後のあり方などが語られた。

 静和会は、高齢者や障害者、児童の福祉事業に取り組み、「ものづくりのまち」を福祉の面から支援する団体。福祉事業だけでなく、里山レストランや宿泊施設などを運営することで障害者の就労の場を創出したりと、誰もが地域とつながりながら安心して暮らせるまちづくりにも携わっている。今川氏は「後継者不足の農業の分野と福祉を連携させた事業の開発など、取り組むべき課題は多い。志のある方に能力を活かしていただきたい」と述べた。

「NPO法人はボランティア組織ではなく、活動によって収益を上げ、職員に給与を支払う組織」との原田氏の前置きから事業紹介が始まった府中ノアンテナ。一番のミッションは「府中の魅力を発信し、ファンを増やす」こと。情報発信をテーマに広報物などの企画制作を手がけている。「また、地場産業振興の一環として、府中家具事業者とともに木のおもちゃの開発も行っている。この事業を強化していきたいので、企画と販売ができる方を大募集。ダブルワークも大歓迎なので興味のある方はぜひ!」と原田氏は力を込めた。

 第1部、第2部と盛り上がりをみせたパネルディスカッション。来場者は府中のリアルな現状が盛り込まれた登壇者の話に、真剣に耳を傾けた。

仕事や暮らしに加え、農業・教育ブースも出展

 今回のフェスでは「しごと&くらし相談ブース」も出展。参加企業・団体の転職相談ブースでは、来場者に様々な仕事情報を提供した。一方、府中市が出展したブースでは、暮らしや住まいなど移住に関する相談に応じた。
 そのほかにも、2つのブースが出展された。ひとつは、府中市上下町で農業による地域おこしを実践している、府中市議会議員の居神光男氏が「府中の農業の可能性を伝えたい」と出展した農業相談のブース。農業と他の仕事を掛け持ちする「半農半X」という言葉があるが、実際に居神氏は無農薬の有機栽培によるしょうがを生産。それを加工してしょうがシロップなどに商品化したりと、6次産業を目指して積極的に取り組んでいる。
 もうひとつは、広島県立上下高等学校の貞井俊哉校長による教育のブース。時代のすう勢により、かつては約1000名だった生徒数が現在は89名となったが、小規模校ということをメリットと捉え、勤労観や職業観を育成する本格的なインターンシップ制度の導入や、海外から留学生を受け入れるグローバル教育など様々な特色を打ち出している。貞井校長は「今年度から生徒の全国募集もスタートさせた。“小さな学校の大きな挑戦”を知ってほしい」との思いで同校をアピールした。
 いずれのブースでも、来場者が熱心に話を聞く様子が見られた今回のフェス。地方への移住や転職に関心がある来場者にとって、情報収集のための格好の場となったようだ。

文/後藤かおる 撮影/都築雅人

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広島県府中市企画財政課 TEL:0847-43-7118