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自分は? スキル、年収、人間関係…年齢と転職のワケ

自分は? スキル、年収、人間関係…年齢と転職のワケ
20歳代は新たなスキルの習得、30歳代は年収アップ、40歳代は人間関係――。企業の採用多様化で、転職は一般的になってきたが、年代によって転職の理由に大きな違いがあることが転職情報サイト「日経キャリアNET」のアンケート調査で分かった。4割以上が「転職で年収が増えた」と回答した半面、3割が自らの転職を「失敗」と評価した。転職には綿密な準備と慎重な判断が欠かせないことを改めて示す結果となった。

調査は日経HRが転職したことのある日経キャリアNET登録会員を対象に2019年9月に実施した。有効回答数は603人。

転職理由(複数回答)で最も多かった回答は「キャリア・能力をより生かせる環境を求めて」(35%)で、「年収を上げたい」(27%)、「新たな経験やスキルを身に付けたい」(26%)と続いた。「会社の将来に不安」(24%)、「人間関係への不満」(23%)との回答も目立った。

年代別にみると、20歳代では「新たな経験やスキルを身に付けたい」(34%)と「年収を上げたい」(34%)が最多。ほかの年代に比べて、「残業が多い」(16%)や「仕事が単調で成長が感じられない」(13%)「休暇が取れない」(12%)など、労働環境や仕事に対する不満が多くみられた。

30歳代では1位は「キャリア・能力をより生かせる環境を求めて」(40%)、2位は「年収を上げたい」(35%)だった。住宅ローンや子供の養育費など、出費がかさむライフステージを迎えて、現状の所得に物足りなさを感じているようだ。

40歳代の1位も「キャリア・能力をより生かせる環境を求めて」(34%)だったが、2位は「人間関係への不満」(27%)。調査で全世代を対象に「人間関係への不満」の原因について尋ねたところ、すべての年代で「上司」が最多だったが、40歳代では「同期」との回答も多かった。昇進の差が明らかになる年代ともあって、登用された同期への不満がうかがわれた。

50歳代は1位が「キャリア・能力をより生かせる環境を求めて」(41%)、2位が「会社の将来に不安」(27%)だった。ほかの年代に比べて「社風が合わない」(23%)、「降格・減給」(12%)との回答が目立った。

年収の変化について質問したところ、46%が「増えた」と回答。「変わらなかった」は19%、「減った」は31%だった。

2015年に実施したアンケート調査(有効回答数は751人)では、「増えた」(41%)のうち「200万円超増えた」との回答は2%だったが、今回は10%と比率が大きく上がった。需給ひっ迫感が特に強いデータサイエンティストやデータアナリスト、ITエンジニアなど、職種によっては高額の年収を提示して、外部の人材を採用するケースが増えていることが影響しているようだ。

転職についての自己評価を尋ねたところ、「成功」との回答は74%、「失敗」は26%だった。「成功」と評価した理由は「年収が上がった」「キャリアアップできた」「やりがいがある」が大半を占めた。「失敗」と評価した人に原因を聞くと、「調査不足」「焦り」との分析が目立った。

◎転職が「成功」と答えた理由

・業界大手に移籍できた。年収、やりがいに加え、同僚の意識の高さに刺激される(30歳代男性)

・福利厚生が充実、結婚出産後も働き続けることができそう(30歳代女性)

・希望どおりのスキルアップにつながるレベルが高い環境(30歳代男性)

・仕事内容も年収も人間関係もかなり改善された(40歳代男性)

◎転職が「失敗」と答えた理由

・オファーから意思決定までの期間が短く、自身も急いでいたため熟考できなかった。もっと吟味してから決めるべきだったと後悔している(40歳代女性)

・ワークライフバランスは改善したが、将来性に不安がある(30歳代男性)

・会社の将来性に不安。残業代、昇給、賞与がないなど、事前の情報収集を怠った(20歳代女性)

・すでに退社していた焦りもあり、最も早く内定した会社に決めてしまった(40歳代男性)

日経HRの中島秀雄キャリアコンサルタントは「数年前までは就業環境や人間関係への不満など、ネガティブな理由による転職が多かったが、最近はキャリアアップなど前向きな理由が増えている」と分析。「中途採用需要が高まっているとはいえ、転職の目的と転職先との適性を冷静に照らしあわせて、慎重に判断することが重要」とした。