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氷河期世代の5割、就労支援「評価」 効果には疑問も

氷河期世代の5割、就労支援「評価」 効果には疑問も
バブル経済崩壊後に大学などを卒業した30歳代半ばから40歳代の「就職氷河期世代」。政府が就労支援に乗り出し、自治体などで実施した採用に応募が殺到するなど最近注目を集める。転職情報サイト「日経キャリアNET」が当事者層に政府の支援策への評価を聞いたところ、50%が「評価」する一方、「遅すぎる」「間口が狭すぎる」など効果に懐疑的な見方も出た。

アンケート調査は、日経HRが日経キャリアNETの登録会員を対象に2020年1月から2月にかけて実施した。有効回答数は1076人。就職活動や現在の仕事への満足度、政府の就労支援制度への評価などについて、氷河期世代(35~49歳)、ゆとり世代(24~34歳)、バブル世代(50~55歳)との比較を交えてまとめた。

「3年間で正規雇用者を30万人増やす」とした氷河期世代に対する政府の就労支援策についての評価を聞いたところ、当の氷河期世代は18%が「大いに評価する」、32%が「少し評価する」と回答。「評価する」は計50%に上った。

【氷河期世代】
・すでに40歳を超えるため、遅きに失した感がある(46歳男性、少し評価する)
・可能であれば、希望する業種や職種で一から働きたい(39歳男性、大いに評価)
・支援を始めたこと自体は評価。ただ遅すぎる(45歳女性、少し評価)
・あまりに狭き門だから、救われるのはほんの一握り(44歳男性、全く評価しない)

新卒時の就活、氷河期世代の4割が「不満」

「新卒時の就職活動の満足度」について尋ねたところ、「非常に不満」との回答は、氷河期世代で24%に上ったのに対し、バブル世代は9%、ゆとり世代は16%と大きく差が開きが出た。氷河期世代は「少し不満」(14%)と合わせると38%が「不満」とした。

【氷河期世代】
・正社員の求人が少なかった(41歳女性)
・選択肢がほぼなかった(43歳男性)
・男性しか相手にされなかった(47歳女性)
・女性であることが不利に感じた(43歳女性)
・就職できず、社会に必要とされていないと感じた(40歳女性)

【ゆとり世代】
・第1志望をはじめ複数社から内定が出た(29歳男性)
・希望の会社に入社、有利な転職もできた(28歳男性)

【バブル世代】
・楽に就職できた(55歳男性)
・就職先を自由に選べた(55歳男性)

新卒時に「正社員」として採用された割合をみると、氷河期世代は85%と3世代のなかで最低。契約社員(5%)、派遣社員(2%)、アルバイト(5%)として職に就いた人もいた。

氷河期世代で非正規で働き始めた人に、正社員になるまでに要した期間を尋ねたところ、「5~10年未満」が18%、「10年以上」が6%だった。一方「現在も正社員以外の形態で働いている」が14%、「正社員にならないまま働くのをやめた」も8%に上り、新卒時の就職の成否が、キャリア形成を大きく左右したことがうかがえる。

「非正規雇用で働いた経験があるか」との質問に対しては、氷河期世代の46%が「ある」と回答、31%のゆとり世代、32%のバブル世代を大きく上回った。さらに氷河期世代では、新卒時に正社員として就職したものの、現在は非正規で働いている人や無職の人が20%程度いた。

氷河期世代は「仕事内容」を重視

「新卒時の就職先選びで重視したこと」を尋ねたところ、「知名度・ブランド」を選んだ氷河期世代は10%で、3世代のなかで最も少なかった。半面、「仕事内容」との回答は36%と3世代で最も高かった。バブル経済の崩壊で人気企業が採用を絞り込むなか、堅実志向を強めたようだ。

現在の勤務先の規模をみると、従業員数「3000人以上」は氷河期世代では26%で、ゆとり世代、バブル世代それぞれの32%を下回った。新卒時に大手人気企業に就職することが難しかったことがここにも影響しているようだ。

現在の仕事に対する満足度を聞いたところ、氷河期世代は「非常に満足」との回答が5%で、ゆとり世代の10%、バブル世代の7%を下回った

【氷河期世代】
・給与が上がらない(43歳男性、少し不満)
・どう頑張っても正社員になれない(40歳男性、非常に不満)
・正社員の仕事が見つからない(42歳女性、非常に不満)
・待遇が悪すぎる 将来が見えない 転職できない(37歳男性、非常に不満)
・やりたいキャリアを積み重ねているから(41歳男性、非常に満足)
・転職して好きな仕事に就いた(41歳女性、まあ満足)

これまでのキャリアを自己採点してもらったところ、「33点以下」との回答は氷河期世代が16%と、ゆとり世代の10%、バブル世代の6%を大きく上回った。点数の理由を尋ねると「正規雇用での経験が積めていない」などとする氷河期世代が目立った。

【氷河期世代】
・すべてが不満(45歳男性、0点)
・若いころの求人環境が悪く、全くキャリアを積めていない(43歳男性、3点)
・人生が思い通りいかない(45歳女性、10点)
・転職回数が多く、一貫性がない職歴になってしまった(46歳女性、10点)
・派遣かパート、契約社員でしか働けない(41歳男性、15点)
・ほぼ非正規で職歴がない(48歳男性、20点)
・転職後、非正規が続き正社員になれない(48歳女性、30点)

氷河期世代、強みは「変化対応力」

豊田義博 リクルートワークス研究所 特任研究員の話

氷河期世代は不本意なことを含め、さまざまな変化を経験して「変化に対応する力、マインドセット(思考様式)」を身につけてきたと思います。その経験は、先行きの見通しがきかないこれからの時代、必ずいきるはずだと思います。